マックス・フェルスタッペン、レッドブルF1のローソン降格は「同意できなかった」
マックス・フェルスタッペンは、リアム・ローソンがわずか2戦でレッドブルのシートを失った判断について、改めて強い異議を唱えた。その決定はドライバーのキャリアを「台無しにしかねない」とまで語っている。

2025年F1シーズンに向け、ローソンは角田裕毅を差し置いてレッドブル・レーシングへ昇格した。クリスチャン・ホーナーは当時、「チーム内ではリアムが描いている成長曲線の方が、よりポテンシャルが高いと感じている」と説明していた。

しかしシーズン開幕からわずか2ラウンド、ローソンは予選Q1敗退を3度喫したことを理由に、レーシングブルズへと降格されることになる。

「誰かのチャンスを壊してしまう」
フェルスタッペンはこの判断に対し、当時から不満を隠していなかった。元F1ドライバーのギエド・ファン・デル・ガルデが、レッドブルの決定を「いじめに近い」と批判したインスタグラム投稿に「いいね」を付けたことも話題となった。

日本GPの場でその件を問われたフェルスタッペンは、「コメントとその内容が気に入ったからいいねを押した。それがすべてを物語っているだろ?」と語っている。

当時レッドブルのモータースポーツアドバイザーだったヘルムート・マルコも、フェルスタッペンがこの決定に賛同していなかったことを認めていた。

「マックスが不満を抱いているのは分かっている。しかし我々には2台を前で走らせる必要がある。コンストラクターズ選手権のためだけでなく、マックスが5度目のタイトルを獲得するためにもだ」と、マルコはオランダ紙に語っていた。

ローソンは復調、それでも残る違和感
ローソンに代わって昇格した角田裕毅だったが、22戦で獲得したポイントは30にとどまり、フェルスタッペンの421ポイントとは391ポイント差という結果に終わった。

一方でローソンはレーシングブルズ復帰後、徐々に調子を取り戻し、アゼルバイジャンGPでは自己最高位となる5位を記録。角田裕毅を抑えてチェッカーを受け、最終的には38ポイントを獲得した。

それでもフェルスタッペンの考えは変わらない。

「結局のところ、それほど大きな話ではない」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

「同じチームメイトの隣で2レース走っただけで判断することには、当時も同意できなかった」

「結局、それではトップチームでのチャンスを誰かから奪ってしまうことになる」

さらにこう続けている。

「ローソンはよく立て直したと思う。『もういい、楽しさがなくなった』と考えてしまってもおかしくなかったはずだ」

「いずれにしても、2戦で評価を下すのは明らかに早すぎる」

マックス・フェルスタッペン 角田裕毅

なぜチームメイトは苦しむのか
2026年シーズン、ローソンは引き続きレーシングブルズで走る。一方フェルスタッペンは、アイザック・ハジャーという新たなチームメイトを迎えることになる。角田裕毅はレッドブルのリザーブドライバーに就任することが発表された。

なぜチームメイトが自身のペースに追いつけないのかと問われたフェルスタッペンは、その理由をセットアップとマシンへの感覚に求めている。

「彼らは僕のセットアップを使おうとする。でも最終的には、ドライバーごとに自分のドライビングスタイルがある」

「シーズン後半になると、とくに一緒に成長していくことは多い。同じ哲学で走っていたけれど、僕はユウキより少しアンダーステアを好んでいたんだ」

フェルスタッペンの言葉からは、ローソン降格という決断が、今なお彼の中で消化しきれていないことが強くにじみ出ている。

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / リアム・ローソン