冬季五輪女王リンゼイ・ボン、F1挑戦を阻んだ条件「妊娠してはいけない」

アルペンスキーで数々の栄光を手にしてきたボンは、2018年平昌大会以来となるオリンピック復帰を目指し、イタリアで開催されるミラノ・コルティナ大会に向けて準備を進めている。
レッドブルの支援を受けてきたキャリアの中で、彼女にはモータースポーツへ転向するという、異例のプランが描かれていたという。
ボンは2020年、競技から一度身を引いた時期に出演したインタビューの中で、F1ドライバー転向の可能性について次のように語っていた。
「オーストリアのシュピールベルクで、F1のコースを走ったことがあります。別のときにはアウトバーンで時速130マイルまで出しました。制限速度のない区間で、マリア・ヘーフル=リーシュと一緒に、彼女のアウディR8を運転していたんです。」
「そのとき彼女に『リンゼイ、全然速くないじゃない』と言われて、『じゃあ見せてやろう』と思いました。」
一方で、サーキット走行では課題も感じていたという。
「レーストラックではもっと速かったんですけど、私はコーナーで少し突っ込みすぎる癖があって、スピンしてしまうことが多かったです。」

それでも、F1という舞台は大きな魅力を持っていた。
「実際にF1に転向してドライバーになることも考えました。ただ、そのためには3年間すべてを捧げる完全なコミットメントが必要で、『妊娠してはいけないし、他のことは一切できない』と言われたんです。」
その条件に対し、彼女は率直な思いを口にしている。
「正直に言って、『それを本当にやりたいのかどうか分からない』と思いました。とてもワクワクする話ではありましたが、それが自分の人生として正しい選択なのかは、別の問題でした。」
スキー界の頂点に立ったアスリートが、F1という全く異なる世界に足を踏み入れる可能性は最終的に実現しなかった。その背景には、才能や情熱だけでは越えられない現実的な条件と、人生設計を巡る選択があったことが浮かび上がる。
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