ロス・ブロウン
今季よりホンダのチームプリンシパルに就任したロス・ブロウンが、新車RA108について、そして2008年シーズンについて語った。

ロス・ブロウン
RA108の空力レイアウトとメカニカル構造は、今までのマシンと異なるコンセプトで設計した。特に、空力パーツのパッケージングや性能をより柔軟に調整でき、シーズン中のアップデートもよりスムーズにできるデザインにしている。

安定した、高い効率の空力性能を引き出すことに焦点を絞り、車体のレイアウトを、空力パーツやサスペンションに対して、いかに最適なコンビにまとめるかに集中した。これにより、更なる開発に対してアップデートが可能となるため、実際には、今日の車と比較して、開幕戦メルボルンまでに空力パッケージがさらにアップデートされるだろう。

RA808Eエンジンは、FIAのレギュレーションに沿って主要な開発が凍結されているため、エンジンの部品のほとんどは去年と変わらない。エキゾーストとエアボックスは、マシンの空力パッケージに合わせて、新しいデザインになっている。今年のレギュレーションでは、燃料に5.75%分のバイオフューエルを含まなければならない。Hondaは、このレギュレーションについて、賛成している。

レギュレーションに関する今年の大きな変化点は、電子制御システムとギアボックスに関するものだ。FIAが導入した共通電子制御システム(ECU)を、RA108のエンジン、ギアボックスと車体に適合すべく、冬テストで調整を重ねてきた。さらに、トラクションコントロールなどの運転補助装置は今年から禁止となり、ドライバーの真のテクニックが試される。

それから、RA108のカーボンギアボックスは、今年から4レース持たせる必要がある。ギアボックスデザインを最適化し、ベンチテストを徹底したことで、十分な信頼性を確保している。

そして、RA108はFIAの安全に関するレギュレーションにもマッチし、ノーズ、モノコック、リア・インパクト・ストラクチャーなどに行われるクラッシュ・テストにも合格するように設計されている。ヘッドレストもより安全性の高い構造になっている。

2008年の目標は、2006年シーズンの後半のような安定的に毎戦ポイント獲得を狙えるだけの実力を十分に確保すること。まずそれを達成し、さらに高いレベルを目指したい。

私がHondaに加わってから、チームのリソースと仕事の進め方を理解し、どうすれば進化できるかに、自らの焦点を絞った。期待に添えず残念な結果に終わった2007年シーズンを経験し、目標に向かって絶え間ない努力を続けたチームのメンバーに感謝している。新しいマシンがどれだけ進歩するかは、様子を見る必要があるが、このチームには目標を達成できる素質がある。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1