エステバン・オコン ハースF1での適応と女性エンジニアとの絆を語る
エステバン・オコンが、新しいレースエンジニアとの絆、ハースF1チームでの生活への適応について語った。

F1ドライバーの週末において最も重要な影響を与える要素のひとつが、レースエンジニアの役割だ。アルピーヌでの4年間を終えたオコンは、2025年からハースF1チームに加入し、新しいレースエンジニアとの関係を構築している。

オコンは現在、ローラ・ミューラーと組んでおり、彼女は今季開幕時点でF1初の女性レースエンジニアとなった。彼女の昇進は、F1がよりインクルーシブな方向へと着実に進んでいることを象徴している。

シーズンの折り返しを迎え、オコンはこの歴史的なパートナーシップを楽しんでいる。

「僕たちは完全に噛み合ってるよ」とオコンはシルバーストンで語った。「ローラは本当に一生懸命働いてる。僕も彼女と一緒に、週末を最適化できるようにすごく頑張ってるんだ」

「彼女と働くのは本当に素晴らしいし、僕のガレージ側ではローラが多くの人を率いている。F2から来た若いパフォーマンスエンジニアのサシャ(フーケ)や、長年この場にいる経験豊富なマイク(ドーキンス)もいる。彼はマッピングなどを担当していて、全体の補完という意味でも素晴らしい存在なんだ」

「もちろん、常に改善の余地はある。でも、これまでマシンにチャンスがある時にその機会をちゃんとものにしてきた。僕たちがいかにうまくやれているかを見てもらえれば、それは明らかだと思うよ」

ミューラーの芯の強さと勤勉さは、オコンにとって理想的なパートナーとなっている。

「彼女は時間を気にせず働いているんだ」とオコンは説明した。「彼女はすごく細かい部分にまで目を向けるし、それは僕も同じ。僕は些細なことに対しても厳しくなることがあるし、何度も確認するタイプなんだ」

「誰かを信頼してないわけじゃない。単に、自分自身でなぜその判断をしたのかを理解したいだけなんだ。お互いに隠し事はない。無理だと思えば、そうだと言い合う」

「ローラが僕に『ここを改善できる』と言ってくれれば、僕も彼女に『ここを変えた方がいい』と伝える。それでいいんだよ。そこにジャッジなんてない。僕たちは同じボートに乗ってるし、前に進む必要がある」

「すごく強くて良い関係だよ。ただ、シーズンは長いから、1年を通してお互いをケアしないといけない。健康を保って、高いエネルギーを維持することがとても大事なんだ」

「たとえばオーストリアでは僕があまり体調が良くなかったし、今はローラが少し調子を崩してるみたいなんだ。だから、ちゃんとビタミンを摂って、週末を乗り切れるようにしたよ」

「こういうダブルヘッダーでは、多くの人と接するから、こういうことも起こり得る。1度だけ良いパフォーマンスを出すのは簡単だけど、それを24回続けるのは本当に大変なんだ。それこそが重要なことだよ」

エステバン・オコン ハースF1チーム

新天地での生活、マシン、エンジンへの適応
ハースのテクニカルチームと新しい関係を築くとともに、オコンは新しい環境にも順応している。アメリカのチームに加入して半年あまりだが、すでに居心地の良さを感じているという。

「調子はいいよ」とオコンは語った。「僕たちにとって重要なことにまだ取り組んでいるけど、毎週末マシンのことを学んでいるし、走るたびに細かい部分を改善していて、チームとの連携もすごくうまくいってる」

「僕はチーム全体の考え方やモチベーションにすごく共感してる。レースに関してとてもストレートなんだ。考えることは一つだけ。マシンからもっとパフォーマンスを引き出すこと、問題を解決すること、そして状況に対応することだよ」

「これはすべてのチームにあるものじゃない。言えるけどね。ここでは、政治的なことよりも実際のレースが重視されている。それが最優先であるべきだし、それが実現してるのが嬉しいよ」

オコンはまた、ハースのVF-25にも順応する必要があった。最近のアップデートによって、シーズン序盤の苦労はある程度解消されている。

「どこに問題があるかを見極めてきたし、今回の新しいアップデートが、シーズン序盤に僕が見つけた開発の方向性に沿っていることを願ってる」

「今まで取り組んできたことが、これから僕たちの助けになるはずだと思ってる。今回のアップデートが効果を発揮するかどうかを見るのが楽しみだよ」

今季はオコンを含めて、冬の移籍によってチームを変えたドライバーが何人かいる。

表面的には順調に見えるオコンだが、決して簡単ではなかったと語る。彼は現在ドライバーズランキング10位で、ハースの29ポイント中23ポイントを稼いでいる。

「簡単だったわけじゃないよ。このチームに来てから、新しく学ばなければならないことがたくさんあった」と彼は言う。「でも、僕たちは本当に良い仕事をしてきた。早い段階で全てのシナリオや大きな問題を洗い出して、それから細かいことに取り組んできた」

「今もまだ難しいと感じているのは、このマシンが僕の開発によるものではないこと。だから、いくつかの部分では今も満足できないところがあるんだ」

「だけど今は、それを改善する方向へと進んでくれそうなパッケージがある。チームはそれにしっかり反応してくれてるよ」

さらに、オコンはフェラーリのパワーユニットへの適応も求められた。彼はこれまでメルセデスとルノーのエンジンを使用してきた。

「全体的には、みんな同じツールを持ってるけど、それをどう整理するかが違うだけなんだ」と、パワーユニットへの対応について尋ねられたオコンは答えた。

「いくつかはすごくいい部分もあるし、すごく違う部分もある。でも、僕にとっては大きな前進だった。僕はこのパワーユニットで走るのがすごく楽しい。これは大きなステップアップだし、もっと柔軟性がある」

「他のものを批判するつもりはないよ。それは僕のやり方じゃない。でも、チームに加わってすぐに、とても満足できる部分が見つかったし、扱いやすいものだと感じたんだ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / エステバン・オコン / ハースF1チーム