2026年F1レギュレーション変更 チームの“快適圏”を越えた合意と緊急調整

今回の変更は、予選での全開ラップの復活、安全面で懸念されていた速度差、低速スタート、雨天時の出力レベルなどを対象としたものだ。
背景には、2026年F1規則が導入からわずか3戦で大きな見直しを迫られたという異例の状況がある。
トンバジス「一定の措置が必要なのは明らかだった」
FIAは先週、マイアミGPを前に複数の規則修正を承認する方向で動いた。電気エネルギーの回生量と使用量を調整し、予選での全開走行を取り戻すとともに、安全面の懸念にも対応する狙いがある。
ニコラス・トンバジスはPlanetF1.comなど招待メディアに対し、今回の協議について次のように説明した。
「一定の措置を取る必要があることは、かなり明らかだった」
「こうした議論の一部では、人々が快適圏から出る必要があることもかなり明らかだった」
「安全のために実施されるものもあったので、人々はそれを理解していた。だが全体として言えば、人々はかなり建設的だったと思うし、到達したものは本物の合意水準だったと思う」
安全上の強制ではなく合意で進んだ修正
今回の規則変更は、パワーユニット諮問委員会で特別多数により可決された。F1コミッションに加え、技術諮問委員会やスポーティング諮問委員会などからの意見も反映された。
FIAは、鈴鹿でのオリバー・ベアマンの50Gクラッシュを受け、安全上の理由で修正を押し通す権限も持っていた。しかし実際には、その権限を使う必要はなかった。
「チームやパワーユニットメーカーとの会議は、当然ながら常にかなり複雑なものになる。人々は自然に、スポーツにとって何が最善かという見方と、自分たちのチームのパフォーマンスにとって何が最善かという見方を混ぜ合わせるからだ」
「我々はそれが起きることを想定している。だから、どんな水準であれ合意に到達することは常に少し難しくなる」

焦点は予選、スタート、速度差、雨天時出力
4月を通じた一連の会議では、規則変更が解決すべき課題が整理された。具体的には、予選、低速スタートの危険性、接近速度、そしてドライバー側から提起された雨天時の出力レベルの4項目だった。
トンバジスは、合意に至るまでの流れを次のように語った。
「オーストラリアの前にチーム代表との会議があり、その後、中国の後にも会議があった」
「それから、テクニカルディレクター、チームの代表者、パワーユニットメーカーの代表者との技術会議がいくつかあった」
「日本の後には、ドライバーたちとも良い議論があり、彼らからもフィードバックを得た」
「それを基に、我々はパッケージをまとめた。およそ10日前には、妥当な合意水準を得られるだろうと分かった」
「そして1週間前、再びチームとパワーユニットメーカーの責任者との会議を開き、このパッケージを提示した」
「その一部は安全に関わるものだったため、承認水準を必要としなかった。その他のものは安全に関わるものではなかったため、パワーユニットメーカーの特別多数による承認が必要だった」
「そして我々はこれらの承認を得た。現在はワールドカウンシルの手続きを通過しているところだが、承認され、マイアミで導入される可能性はかなり高いと確信している」
マイアミGPから即時導入へ
FIA世界モータースポーツ評議会は、規則変更を正式化するうえで最後の手続きとなる。承認されれば、今回の修正は既存規則の解釈を示すテクニカルディレクティブではなく、レギュレーションそのものの一部として即時に組み込まれる。
マイアミGPはスプリント週末として行われるが、各チームが変更に対応できるよう、フリー走行1回目は通常より30分延長される予定だ。2026年F1規則は開幕直後から批判と擁護が交錯してきたが、今回の修正は、その不安定な出発点を現実的に調整する最初の大きな試みとなる。
Source: PlanetF1.com
カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)
