アレックス・ダン マクラーレン離脱もF1スーパーライセンス取得に壁

19歳のダンは現在FIA F2選手権に参戦しており、木曜日にチームとの契約を双方合意のうえで終了したと発表した。Instagramに投稿した声明の中でダンはマクラーレンに感謝を述べ、「今シーズンはまだ重要な2戦が残っているので集中しなければならない。これからが本当に楽しみだ」と記した。
先月には、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコが、2026年シーズンに向けてダンと予備的な話し合いを行ったと報じられた。マルコはPlanetF1にその関心について問われた際、否定することを拒んでいる。
また、ダンは低迷するアルピーヌで、フランコ・コラピントに代わってピエール・ガスリーのチームメイトになる可能性も取り沙汰されている。
現在F2でロディン・モータースポーツから参戦しているダンは、スペインでの第6戦終了時点でドライバーズ選手権をリードしていた。
しかしその後は結果がまちまちで、オーストリアのフィーチャーレースではプランクの過度な摩耗により失格処分を受けた。イタリアのF2ラウンドではスプリントレースで3位に入ったものの、フィーチャーレースではレッドブル・ジュニアのアービッド・リンドブラッドに追突されリタイアした。
そして直近のアゼルバイジャンでも同様の展開となり、今度は選手権リーダーのレオナルド・フォルナローリに追突されリタイアした。
また、モナコのフィーチャーレースでは15台が絡む多重クラッシュを引き起こしている。
スカイスポーツF1はX(旧Twitter)で「F2のフィーチャーレース序盤に赤旗が出され、選手権リーダーのアレックス・ダンを含む11台がリタイアする大規模クラッシュが発生した」と報じている。
その結果、アイルランド人ドライバーのダンは現在ランキング5位に後退しており、来季のF1参戦は大きな疑問符がつくことになった。
ダンはF1参戦に必要なFIAスーパーライセンスの40点をまだ獲得していない。さらに、2022年に獲得した16点は有効期限が3年であるため年末に失効する。
したがって、Super Licence Trackerによれば、19歳のダンは今季のF2選手権で3位に入り、満額の40点を獲得しなければスーパーライセンスを得られない。
必要なポイントを獲得できなかった場合でも、F1チームは彼を起用するために特例を申請することができる。
実際、レッドブルは6月にリンドブラッドのスーパーライセンス申請を成功させている。彼は18歳未満で有効な運転免許証を持っていなかったため、通常はライセンスを取得できなかった。FIA世界評議会は「同選手が近年、シングルシーター競技において一貫して優れた能力と成熟を示している」と判断し、特例を承認した。この裁定により、リンドブラッドは必要なポイントを満たさずともF1週末に参戦できるようになった。
ダンは今季マクラーレンからフリー走行に参加しているが、それにはフリー走行専用ライセンスだけで十分である。
ダンは今季F2で2勝、5回の表彰台を獲得しており、自身がF1参戦にふさわしい才能を持つと主張する材料にできるだろう。また、ここ最近の相次ぐリタイアがなければ、確実にタイトル争いに加わっていたはずだ。
現状では、彼は選手権3位のルーク・ブラウニングに31点差をつけられており、自力でスーパーライセンスを獲得するためにはその差を埋めなければならない。
カテゴリー: F1 / FIA F2