ホンダF1
ホンダF1は、レッドブル・レーシングとスクデーリア・トロ・ロッソとともに2019年のF1世界選手権 第15戦 シンガポールGPに挑む。

ドライバーにとってカレンダーの中でも体力的な負荷が最も大きいのが、ここマリーナ・ベイ・ストリート・サーキット。高温多湿の環境下で、タイトなストリートコースを走るのは、マシンにとっても負荷が大きくなる。また、ギアチェンジの回数が多いコースでもあり、パワーユニットのドライバビリティーも重要なファクターとなる。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今シーズンのヨーロッパラウンドを終え、ここからはシーズン終盤に向けて、世界各地を巡るフライアウェイレースが始まります。まずはシンガポールでの戦いになりますが、レースが行われるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットは、高速サーキットで行われた過去2戦と異なり、テクニカルな低速サーキットです。また、23ものコーナーを有することもこのサーキットの特徴で、PUとしては数多く配置されている低速コーナーを速く立ち上がるためのドライバビリティーが重要になります。ストリートサーキットでオーバーテイクが困難なため、予選でのパフォーマンスもキーになると考えています。Aston Martin Red Bull Racing、Red Bull Toro Rosso Hondaともに伝統的に得意としているサーキットですので、予選、レースに向けて十分に準備をして臨みます」

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
「モンツァでは最終的な結果こそ僕らが望んでいたものではありませんでしたが、いくつかポジティブといえる収穫がありました。金曜日のパフォーマンスは予想以上でしたし、日曜日のレースペースもよかったと思います。そうした状況に満足できたので、シンガポールは全く異なる特徴のコースではありますが、前向きな気持ちで週末に臨めると思います。少しストレートが長いものの、ストリートコースですのでモナコとの共通点も多く、マシンはダウンフォース重視のセッティングにしています。昨年は複雑な思いでレースを終えましたが、歴史的にチームとしてはいい結果を残しているサーキットです。このチームに戻ってから3戦目ですが、すでにモンツァの段階でマシンが快適だと感じていますし、エンジニアとどのように仕事を進めていくか、また一歩前進したところです。すべてがよくなっていると思いますし、かたちになっていると思います。シンガポールでのトピックと言えば、暑さとナイトレースであることです。タフな環境でのレースなので、間違いなくエキサイティングなものになると思っています。この数週間、より暑い環境でトレーニングをするべく、Tシャツやスウエットを重ね着して、汗をかいた状態に慣らしていきました。また、熱や湿気に体を慣らすため、サウナやハマム(トルコ式の温浴施設)で多くの時間を過ごしました。今年最も過酷で長いレースになると考えているので、非常に重要なトレーニングだと思いますし、できるだけの準備はしています。シンガポールは負荷がかかるコーナーをハイペースで周回するので、息つく暇もありません。しかし、リズムに乗ってテクニカルなコーナーを攻めていくサーキットは大好きです。極限の条件下で、2時間のレースを集中しなくてはなりません。今シーズン最も難しい週末であると同時に、最もエキサイティングなレースになるでしょう」

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「モンツァでは、リタイアするまで堅実なレース運びができていました。いい仕事ができていることを証明するようなパフォーマンスだった一方で、技術的な問題が起きてしまいました。ポイントを稼げると思っていただけにリタイアしたことは残念でしたが、シンガポールで取り返そうと思います。過去に、シンガポールでは6位と9位に入賞しています。コースは長く、バンプもあり、次々にコーナーが迫ってくる独特のレイアウトです。非常に蒸し暑い中で長時間のレースに挑むので、今年一番過酷なレースの一つだと思いますし、だからこそドライバーとしてはおもしろく、そしてワクワクさせられると思います。ストリートサーキットなので、常にアドレナリンが出ますし、照明の中を走るナイトレースであることがさらにエキサイティングさを増すので、すばらしいレースだと感じています。ナイトレースについて、いろいろなことを聞かれますが、正直なところ、対処は非常に簡単です。このレース用のプログラムがあり、それに従って午前4時から5時ごろに寝るのですが、そうすると不思議と時差ぼけも感じません。僕らはシンガポールに向かうときは長年このスケジュールで身体を慣らしてきました。現地はとても暑く、湿度も高いので、この環境を考慮してレース前のトレーニングを行っています。ヨーロッパにいても、いつもより厚着をしてランニングをしています。最近のレースではペースがいいので、スパやモンツァと異なるコースであっても、同じように臨もうとしています。ストリートサーキットは僕たちにとって伝統的に相性がいいですし、実際に今年はモナコで競争力を示せたので、シンガポールで多くのポイントを獲得できればと考えています」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「後半戦初のフライアウェイレースになるシンガポールGPを、とても楽しみにしています。マリーナ・ベイ・ストリート・サーキットは僕にとって初めて走るサーキットですし、シンガポールを訪れるのも初めてなので、どんな週末になるのかワクワクしています。ここは湿気と長いレースのせいで、最もフィジカルに厳しいレースの一つだと聞いていますし、ストリートサーキットですので、ミスも許されません。こんなところでレースを走ったことがないので、楽しいことになるのではないかと思っています。また、地理的にタイにとても近いので、僕にとってはホームレースとも言え、家族やスポンサーが訪れる予定で、その意味でもエキサイティングな週末になります。シミュレーターでの準備は終わりましたし、RB15に乗って、まばゆい照明の下でのレースが待ちきれません」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「シンガポールはすばらしいサーキットで、街の夜景も本当に美しいです。照明の下で走るサーキットは普段のレースウイークとは非常に異なっていて特別な気分になりますし、走っていてすごく楽しいです。暑い中で非常に多く汗をかきますし、フィジカル面でとてもタフなサーキットですが、カレンダーのなかで最も好きなコースの一つです。ここはコーナーの数が多いですが、高速と低速の複合コーナーや、ランオフエリアがわずかしかない中速コーナーなど、そのバリエーションも多彩です。チームにとってはスパやモンツァといった高速サーキットよりも相性のいいサーキットと言えますし、昨年僕は2位でフィニッシュしたので、今年もいい結果を残せればと思っています。ここでのオーバーテイクは難しいので、まずは予選で確実に結果を残す必要があります。モンツァでは後方からのスタートにより難しいレースになりましたが、今週はペナルティーなく普通の状況下でレースができることを楽しみにしています。できる限りのポイントを獲得して帰りたいと思います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1シンガポールGP