F2 フォーミュラ2 牧野任祐
FIA F2選手権 第10戦 イタリア大会のレース1が9月1日(土)にモンツァ・サーキットで行われ、牧野任祐(RUSSIAN TIME)が初優勝。F2シリーズ、レース1での優勝は日本人ドライバーとして初となる。

シーズン第10戦のレース1が、イタリア・モンツァで行われた。午前中まで降っていた雨も、F2のレーススタート時には完全に上がり、ドライコンディションでレースは開始された。

7列目14番手スタートの牧野任祐は、好スタートを決めて第1コーナーまでに大きくポジションを上げ、1周目に8番手にジャンプアップする。多くがスーパーソフトタイヤでのスタートを選択した中、牧野はミディアムでスタートし、タイヤ交換のピットインを終盤まで引き延ばす作戦だった。

スーパーソフトタイヤが予想以上に磨耗が早く、上位陣は3周を終えるとタイヤが保たず苦しくなる。ハイペースで走行する牧野任祐は、4周目に一気に5台を抜いて3番手に浮上。6周目にスーパーソフトタイヤでスタートしたクルマが立て続けにピットインすると、牧野はトップに立つ。牧野を含めミディアムタイヤでスタートしたのは3台だったが、牧野は同じ戦略の後続を15秒以上も引き離して周回を重ねる。

序盤でトップに立った牧野任祐は、その後もハイペースで後続との差をキープ。早めにピットインした後続にもあまり差を詰められることなく、トップを独走したままレースは終盤を迎えた。残り3周となった28周目に牧野がピットイン、2番手におよそ2秒の差でトップのままレースに戻ることに成功する。牧野はそのまま逃げきり、トップでチェッカーを受け優勝を飾った。牧野は今季初表彰台を勝利で飾り、F2シリーズのレース1で初めての日本人ウイナーとなった。

13番手スタートの福住仁嶺(BWT Arden)は、1周目にポジションを落とすとペースの上がらない展開となり、7周目にピットインした後は17番手を走行。レース終盤に脱落するマシンが出て、ポジションを上げ、15番手でレースを終えた。

レース2は9月2日(日)午前10時55分(日本時間午後5時55分) にスタートする。

牧野任祐 (レース1・優勝)
「優勝は予想外と言えば予想外でした。予選14番手でしたしね。そんなこと考えてもいなかったですし、走っている最中もいっさい順位は言われなかったので、こちらも聞きませんでした。とにかくペースを維持することだけに集中しました。今回は、スタートがとてもよかったです。それが一番大きかったですね。そこで5台くらいオーバーテイクすることができました。それ以降も無理なオーバーテイクをせずに、すんなり順位を上げられた。それでタイヤをセーブすることができました。蹴り出しの際のホイールスピンがほとんどなかったし、1コーナーまでの位置取りもよかったと思います。レースが始まって間もなく、周りのタイヤが垂れているのは、はっきりわかりました。コーナー出口のトラクションも、全然違いましたから。この垂れの激しさは、レッドブルリンクと似ていますね。これはどんどん垂れるだろうなとわかったので、スタート直後の1、2周は無理をせず、ペースが落ちてきた3周目以降積極的に抜いていきました。最初に無理しなかったのが、よかったのかもしれません。順位は最終周に聞きました。『なんでマルケロフが、僕の後ろにいるの?』『僕は何番なの』って。8番手以内ぐらいには入れるかと思っていたくらいです。リバースグリッドで、明日のレース2をいいところからスタートできたらいいなと。ずっと、『ペースはいい』とは言われていましたが、周りは僕以上のペースで走っていると思っていました。もちろん、一番前を走ってるのは、わかっていましたが、でもピットインしたら、当然順位は落ちると思っていました」

福住仁嶺 (レース1・15位)
「スタートはよくなくて、場所取りもうまく行かなくて、1周目に順位を落としてしまいました。そのあとはタイヤを持たせることだけ考えて、周回を重ねました。あれが精一杯でした。牧野の優勝は、もちろん先を越されたことは悔しいですが、でも同じ仲間として素直に祝福したいし、僕も必ずチャンスが来ると信じて、努力を重ねます」

2018年 F2 第10戦 イタリア レース1 結果

PNoDriverTeam
12牧野任祐RUSSIAN TIME
21アルテム・マルケロフRUSSIAN TIME
35アレクサンダー・アルボンDAMS
48ジョージ・ラッセルART Grand Prix
56ニコラス・ラティフィDAMS
619ランド・ノリスCarlin
718セルジオ・セッテ・カマラCarlin
821アントニ・フォコCharouz Racing System
910ラルフ・ボスチャングMP Motorsport
104ニック・デ・フリースPERTAMINA PREMA Theodore Racing
1114ルカ・ギオットCampos Vexatec Racing
123ショーン・ゲラエルPERTAMINA PREMA Theodore Racing
1311マキシミリアン・ギュンターBWT Arden
1420ルイス・デレトラズCharouz Racing System
1512福住仁嶺BWT Arden
1617アレッシオ・ロランディTrident
1715ロイ・ニッサニーCampos Vexatec Racing
187ジャック・エイトケンART Grand Prix
199ドリアン・ボコラッチMP Motorsport
2016アルジュン・マイニTrident


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カテゴリー: F1 / FIA F2