キャデラックF1、スーパーボウル広告にマイケル・ベイが“盗用”で法的措置
キャデラックがF1の11番目のチームとして迎える公式デビューは、これ以上ないほど「ハリウッド的」な幕開けとなった。ただし、その理由は予想外のものだった。ゼネラルモーターズ(GM)がスーパーボウルLIXで大規模なメディア戦略を展開しようとしていたさなか、映画監督マイケル・ベイが直前に法的措置を取り、ブランド史上最も高額なCMを差し止めようとしたのである。

連邦裁判所に提出された訴状では、キャデラックとその広告代理店が、ベイ監督の「視覚的美学や登録されたカメラ技法」を盗用したと主張されている。The Athleticの報道によれば、ベイは当初このCMを自身が監督する交渉が行われていたものの、それが決裂した後、ブランド側が彼の映画的スタイルをそのまま写し取ったような映像作品を制作したと訴えている。具体的には、特定のカメラアングルや編集効果が、自身の知的財産に当たるという主張だ。

法的な騒動にもかかわらず、1500万ドル(約15億円)規模とされるこのCMは、ペイトリオッツ対シーホークスのスーパーボウル中継で予定通り放映された。この広告は単なるプロモーションではなく、モータースポーツ最高峰への本格参入を宣言する、GMにとっての「宣戦布告」とも言えるものだった。リバティ・メディアやFIAとの激しい政治的駆け引きを経て、キャデラックはF1人気が高まるアメリカ市場で、その存在感を最大限に示す舞台としてスーパーボウルを選んだ。

キャデラック側の反応は即座で強硬だった。GMの広報担当者は、この訴訟を根拠のない気を散らす行為だと一蹴し、問題のCMは「スピードとアメリカン・エンジニアリングを祝福する独創的な作品」だと説明した。アクション映画との類似点があるとしても、それはモータースポーツという競技が本質的にダイナミックであることの必然的な結果にすぎないという立場を示している。

現時点では、キャデラックはCMを予定通り放映するという最初の局面では勝利を収めた。しかし、マイケル・ベイとの法廷闘争はまだ始まったばかりであり、この問題は今後、メディアの話題から裁判の場へと舞台を移していくことになりそうだ。

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カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム