ホンダF1 PUハードウェア改良 アストンマーティン振動問題に根本対処へ
アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン開幕から深刻な苦戦を強いられてきたが、マイアミGPに向けて重要な転機を迎えている。ホンダはパワーユニットにハードウェア変更を投入し、車体側でも改良が進められた。

開幕3戦では振動問題とバッテリーの信頼性が大きな課題となり、グリッド最後尾に沈む場面もあった。こうした状況を受け、両者は短期的な対策だけでなく、根本的な改善に踏み込んでいる。

ホンダPUに初のハードウェア変更 信頼性改善へ
ホンダはこれまでメカニカルな対策を積み重ねてきたが、マイアミGPではついにハードウェア変更に踏み込んだ。

F1トラックサイドエンジニアの折原伸太郎は、詳細こそ明かさなかったものの「信頼性のための変更」であることを認めている。今季はこれまで正式なスペック変更は行われておらず、今回が実質的な初のアップデートとみられる可能性もある。

今回の変更の主目的は、ドライバーに不快感を与えていた深刻な振動の抑制と、バッテリーを含む信頼性の改善だ。性能向上ではなく、あくまでレギュレーション上許可されている信頼性改善の範囲に収まる。

振動問題は“原因対処”へ シルバーストンでは不可能だった開発
これまでの対策は、いわば症状を抑える応急処置に近いものだった。

鈴鹿ではステアリングコラム周辺の試験パーツが振動低減に効果を示したが、これはレースには使用されず、マイアミにも持ち込まれていない。今回の変更は、振動の発生源そのものに対処することを狙ったものだ。

マイク・クラックは次のように説明している。

「振動を減らすための大規模なパッケージに取り組んできた。発生源だけでなく、ドライバーを含むすべてのシステムに対して対策を行っています」

さくらの施設での“実車連動テスト”が転機に
今回の改善の鍵となったのが、日本のさくらの施設で行われた開発だ。

アストンマーティンは鈴鹿戦後にマシンを日本へ残し、ホンダは車体と接続した状態でエンジンをテストすることが可能になった。これまでできなかった「シャシー連動でのベンチテスト」が実現したことで、振動の原因解析が大きく進んだ。

折原伸太郎は次のように語っている。

「振動については良い進展がありました。そしてその対策を今回のイベントに導入しています」

「バッテリー側でも良い進展があり、ドライバーの振動についても改善が見られています」

さらに、折原自身が実際にマシンに乗り込んで振動を体感するテストも行われており、現場レベルでの検証が強化された。

4週間での開発は限界も “大規模改良は進行中”
もっとも、今回のアップデートが完全な解決策ではない可能性もある。

折原は「大規模なハードウェア変更を実装するには4週間は短いです」と認めており、今回の改善はあくまで途中段階だ。それでも「さくらで非常に懸命な作業が行われました」と強調している。

つまり、マイアミ仕様は“応急処置+本格改善の入口”という位置づけだ。

パフォーマンス解放はFIA判断待ち ADUOも焦点
現時点でホンダは、性能向上のためのアップグレードを投入できない。

これはFIAが各メーカーのアップグレード枠(ADUO含む)をまだ確定していないためであり、シーズン中の開発制限の扱いも議論中だ。

折原は将来の改善について問われると、

「いくつかアイデアはありますが、説明はできません」

と述べるにとどめている。

つまり、現段階では「問題の特定と信頼性回復」が優先されており、本格的な性能改善は制度確定後に本格化する見通しだ。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム / F1マイアミGP