ホンダF1:2020年 第4戦 F1イギリスGP 金曜フリー走行レポート
F1イギリスGPのレースウイーク初日は厳しい暑さの中始まり、FP1でレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークする好スタートを切った。

FP1は気温が34℃に達する中で行われ、フェルスタッペンは1分27秒422と後続におよそ0.5秒差のトップタイム。チームメートのアレクサンダー・アルボンは、前戦のハンガリーからアップデートした新しいコンポーネントに苦戦しながらも、トップ4入りを果たした。

アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは10番手につけ、そのわずか0.041秒差でピエール・ガスリーが11番手と続いた。

FP2はさらに気温が上がる中で行われ、アルボンがトップとわずか0.1秒以内の差で2番手を走行した。しかし、セッション中盤に差し掛かったとき、アルボンは高速コーナーでコースアウト。コースバリアにクラッシュして走行を終えることを与儀なくされた。幸いアルボンにケガはなく、メディカルセンターからも無事に帰ってくることができた。

このアルボンのクラッシュにより赤旗中断となり、何人かのドライバーたちはこのFP2で燃料タンクが軽い状態でのタイムアタックを行うことができなかった。タイムアタックができたガスリーは8番手タイム。一方でロングランにフォーカスを置いたフェルスタッペンとクビアトはそれぞれ14番手、15番手でセッションを終えた。

このレースウイークは徐々に気温が下がる予報だが、ホンダF1は今日得たデータを活用し、明日以降のセッションに臨む。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のイギリスグランプリ初日には、過去3戦で得たデータをもとに、パワーユニット(PU)のマネジメントやドライバビリティの改善を行った上で臨んでいます。外気温が30℃を超え、暑い中でのセッションになりましたが、PUとしては特に問題なく機能しています。明日以降は気温の低下が予想されていますので、今日入手したデータを参考に気温の変化に合わせたセットアップを準備していきます。なお、FP2でのアルボン選手のクラッシュによるPUへの影響については、今晩の作業で状態の確認を行います」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「FP2でのアクシデント以外は、今日はとてもポジティブな結果の一日になりました。大したことはなく、僕自身も無事でした。リアが流れてしまい、マシンを制御することができませんでした。持ち直したと思ったのですが、リアの挙動を失ってしまいました。何が起こったのかデータを解析したいと思います。チームとしては、大きな一歩を踏み出せた初日だったと思います。今日はあまり期待できないと予想していたのですが、FP1を走りだしてみるとマシンの感触もよく手応えを感じることができました。もちろんメルセデスはまだすべてのポテンシャルを見せているとは思っていませんが、僕たちのチームのマシンのほうがバランスがよさそうに見えたので、より理解できているのではないでしょうか。明日は風や気温が今日とは大きく変わりそうなので、リセットされるような気持ちですが、今のところとてもいい方向に進んでいると思います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「シルバーストンに今年も戻ってこれてうれしいです! シーズン通して行われるサーキットの中でも、指折りのサーキットの1つだと思います。多くの周回を走ることができ、予定していたテストも終えることができたので、いいスタートを切れたのではないでしょうか。しかし、まだマシンの感触にはしっくりきていません。今夜の作業で正しい方向に改善できれば、明日はさらにいいパフォーマンスを発揮できる自信があるので楽しみです」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「FP2でアタックラップ中にブロックされてしまい、思うようなアタックができずに終わってしまいました。しかし今日は悪くない初日になったと思います。改善を重ねた新しいマシンパーツをテストしましたが、いい方向に作用しているようなので安心しています。もちろんまだ多くの改善点は残されていますし、レースウイークの金曜日は他のチームが何をしているのかは分かりません。マシンにいい手応えは感じていますが、引き続き改善に努めていきます。ロングランでも調子はよさそうですが、このレースウイークにかけて天気が変動していきそうなので、どう状況が変わっていくかはまだ分かりません。総合的にはポジティブな初日を迎えることができたと思います。明日、自分たちが本当にどのポジションにいるかが分かるでしょう」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「FP2の中盤、ニュータイヤでの走行中に赤旗となってしまい、十分に走ることができなかったものの、レースウイーク初日は成果を得られたと思います。ニュータイヤでの走行をあきらめ、セッションの残りはユースドタイヤで走らなくてはならなかったのが少し残念でした。それ以外は、予定していたテストもいくつかこなすことができましたし、マシンのバランスにも手応えを感じました。今夜データの解析に努め、明日に向けて何を改善できるか見つけていきたいと思います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1イギリスGP / スクーデリア・アルファタウリ