フランコ・コラピント 今季F1初ポイントなるか カナダGPで評価期間の正念場

モントリオールでの決勝を10番グリッドからスタートするコラピントにとって、これはジャック・ドゥーハンに代わってアルピーヌに加入して以来、明らかに最高の予選パフォーマンスだった。だが、その道のりは簡単ではなかった。プラクティスでは苦戦し、予選前にはチームメイトのピエール・ガスリーに対してコンマ4秒遅れていた。
これまでのところ、コラピントはアルピーヌのマシンに慣れるのに苦労しており、その自然なドライビングスタイルとはすぐにはフィットしていない様子で、特に1周のパフォーマンスが大きく不足していた。
そしてそれはモントリオールでも変わらなかった。これまでの週末同様、金曜はガスリーに大きく遅れをとっていたが、FP3で少しずつ差を縮め、予選でさらなる飛躍が必要な状況だった。
「まだチーム内で自分の居場所を見つけようとしているところで、セットアップの方向性を理解しようとしている段階なんだ」とコラピントは語った。
「夜間にかなり良い変更ができたと思う。まだちょっと扱いづらいクルマだけど、そのポテンシャルをどう引き出せるかを理解しようとしている。ただ、今日は良い1日だったし、ポジティブな前進だったと思う」
「変更がうまく結果に繋がったし、少しは自信も持てるようになってきた。クルマのグリップをより引き出せるようになったと感じているし、それは良い方向性だ」
Q1では、最初のミディアムタイヤでのラップは良かったが(各チームはミディアムとソフトのどちらが速いか定まらず使い分けていた)、2回目のアタックでは問題に直面したようだった。
ターン1でミスを犯し、そのラップはガスリーより1秒も遅れていた。ガスリーはそのラップでトップ付近に迫るペースを出していたが、2人が最終セクターに差し掛かったところで赤旗が提示され、ラップが無効となったことで、コラピントはプレッシャーがかかる前にQ2進出が確定した。
その後、彼は新たなソフトタイヤで見事なラップを決め、ガスリーはミスを犯して最下位となった。

コラピントはこれまで、特にターン1と2でスピードの持ち込み過ぎが目立っており、レースエンジニアから何度もその点を指摘されていた。その指示がようやく効いてきたようで、最終的に必要な予選結果を手に入れることができた。
Q1の最終ソフトタイヤでの2回目のアタックがもっと上手くいかなかったことを悔やんでいたが、十分な走りだった。Q2は完璧ではなかったが、悪くはなく、12番手でフィニッシュ。トップ10進出まであとコンマ1秒ちょっとだった。だが、アイザック・ハジャーと角田裕毅のペナルティによって、彼は10番グリッドを獲得した。
Q2終了時に、コラピントはQ1でのミスの後と同様に、チームに謝罪していたが、チームはこれを良い結果だと評価した。もし彼が最初からソフトを履いていれば、もっと良い結果になった可能性もあった。
「ミディアムタイヤはウォームアップが難しいんだ。最初の5~6コーナーまではグリップがなかった」と彼は述べた。
「そこで少しタイムを失った。クルマにグリップを感じられなかったし、全体的に、あれがなければQ3に進めたと思う。最終的には多少リカバリーできたし、少しタイムを取り戻したけど、あの最初の数コーナーを見ていると、タイヤがまだ準備できていなかったのは悔しい。結果として、ちょっとビターな気分なんだ」
とはいえ、ウィリアムズで見せたあの印象的な姿を彷彿とさせる走りだった。今や彼は、F1初ポイントを獲得するチャンスを手にしている。
このレースは、あくまで5戦限定の評価期間のうちの第4戦目であり、もしこの10番グリッドからポイントを取ることができれば、ジャック・ドゥーハンが開幕数戦で成し遂げられなかった結果をたった1レースで出すことになり、来季シート獲得への大きな一歩となるかもしれない。
「テストなしで何が求められているかを比較するのはとても難しい。みんなバーレーンで何日も走ってきたし、自分だけがこの非常に扱いづらいクルマに慣れようとしている状態だから」とコラピントは語った。
「このクルマからラップタイムを引き出すのは本当に簡単じゃない。すごく速いクルマだけど、そのポテンシャルを使い切るのは難しい。それを理解して、どう走ればいいか、どう自分を変えればいいか、クルマから何を求めればいいかが分かるまでに思ったよりも時間がかかった」
「でも、ようやく自分に必要なものが分かってきた気がする。それはポジティブなことだと思う。ただ、まだまだやるべきことがあるし、もっと上を目指せる。今日はまあまあだったけど、本当に重要なのは明日なんだ」
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