ホンダF1 | 2019年 F1イタリアGP 決勝レポート
ホンダF1エンジン勢にとって難しい一戦となったイタリアGPでは、アストンマーティン・レッドブル・レーシングの2台がポイントを獲得することができたが、一方でレッドブル・トロロッソ・ホンダにとっては不運なレースとなった。
予選の結果、アレクサンダー・アルボンは8番グリッド、そしてダニール・クビアトは12番グリッドから決勝をスタート。スペック4のPUへの交換により、グリッド降格ペナルティーを受けたマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーは、グリッド後方からのスタートとなった。
オープニングラップの1コーナーで、フロントウイングにダメージを負ったフェルスタッペンは、パーツ交換のために緊急ピットイン。そしてレース序盤の混乱は、ホンダ PU搭載マシンの4台のうち3台のレース展開に影響を及ぼした。
レズモコーナーで、アルボンはカルロス・サインツと6番手をかけた接近戦を繰り広げた。サインツはコーナー出口でアルボンをワイドに追いやったため、アルボンはポジションを9番手に落としてコースへ復帰。その際のショートカットが原因で5秒加算ペナルティーを受けたアルボンだったが、そのあと26周目でピットインをしてから追い上げをみせ、このレースを6位で終えることができた。
クビアトとガスリーは、ポイント獲得を賭けた争いを繰り広げたが、不運にもそのあとガスリーはコースアウトに巻き込まれてしまった。アスカリシケインでセバスチャン・ベッテルと接触があったランス・ストロールは、ガスリーの直前でコース上に復帰。そのためグラベルに追いやられてしまったガスリーだったが、いくつかポジションを落としながらも壁への激突を免れた。
バーチャルセーフティカーにより、28周目に同時にピットインしたマクラーレンとトロロッソだったが、そのあとクビアトのマシン後方からスモークが発生し、リタイアを余儀なくされました。オイル漏れの箇所など、詳しい原因はトロロッソのエンジニアたちとともに詳しく解明していく予定。
ガスリーは10番手のランド・ノリスをとらえることができず、惜しくもポイント獲得には至らなかったが、11位までポジションを上げる追い上げをみせた。
19番グリッドスタートのフェルスタッペンは、レース序盤に起きたアクシデントにより、トロロッソの2台がピットインする前に2回目のピットインを余儀なくされたが、8位まで追い上げて4ポイントを獲得し、今大会を締めくくることができた。
田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日は不運な接触やペナルティーなどの影響もあり、Honda勢にとっては難しいレースになりました。アストンマーティン・レッドブル・レーシングのアルボン選手は、序盤のサインツ選手との接触により、順位を落としたものの、6位まで順位を回復する粘り強いレースをみせてくれました。今回のレースでは、PUの交換によるペナルティーで、フェルスタッペン選手とガスリー選手がグリッド後方からのスタートとなりました。フェルスタッペン選手はスタート直後の接触により、フロントウイング交換のためのピットインを余儀なくされましたが、そこから力強い走りでポイント圏内まで順位を上げました。ガスリー選手も序盤にオーバーテイクをみせてポジションアップを続けましたが、ストロール選手とのアクシデントにより、順位を落とし、ポイント圏外の11位フィニッシュとなりました。クビアト選手については、オイル漏れが起因となるトラブルにより、残念ながらリタイアとなりました。オイル漏れについては、これからチームと一緒に発生箇所の特定を急ぎます。
4台のスペック4のPUを使用した今週末は、多くのデータを得ることができました。ここからシンガポールGPに向けて準備を進めます」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング/6位)
「レースは予定していた通りとはなりませんでしたが、いくつかポジティブな部分もありました。チームにとって簡単なサーキットではなかったうえに、予選では不運に見舞われた週末でした。レースではスタートがうまくいかず、後方から追い上げなければいけない序盤になりました。残念ながらストレートでオーバーテイクできるほどのスピードはなかったので、コーナーでバトルを仕掛けなければなりませんでした。なので、サイドバイサイドの接近戦が多く、グリップを失うことにつながってしまったようでした。そのあと、コースオフをしたことにより、5秒ペナルティーを受けることとなりました。しかし、レースペースが改善され、(前戦の)スパから大きく前進できたように感じているので満足しています。次戦のシンガポールは、さらに多くのダウンフォースが必要で、多くのコーナーがあるサーキットなので、よりよいレースができることを期待しています。もっと自分のポテンシャルを発揮できる自信があるので、次戦以降にも期待したいです」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング/8位)
「オープニングラップの1コーナーでのブレーキングで全員が減速したため、セルジオ(・ペレス)選手のリアタイヤと接触し、フロントウイングにダメージを負ってしまいました。すぐにピットインして新しいウイングに付け替え、前にマシンがいない状態で、いいペースで走ることができました。そのあと何台かオーバーテイクをしたのですが、不運なことにピットインした直後にバーチャルセーフティカーが導入されてしまいました。そのため、オーバーテイクした3、4台のマシンの背後につくことになりました。再びオーバーテイクすることはできましたが、タイヤに厳しい状況となり、ペレス選手の後ろで再び詰まってしまう状況になってしまいました。彼はストレートでとても速かったため、なかなか追い抜くことができませんでした。PUのペース面では前進がみられましたが、まだ改善できることがあると感じています。1周目の1コーナーで起きたことを考えると、8位でレースを終えることができたのは悪い結果ではないですし、後方からスタートするとこういったことが起きてしまいがちではあると思います。ここ2戦のレースでは難しい状況が続きましたが、やっと通常のレースウイークに戻れますし、もっとトップに近いところでレースができるのではと思っています」
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ/11位)
「17番手からのスタートでしたので、今日は難しいレースになると予想していましたが、今日はいろいろなことがあった一日でした。スタートはうまくいき、最初の1周で13番手まで上がることができました。展開はうまい具合に進んでいたのですが、ストロール選手がコースオフしてから戻ってきたタイミングが悪く、彼との接触を避けるためグラベルまで逃げなくてはならなくなり、2つポジションを下げてしまいました。それが原因で、(ポイント獲得となる)9位からはわずか3秒の差で届かずレースを終えることとなりました。理想的な結果とはなりませんでしたが、このレースウイークではいいパフォーマンスをみせることができましたし、グリッド後方からのスタートでもポイント獲得も可能なペースで走行することもできました。次戦のシンガポールでは、ペナルティーのないクリーンなレースをして、最大のポテンシャルを発揮して戦える一戦となることを期待しています」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/リタイア)
「今日は僕たちにとってすばらしい一戦となるはずでした。僕がリタイアとなってしまったときに、アストンマーティン・レッドブル・レーシングと互角に戦えていたので、僕たちのチームもポイント獲得の可能性が見えていました。しかし、いいパフォーマンスができているときでも、マシンにトラブルが発生してしまえば、あきらめなければならないのがモータースポーツというものです。周りのマシンと同じようなラップタイムで走行できていたうえに、新しいタイヤを装着していたので、トップ10に入れる自信が十分にありました。ポイント獲得に至らなかったのはとても残念ですが、ここ最近日曜の決勝では力強さをみせることができていると思います。なので、いい結果を目指し、次戦のシンガポールに向けて、気持ちを切り替え挑みたいと思います」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / トロロッソ / F1イタリアGP
予選の結果、アレクサンダー・アルボンは8番グリッド、そしてダニール・クビアトは12番グリッドから決勝をスタート。スペック4のPUへの交換により、グリッド降格ペナルティーを受けたマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーは、グリッド後方からのスタートとなった。
オープニングラップの1コーナーで、フロントウイングにダメージを負ったフェルスタッペンは、パーツ交換のために緊急ピットイン。そしてレース序盤の混乱は、ホンダ PU搭載マシンの4台のうち3台のレース展開に影響を及ぼした。
レズモコーナーで、アルボンはカルロス・サインツと6番手をかけた接近戦を繰り広げた。サインツはコーナー出口でアルボンをワイドに追いやったため、アルボンはポジションを9番手に落としてコースへ復帰。その際のショートカットが原因で5秒加算ペナルティーを受けたアルボンだったが、そのあと26周目でピットインをしてから追い上げをみせ、このレースを6位で終えることができた。
クビアトとガスリーは、ポイント獲得を賭けた争いを繰り広げたが、不運にもそのあとガスリーはコースアウトに巻き込まれてしまった。アスカリシケインでセバスチャン・ベッテルと接触があったランス・ストロールは、ガスリーの直前でコース上に復帰。そのためグラベルに追いやられてしまったガスリーだったが、いくつかポジションを落としながらも壁への激突を免れた。
バーチャルセーフティカーにより、28周目に同時にピットインしたマクラーレンとトロロッソだったが、そのあとクビアトのマシン後方からスモークが発生し、リタイアを余儀なくされました。オイル漏れの箇所など、詳しい原因はトロロッソのエンジニアたちとともに詳しく解明していく予定。
ガスリーは10番手のランド・ノリスをとらえることができず、惜しくもポイント獲得には至らなかったが、11位までポジションを上げる追い上げをみせた。
19番グリッドスタートのフェルスタッペンは、レース序盤に起きたアクシデントにより、トロロッソの2台がピットインする前に2回目のピットインを余儀なくされたが、8位まで追い上げて4ポイントを獲得し、今大会を締めくくることができた。
田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日は不運な接触やペナルティーなどの影響もあり、Honda勢にとっては難しいレースになりました。アストンマーティン・レッドブル・レーシングのアルボン選手は、序盤のサインツ選手との接触により、順位を落としたものの、6位まで順位を回復する粘り強いレースをみせてくれました。今回のレースでは、PUの交換によるペナルティーで、フェルスタッペン選手とガスリー選手がグリッド後方からのスタートとなりました。フェルスタッペン選手はスタート直後の接触により、フロントウイング交換のためのピットインを余儀なくされましたが、そこから力強い走りでポイント圏内まで順位を上げました。ガスリー選手も序盤にオーバーテイクをみせてポジションアップを続けましたが、ストロール選手とのアクシデントにより、順位を落とし、ポイント圏外の11位フィニッシュとなりました。クビアト選手については、オイル漏れが起因となるトラブルにより、残念ながらリタイアとなりました。オイル漏れについては、これからチームと一緒に発生箇所の特定を急ぎます。
4台のスペック4のPUを使用した今週末は、多くのデータを得ることができました。ここからシンガポールGPに向けて準備を進めます」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング/6位)
「レースは予定していた通りとはなりませんでしたが、いくつかポジティブな部分もありました。チームにとって簡単なサーキットではなかったうえに、予選では不運に見舞われた週末でした。レースではスタートがうまくいかず、後方から追い上げなければいけない序盤になりました。残念ながらストレートでオーバーテイクできるほどのスピードはなかったので、コーナーでバトルを仕掛けなければなりませんでした。なので、サイドバイサイドの接近戦が多く、グリップを失うことにつながってしまったようでした。そのあと、コースオフをしたことにより、5秒ペナルティーを受けることとなりました。しかし、レースペースが改善され、(前戦の)スパから大きく前進できたように感じているので満足しています。次戦のシンガポールは、さらに多くのダウンフォースが必要で、多くのコーナーがあるサーキットなので、よりよいレースができることを期待しています。もっと自分のポテンシャルを発揮できる自信があるので、次戦以降にも期待したいです」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング/8位)
「オープニングラップの1コーナーでのブレーキングで全員が減速したため、セルジオ(・ペレス)選手のリアタイヤと接触し、フロントウイングにダメージを負ってしまいました。すぐにピットインして新しいウイングに付け替え、前にマシンがいない状態で、いいペースで走ることができました。そのあと何台かオーバーテイクをしたのですが、不運なことにピットインした直後にバーチャルセーフティカーが導入されてしまいました。そのため、オーバーテイクした3、4台のマシンの背後につくことになりました。再びオーバーテイクすることはできましたが、タイヤに厳しい状況となり、ペレス選手の後ろで再び詰まってしまう状況になってしまいました。彼はストレートでとても速かったため、なかなか追い抜くことができませんでした。PUのペース面では前進がみられましたが、まだ改善できることがあると感じています。1周目の1コーナーで起きたことを考えると、8位でレースを終えることができたのは悪い結果ではないですし、後方からスタートするとこういったことが起きてしまいがちではあると思います。ここ2戦のレースでは難しい状況が続きましたが、やっと通常のレースウイークに戻れますし、もっとトップに近いところでレースができるのではと思っています」
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ/11位)
「17番手からのスタートでしたので、今日は難しいレースになると予想していましたが、今日はいろいろなことがあった一日でした。スタートはうまくいき、最初の1周で13番手まで上がることができました。展開はうまい具合に進んでいたのですが、ストロール選手がコースオフしてから戻ってきたタイミングが悪く、彼との接触を避けるためグラベルまで逃げなくてはならなくなり、2つポジションを下げてしまいました。それが原因で、(ポイント獲得となる)9位からはわずか3秒の差で届かずレースを終えることとなりました。理想的な結果とはなりませんでしたが、このレースウイークではいいパフォーマンスをみせることができましたし、グリッド後方からのスタートでもポイント獲得も可能なペースで走行することもできました。次戦のシンガポールでは、ペナルティーのないクリーンなレースをして、最大のポテンシャルを発揮して戦える一戦となることを期待しています」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/リタイア)
「今日は僕たちにとってすばらしい一戦となるはずでした。僕がリタイアとなってしまったときに、アストンマーティン・レッドブル・レーシングと互角に戦えていたので、僕たちのチームもポイント獲得の可能性が見えていました。しかし、いいパフォーマンスができているときでも、マシンにトラブルが発生してしまえば、あきらめなければならないのがモータースポーツというものです。周りのマシンと同じようなラップタイムで走行できていたうえに、新しいタイヤを装着していたので、トップ10に入れる自信が十分にありました。ポイント獲得に至らなかったのはとても残念ですが、ここ最近日曜の決勝では力強さをみせることができていると思います。なので、いい結果を目指し、次戦のシンガポールに向けて、気持ちを切り替え挑みたいと思います」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / トロロッソ / F1イタリアGP