FIAが雨天時のF1ブーストモード使用を禁止 マイアミGPから安全対策を強化

現行マシンでは電気系のトルク特性が攻撃的になっており、雨天時の走行リスクについてドライバーから懸念が示されていた。これを受け、FIAはウェットコンディションでのエネルギー展開と可変空力の使用に制限を加える形でレギュレーションを修正した。
雨天時のブーストボタン使用を全面禁止
FIA世界モータースポーツ評議会によって最終的なレギュレーションが承認され、これまで公表されていた対策に加えて、より影響の大きい変更が明らかになった。
そのひとつが、最大350kWの追加パワーを発生させるブーストボタンの雨天時使用禁止だ。
新たなテクニカルレギュレーションでは、低グリップコンディションにおけるブーストモードの使用について「抑制され、許可されない」と明記された。
これにより、ドライコンディションでオーバーテイクを助けるために設定されている車両間のパワー差は、雨天時には発生しないことになる。電気エネルギーの展開は、事前に設定されたエンジンマップを通じて行われる形に限定される。
ストレートラインモードにも追加制限
ブーストモードの変更に加え、FIAは雨天時のストレートラインモード使用についても規則を厳格化した。
改訂されたレギュレーションでは「低グリップコンディションでは、指定された低グリップ作動ゾーンにおいて、ドライバー調整式ボディワークの部分的な作動のみが許可される」と定められている。
これは、雨天時に可変空力をフルに活用することを制限し、直線での速度差や車両挙動の急激な変化を抑える狙いがある。
FIAはすでに、インターミディエイトタイヤのタイヤブランケット温度を引き上げる措置や、特定のエネルギーカーブを通じてバッテリー展開量の上限を設ける対策を公表していた。今回のブースト禁止と可変空力制限は、それらを補完する安全対策となる。

雨予報のマイアミGPを前に即時適用
今回の変更は、雨の可能性が高まっているマイアミGPを前に導入される。現時点の予報では、日曜の決勝が豪雨の影響を受ける確率は75%とされている。
マイアミでは、雷が発生した場合にセッションを中断しなければならない厳格な地域・国のプロトコルが存在するため、天候リスクは他の開催地以上に重要な意味を持つ。
米国立気象局のスポーツイベントに関する勧告では、雷雨が予想される場合、主催者は活動やイベントの中止または延期を検討すべきだとしている。
また、稲妻が見えた場合、雷鳴が聞こえた場合、あるいは空模様が危険に見える場合にも、イベントを停止すべき状況に該当するとされている。
昨年も決勝日に同様の雷雨リスクがあった際、FIAは各チームに対し、レース中に雷が発生した場合は赤旗中断にすると伝えていた。最終的に天候は回復し、その措置が実際に必要になることはなかった。
今回のレギュレーション修正は、2026年F1マシンが持つ電気エネルギー展開の大きさと、雨天時の低グリップ環境が重なった場合のリスクを抑えるためのものだ。マイアミGPは、新世代F1の安全対策が実戦で問われる最初の週末となる。
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