FIA会長が警戒 トト・ヴォルフのアルピーヌF1関与に「反対」
マクラーレンのザク・ブラウンが提起した“チーム間の相互依存”問題が、F1パドックに新たな政治的緊張を生み出している。

その議論の中心にあるのが、メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルフによるアルピーヌへの出資計画だ。FIAのモハメド・ビン・スライエム会長もこの問題に言及し、慎重な姿勢を示している。

ブラウンが問題提起した“チームB”構造
F1パドックで現在進行中の政治的対立のひとつが、いわゆる“チームB”の存在だ。

マイアミGPを前に、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンはこの構造を強く批判した。レッドブルが長年にわたり2チーム体制を維持している点に加え、フェラーリとハースF1チームの技術・人材面での密接な関係、さらにトト・ヴォルフとメルセデスがアルピーヌの株式取得を検討している点にも疑問を投げかけた。

現在、アルピーヌは投資ファンドによって売却が進められており、ヴォルフとメルセデスは約24%の株式取得に向けた交渉を行っているとされる。

ベン・スライエムは“個人的に反対”と明言
こうしたブラウンの問題提起に対し、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムも反応を示した。

「もしそれが、他者に取得させないためや、レギュレーションに関する投票権を強めるためでないのであれば、ある程度は理解できるかもしれない。しかし一般的に言えば、2つのチームを所有することは正しい方向ではないと考えている」

「これはあくまで私個人の見解だが、この問題は非常に複雑であり、現在も検討を続けている」

この発言は、FIAとして正式な規制に踏み込む可能性を示唆するものではないが、トップ自らが否定的な見解を示したことは無視できないシグナルとなっている。

ヴォルフの意図とパドックの思惑
パドックでは、かつてレッドブルのチーム代表だったクリスチャン・ホーナーもアルピーヌへの関与に関心を示していたとされる。

そのため、ヴォルフによる出資検討は、長年のライバルを排除する意図があるのではないかとの憶測も流れた。しかし、この見方についてヴォルフ本人は否定している。

それでも、今回の問題は単なる投資案件にとどまらず、F1における“勢力図”や“影響力”に直結するテーマであることは明らかだ。

レッドブル体制にも波及する可能性
仮にFIAがチーム間の相互依存や複数チーム所有に対して厳格な姿勢を打ち出した場合、その影響はヴォルフとアルピーヌの関係にとどまらない。

レッドブルが長年維持してきた2チーム体制の正当性も、改めて議論の対象となる可能性があるためだ。

今回の発言が単なる個人的見解にとどまるのか、それとも将来的なルール変更の前触れとなるのか。F1の政治構造を揺るがす議論は、今後さらに激しさを増していくことになりそうだ。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / メルセデスF1 / アルピーヌF1チーム