ホンダF1チームのシンガポールGP対策
ホンダF1チームは、初開催のシンガポールGP、そしてF1史上初のナイトレースに向けての対策を語った。
1周5,067km、全61周のシンガポールGPのレースは、シンガポール市内の風光明媚なマリーナ沿いに特設された市街地コースで行われる。そして夜間にレースが開催されるのも、F1の長い歴史の中で初めてのことである。
午後8時からのスタートは、ホンダにとっても主催者にとっても、文字通りのチャレンジである。コースとピットレーンは、1500機2000ワットのハロゲンライトで照らされる。安全性を考えて、これらのライトは4メートルの距離をあけ、地上10mの高さに設置されている。照明によってもたらされる3000ルクスという明るさは、通常のスポーツスタジアムの4倍の明るさである。
ホンダのチーム代表ロス・ブロウンは、シンガポールGPに向けた準備について次のように語る。
「夜間に行われること、そして何より初めてのコースでレースを戦うことは、チーム全員に大きなやりがいをもたらす。実際、シンガポールに向けて、われわれは実に楽しみながら作業を進めてきた。照明の下でF1マシンが走行するのも、初めての体験となる。これに関しても、チームはかなりの調査を重ねた。特に年初に行われたモトGPの夜間レースは、大きな参考になった。さらにスポーティングディレクターがシンガポールを訪れて、ライティングのテストを行った。彼は現地の施設の充実ぶりに、非常に感銘を受けていた。それからテスト兼リザーブドライバーのアレックス・ブルツは、24時間レースの経験がある。彼の体験談やアドバイスも、とても参考になった」。
このコースは完全に、一般道を使ったものである。全部で23のコーナーを有し、今季3つある反時計回りのコースである。1速と2速コーナーが多いため、平均時速は175km程度にとどまりそうだ。これはモナコとほぼ同じ速さであり、必然的に最大レベルのダウンフォースを付けることになる。
8月に戦われたもうひとつの初市街地GPであるバレンシア同様、ホンダはシンガポールに対しても入念な準備を重ねてきた。すでに数カ月前にコースの3Dスキャンを実施し、舗装表面の状態や、コーナーの形状など、豊富なデータを得ている。そしてこの情報は、ファクトリーのシミュレーションプログラムに組み込まれ、活用された。
ロス・ブロウンも、「実際のコースは非常にタイトで、曲がりくねっていて、場所によってはかなり狭い。ひょっとすると、モナコより遅いかもしれない。それでいてモナコのようなむずかしさを、すべて兼ね備えている。気温はかなり高いだろうから、ブレーキを十分に冷やし、エンジンを的確に管理することも、相当むずかしそうだ。空力的には、今季最大のダウンフォースを付けることになる。タイヤもモナコと同じ、ソフトとスーパーソフトの2種類になる。ただし大きく違うのは、路面温度が、気温とほぼ同じかそれ以下ということ。そしてレースが進むにつれ、夜が更けて行くので、路面温度はさらに下がることだ」と分析する。
夜間レースという性格上、気温より路面温度の方が低くなる可能性も、考慮しなければならない。当然かなり滑りやすいはずで、そこにガードレールが迫るコースという条件が加われば、迫力のあるレースが展開されることだろう。
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1シンガポールGP
1周5,067km、全61周のシンガポールGPのレースは、シンガポール市内の風光明媚なマリーナ沿いに特設された市街地コースで行われる。そして夜間にレースが開催されるのも、F1の長い歴史の中で初めてのことである。
午後8時からのスタートは、ホンダにとっても主催者にとっても、文字通りのチャレンジである。コースとピットレーンは、1500機2000ワットのハロゲンライトで照らされる。安全性を考えて、これらのライトは4メートルの距離をあけ、地上10mの高さに設置されている。照明によってもたらされる3000ルクスという明るさは、通常のスポーツスタジアムの4倍の明るさである。
ホンダのチーム代表ロス・ブロウンは、シンガポールGPに向けた準備について次のように語る。
「夜間に行われること、そして何より初めてのコースでレースを戦うことは、チーム全員に大きなやりがいをもたらす。実際、シンガポールに向けて、われわれは実に楽しみながら作業を進めてきた。照明の下でF1マシンが走行するのも、初めての体験となる。これに関しても、チームはかなりの調査を重ねた。特に年初に行われたモトGPの夜間レースは、大きな参考になった。さらにスポーティングディレクターがシンガポールを訪れて、ライティングのテストを行った。彼は現地の施設の充実ぶりに、非常に感銘を受けていた。それからテスト兼リザーブドライバーのアレックス・ブルツは、24時間レースの経験がある。彼の体験談やアドバイスも、とても参考になった」。
このコースは完全に、一般道を使ったものである。全部で23のコーナーを有し、今季3つある反時計回りのコースである。1速と2速コーナーが多いため、平均時速は175km程度にとどまりそうだ。これはモナコとほぼ同じ速さであり、必然的に最大レベルのダウンフォースを付けることになる。
8月に戦われたもうひとつの初市街地GPであるバレンシア同様、ホンダはシンガポールに対しても入念な準備を重ねてきた。すでに数カ月前にコースの3Dスキャンを実施し、舗装表面の状態や、コーナーの形状など、豊富なデータを得ている。そしてこの情報は、ファクトリーのシミュレーションプログラムに組み込まれ、活用された。
ロス・ブロウンも、「実際のコースは非常にタイトで、曲がりくねっていて、場所によってはかなり狭い。ひょっとすると、モナコより遅いかもしれない。それでいてモナコのようなむずかしさを、すべて兼ね備えている。気温はかなり高いだろうから、ブレーキを十分に冷やし、エンジンを的確に管理することも、相当むずかしそうだ。空力的には、今季最大のダウンフォースを付けることになる。タイヤもモナコと同じ、ソフトとスーパーソフトの2種類になる。ただし大きく違うのは、路面温度が、気温とほぼ同じかそれ以下ということ。そしてレースが進むにつれ、夜が更けて行くので、路面温度はさらに下がることだ」と分析する。
夜間レースという性格上、気温より路面温度の方が低くなる可能性も、考慮しなければならない。当然かなり滑りやすいはずで、そこにガードレールが迫るコースという条件が加われば、迫力のあるレースが展開されることだろう。
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1シンガポールGP