メルセデスF1代表が“中古ミディアム”と勘違したフェラーリの戦略 / F1ハンガリーGP 決勝
F1ハンガリーGPでフェラーリがシャルル・ルクレールの第3スティントにハードタイヤを履かせたのは、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが第2スティントのミディアムが“中古”だったと勘違いするほど不可解なものだった。

フェラーリは、アルピーヌF1勢などが苦戦しているという警告があったにも関わらず、シャルル・ルクレールに早期にハードタイヤを履かせて30周を走り切らせるという驚くべき決断をした。

当然、シャルル・ルクレールもハードタイヤに苦戦し、マックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルを防除することができず、3回目のピットストップでソフトタイヤに交換するも6位から反撃することはできなかった。ルクレールはある段階では優勝候補にみえていた。

シャルル・ルクレールは、この選択を“大惨事”と称し、「僕はミディアムで非常に強いと感じたので、チームと話し、ハードを装着したことの背後にある考えを理解する必要がある。すべてがコントロールされていた」と主張。

「僕は無線でミディアムタイヤはとても快適で、フィーリングが良かったので、そのタイヤでできるだけ長く走りたいたと伝えた。なぜ違った決定を下したのかは分からない」

この選択は、メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルグが、フェラーリのミディアムが“中古”だったと勘違いするほどだった。

フェラーリがシャルル・ルクレールにハードタイヤを履かせたとき、メルセデスは頭を悩ませていたのかと Sky Sports F1 に質問されたトト・ヴォルフは「彼らはオプションがなかったんだと思う。彼らにはハードとソフトしか残っておらず、ソフトには早すぎた。だからハードしかなかった」とコメント。

「金曜日もしくは土曜日に、新品のミディアムを持ち越さなかったという間違いが起こったと思う」

実際にはフェラーリは、新品のミディアムを2セット残しており、第1スティントと第2ティントで使用した。

しかし、ルクレールは、1セット目のミディアムを21周、2セット目を17周しか使わなかった。

優勝したマックス・フェルスタッペンは、中古のソフトでスタートして16周したのち、1セット目のミディアムで22周、2セット目のミディアムで32周を走行した。仮にフェラーリがシャルル・ルクレールの第2スティントを引っ張れば、21秒のピットストップのタイムロスによって41周目にフェルスタッペンに抜かれる展開はなかったわけであり、レース終盤にソフトで勝負ができたかもしれない。

チームメイトのカルロス・サインツは、第2スティントの2セット目のミディアムで30周走ったが、第1スティントでジョージ・ラッセルをカバーするために1セット目のミディムを17周しか走らず、結果的に第3スティントを中古のソフトで23周走行することになり、タイヤを持たせることができなかった。

結果的にレコノサンスラップで当初のハードスタートから中古のソフトでのスタートを選択し、第1スティントの少ない周回数で消化することができたマックス・フェルスタッペンが運を掴んだレースだった。

ハンガリーグランプリ

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / F1ハンガリーGP