F1エンジン見直し協議は決裂 根本変更は2028年以降へ先送り

エネルギーマネジメント偏重によるレース内容への影響が問題視される中、内燃エンジンの比率を高める案も検討されたが、各メーカーの利害が対立。結果として、構造的な改善は2028年以降に持ち越される可能性が高まっている。
妥協に終わったエンジン規則見直し
Auto Motor und Sportのトビアス・グリューナーは、今回の議論について「建設的ではあったが、結局はいつものように“最大公約数”で合意した」と報じた。
議論の中心となったのは、電動要素の比率が高すぎることで発生しているエネルギーマネジメントの問題だ。これを是正するため、内燃エンジン側の出力比率を高める案が浮上していた。
FIAの技術責任者ニコラス・トンバジスも現状の課題を認めている。
「エネルギー比率が一定の閾値を下回ると、マネジメントに問題が生じるのは事実だ。我々は当初からそれを認識していたし、多くの妥協を緩和するために取り組んできた」
「マシンは我々の想定よりもやや速く、チームもより多くのダウンフォースを見つけた。その結果、ブレーキング時に回収されるエネルギーは我々の望む水準より少なくなっている」

燃料流量増加案も合意に至らず
解決策として検討されたのが、燃料流量を増やし内燃エンジンの出力を高める案だった。これにより電動依存を下げ、レース展開の改善を図る狙いがあった。
しかし、FIAのジャン・モンショーは合意に至らなかった理由を明かしている。
「議論では電動要素を減らし、ガソリン流量を増やす案が検討された。しかし、これにはいわゆる“スーパー多数決”が必要だった」
「つまり、ほとんどのメーカーが同意しなければならないが、それが得られなかった。我々が彼らの頭越しに決定することはできない」
さらに、各メーカーの立場の違いが障壁となった。
「ある者は『これは自分に有利だ』と考え、別の者は『今勝っているから変えたくない』と言う。そして別の者は『新エンジン開発には16か月必要で、2027年は現実的ではない』と主張する」
ドライバーの警告は見過ごされたのか
結果として、抜本的な変更は少なくとも2028年まで先送りされる見込みとなった。
元F1ドライバーのパトリック・フリーザッハーは、この状況は回避できた可能性があったと指摘する。
「マックスは1年半前に同じような問題を指摘していたし、カルロス・サインツもそうだった」
「もっとドライバーの声に耳を傾けるべきだった。彼らは実際にマシンに乗っている。このような問題は未然に防げたはずだし、少なくとも将来は繰り返されないはずだ」
Source: GMM
カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)
