イモラ・サーキットでのF1開催継続交渉が本格化 地元と国家が全面支援へ

推進役を担うのは、エミリア・ロマーニャ州知事ミケーレ・デ・パスカーレ、イモラ市長マルコ・パニエーリ、そして国家レベルではイタリア首相府スポーツ局長のフラヴィオ・シニスカルシらだ。
パスカーレ知事は「我々にとって予算は問題ではない。F1開催を継続したいという強い意志がある。必要とあれば国家の支援もある」と『ガゼッタ・デロ・スポルト』に語り、地元だけでなく国全体で支える構えを示した。
また、シニスカルシ局長も「地域および国の当局による連携と努力が極めて重要だ。機関間の協力をさらに強化すべきだ」と述べ、中央政府としても積極的に関与していることを明らかにした。さらに注目すべきは、イタリア国内に位置するイモラでありながら、1981年から2006年までは「サンマリノGP」として開催されていた歴史的背景から、サンマリノ共和国も今回の交渉に関与している点だ。
一方で、F1 CEOステファノ・ドメニカリが先月、「同じ国で2つのレースを開催し続けるのはますます困難になってきている」と発言したことで、イモラの将来に対する懸念が高まっている。モンツァはすでに2031年までの長期契約を締結しており、どちらか1つを残すという判断が下されれば、イモラがその対象になる可能性がある。
ジャン・カルロ・ミナルディ「我々の力を証明する時」
エミリア・ロマーニャGPのプロモーターである「フォーミュラ・イモラ」の会長を務めるのは、元F1チーム代表として知られるジャン・カルロ・ミナルディ。彼はSky Italiaの取材に対し、「我々の仕事は、グランプリを引き続き開催できるだけの能力と価値を証明することだ」と語った。
「すでに交渉は始まっている。今後数日で多くの関係者が集まり、カレンダー編成を担当する側に難しい判断を迫るような議論の場が持たれるだろう」と続け、今が正念場であることを認めた。
パスカーレ州知事もこの点について「交渉はすでにかなり前から進んでいる。モンツァの存在は、イモラの開催を妨げるものではない」と述べ、両者の共存は可能だとの立場を強調した。
かつてイモラは、2020年の新型コロナウイルス感染拡大によるカレンダー再編の中で突如F1に復帰。その後も「エミリア・ロマーニャGP」として複数年開催を果たしており、主催側は一時的な復帰ではなく、正式なレギュラー開催地として定着させたい意向を強く持っている。

インフラ刷新と観客動員の増加が評価を後押し
イモラ市長マルコ・パニエーリは、2025年大会に向けて開催環境が大きく改善されていることを強調した。観客数は昨年よりさらに増える見込みで、決勝を含めた各日は最大で9万2500人の収容が可能となっている。
「チケットの売れ行きは非常に好調で、昨年の動員数を上回ると見込んでいる。イモラ駅の改修も終え、フレッチャロッサの一部が停車する他、17本の特別列車を運行する予定だ。昨年は9万5000人中2万7000人が列車を利用した」と市長は述べた。
また、サーキット設備の刷新も進められており、新たに3つのピットボックスを追加し、ホスピタリティエリアの整備も完了している。こうしたハード面での改善により、国際的なイベントとしての基盤がより強固なものとなっている。
加えて、2025年シーズンにメルセデスF1からデビューしたアンドレア・キミ・アントネッリの存在も話題を集めている。イタリア出身の若き才能がトップチームに加わったことで、新たなファン層の呼び込みにもつながっており、従来のフェラーリファン以外の関心も集まる要因となっている。
主催者側は、こうした要素が総合的にF1側に好印象を与え、2026年以降もイモラがカレンダーに残る材料になると期待している。
カテゴリー: F1 / F1エミリア・ロマーニャGP