F1:ルイス・ハミルトン、政治的なTシャツはお咎めなしも今後は制限
FIA(国際自動車連盟)は、F1トスカーナGPの表彰台で政治的テーマのTシャツを着用したルイス・ハミルトンにペナルティを科す可能性を撤回した。

ルイス・ハミルトンは、F1トスカーナGPのレース前の『End Racism(人種差別撲滅)』活動と表彰台でブリオナ・テイラーさんの死に抗議するTシャツを着用。FIAはそのTシャツが反政治的ルールに違反したかどうかを“積極的に検討”していくとしていた。

最終的にFIAは、ルイス・ハミルトンに処分を下さないという決断を下したが、表彰台やFIAの記者会見などの公式フォーラムでの政治的メッセージは不適切であるとのお達し少なくともチームに伝えられたと考えられている。

1996年のF1ワールドチャンピオンであるデイモン・ヒルは、ルイス・ハミルトンがアメリカでの警察発砲事件を強調したことに“さまざまな反発”があったと認める。

「しかし、F1は人々にF1以外のことを考えさせる可能性があるあらゆる問題について常に頭を悩ませてきた」とデイモン・ヒルは付け加えた。

「より広い世界に受け入れられるためには、そのようなメッセージのためのスペースを作る必要がある」

メルセデスは、ルイス・ハミルトンを完全に支持しており、F1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは「どのようなTシャツを着たいか、それをサポートするために何をするかについてはルイスに任せている」と語った。

一方、ルイス・ハミルトンは活動を止めることはない主張する。

FIAの調査についてルイス・ハミルトンは「僕は止めないし、手を緩めることもない。自分が正しいと信じるものを明らかにするためにこのプラットフォームを使用することをあきらめないことを知ってほしい」と語った。

「これは僕たち全員が団結し、人種だけでなくあらゆるレベルの不正について世界に挑戦する旅だ」

今年3月、ケンタッキー州ルイビルの救命士であるブリオナ・テイラーさんの自宅に薬物の捜査令状を持った警官が強制侵入し、恐怖を覚えた彼女のボーイフレンドが警官の足を銃で撃つと、警官はアパート室内で20発以上発砲し、ブリオナを8回以上撃って死亡させた。

警察が裁判所に提出した書類によると、ルイビル市警察が捜査令状をとった薬物容疑の主要ターゲットはブリオナ・テイラーさんではなかった。テイサーさんの死は、ケンタッキー州検事総長とFBIによる米国での調査の対象となっている。

今年の全米オープンでは、優勝した大坂なおみがテイラーさん含めた黒人に対する人種差別や警察による暴力の犠牲者となった7名の名前を遺したマスクを着用した。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / メルセデスF1 / FIA(国際自動車連盟)