フェラーリF1代表 ルクレールとハミルトンのチームオーダー対応を擁護
フレデリック・バスールは、F1マイアミGPでシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの間で起きたチームオーダーの状況に対するスクーデリア・フェラーリの対応を擁護しつつ、ハミルトンが見せた苛立ちについても「完全に理解できる」と語った。

レース終盤、ハードタイヤで走行する7位のルクレールの背後に、ミディアムタイヤで異なる戦略を採っていたハミルトンが8位で迫っていた。ハミルトンはメルセデスのキミ・アントネッリを追えるだけのペースがあると感じており、自身を先行させるよう提案した。

しかし、チームがポジション入れ替えの判断を下すまでに時間がかかったことで、ハミルトンは無線で次第に苛立ちを募らせ、「その間にお茶でも飲んでくればいい」と皮肉を言う場面もあった。

最終的にチームは順位の入れ替えを決断したが、ハミルトンがアントネッリに追いつけなかったため、今度はルクレールに順位を戻すよう指示が出された。この時点でハミルトンはその指示をまだ知らされていなかったようだが、40歳のハミルトンは伝えられた後、指示に従った。

レース後、最初の判断に時間がかかった理由を問われたバスールは、ルクレールとハミルトンの間にあったペースの差の要因を分析していたと説明した。

「そんなに時間はかかっていない。1周半くらいだ」とチーム代表のバスールは語った。「2台が異なる戦略を採っている場合、私がまず理解すべきことは、それがDRSの効果によるものかどうかなんだ」

「1周かかったというのはつまり、90秒で状況を理解したということだ。それから我々はスワップ(順位交代)を指示した。正直に言えば、最初からすぐにやっていればよかったという議論はあるかもしれないが、その時点ではDRSの影響かどうかは分からなかった」

「それに、我々は難しい決断を下したと思う。シャルルでもルイスでも、スワップを指示するのは簡単なことではない。しかし我々はやったし、彼らもトラック上でやってくれた。他のチームでああいうことをやったところを私はあまり見なかった」

スクーデリア・フェラーリ F1 マイアミGP

2度目のポジション入れ替えをルクレールに指示した際、ルクレールは「あとで話そう」と応じていた。この発言について問われると、バスールは次のように述べた。

「それはスクーデリア・フェラーリのチーム方針だからだ。もしスワップを指示しなければ、彼らは抜きに行かない。逆に、我々がスワップを指示するのは、レースのその時点で後ろのクルマの方が速いと判断したときだ。前のクルマを追いたいからそうする。それがうまくいかなかった場合は、当初の順位に戻す。それが明確にチームのルールなのだ」

バスールはまた、ハミルトンがマシンの中で苛立ちを感じていたことについて、「完全に理解できる」と認め、次のように語った。

「ルイスとは話をしたが、彼の苛立ちは完全に理解できる」

「彼らはチャンピオンだ。勝ちたいという気持ちがある。そんな中で、チームメイトを先に行かせろと頼まれるのは簡単なことではない。他のチームでああいう決断を下したところは見ていないが、我々はチームの方針に従って責任を持って判断を下したのだ」

「我々はまずフェラーリのためにレースをしている。正直に言って、チームとしてはいい仕事をしたと思う。もちろん、1周早く決断していればよかったという議論はあるかもしれないが、DRSによる差なのか、実際に後ろの方が速いのかを把握するのは簡単ではない」

「レース後に2時間経ってからなら、何でも簡単に言える。しかし我々はやるべきことをやったし、彼らもそれに従ってくれた。マシンの中で感じるフラストレーションについては、私は完全に理解している。とはいえ、今日の話題はそこではない。むしろ、我々がマクラーレンに1分差をつけられたことの方が問題だと思う」

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / F1マイアミGP