第2回 F1バルセロナテスト最終日 : 全F1チーム代表者コメント
2020年のF1世界選手権にむけた6日間のプレシーズンテストが終了。2月28日(金)にスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットでF1バルセロナテストが最終日を迎えた。各F1チームの代表者のコメント。

開幕戦オーストラリアGPにむけての総仕上げとなる最終日のテストでは、各マシンがそのポテンシャルを示し始め、メルセデスが最速タイムをマーク。レッドブル・ホンダが1段階柔らかいタイヤで2番手タイムを記録している。

メルセデス
ジェームズ・アリソン(テクニカルディレクター)
「リーダーボードのトップでテストを終了し、順調な最終日でチームにとって激しかった2週間を締めくくることができ良い気分だ。今日、我々は問題なくプログラムを進め、シングルラップラン用のタイヤをどのように準備するのが最善かを考え出すことに時間を費やした。マシンはウインターテスト全体を通じて非常に強力であり、我々にとってその可能性を探ることエキサイティングな期間だった。シーズンのスタートまでに期待する基準に到達するために信頼性に関してまだやるべきことが残っていることは明らかだ。だが、それができれば、メルボルンで良いパフォーマンスを発揮するチャンスがあると思う」

フェラーリ
マッティア・ビノット(チーム代表)
「プログラムの完了からチームの作業方法に至るまでウインターテストの内容には満足している。我々は昨年とは非常に異なる方法で2つのテストセッションにアプローチした。1週目の3日間はできり限りすべての構成でマシンを把握することに使った。この2日間ではセバスチャンとシャルルとともにレース週末のシミュレーションを実施した。ドライラップでのパフォーマンスはまだ我々が望んでいるところにはきていない。信頼性とロングランに関しては兆候は比較的良好だが、まだ十分にポジティブではない。我々にはまだやるべき仕事がたくさんあるという認識をもって分析するための膨大な量のデータをもってマラネロに戻る。だが、チームとして、我々はオーストラリアGPにむけて準備ができていると感じている。オーストラリアGPは我々のポジティブについて良い明確なアイデアを与えてくれるだろう」

レッドブル・ホンダ
ギヨーム・ロケリン(レースエンジニアリング責任者)
「全体的な今日のプランは、メルボルンに向けてドライバーにマシンでいくらかの練習時間を与えることであり、そこはうまくいった。一晩かけてセットアップオプションの実験を行ったが、それは計画通りには機能しなかった。だが、それこそがテストの目的であるため問題はなかった。バランスとパフォーマンスにはかなり満足している。特に午後にはまともなベースラインに戻ることができたし、マックスもそれには満足している。第1週に完了した信頼性とロングラン、第2週のパフォーマンステストの両方でオーストラリアでの開幕戦にむけて十分に準備ができていると感じている。もちろん、今年のリストにある全ての仕事にチェックを入れなければならないテスト日数が8日間ではなく6日間だったが、優れた構造と規律でそれにアプローチし、与えられた時間を最大限に活用できたと思っている」

マクラーレン
アンドレアス・ザイドル(チーム代表)
「2020年のプレシーズンテストが終了した。我々にとっては十分な周回数をカバーでき、良好で生産的な第2週目のテストだった。週末を通して新しいアップデートを導入し、それらは期待通りに機能した。特に風という点で数日間でコンディションは変化した。が、それによってデータのバリエーションが広がった。今回のテストは久しぶりにマクラーレンにとってベストなものとなった。強力な信頼性によって計画通りにプログラムを完了し、分析のための貴重なデータを収集することができた。開発する必要のあるエリアについての優れた情報、そして、やるべき仕事について十分に理解しており、シーズンの開幕にむけて準備が整っているいう気持ちでメルボルンに向かう。ここに来るにあたり、2020年が競争の激しいシーズンになりつつあることはわかっていた。今回のテストはそれを強化するだけだ。競争は非常に拮抗しており、ファンはタイトでエキサイティングなバトルを期待することができるはずだ。見るには素晴らしいシーズンになるだろう。バルセロナの現場とファクトリーのチーム全体に感謝している。冬の間の彼らのハードワークにとってこのような強力なプレシーズンテストを完了することができた。ルノーの努力と継続的なサポートにも感謝している。最後にカルロスとランドの冬季とプレシーズンテストを通してのコミットメントに感謝する」

ルノー
シリル・アビテブール(チーム代表)
「今日はスムーズで生産的な2週間のプレシーズンテストの集大成であり、我々の作業に満足感を与えた。すべてのパーツが高水準かつ適切なタイミングでトラックに届けられるように冬に間にエンストンとヴィリーによって行われた進歩のおかげでR.S.20は期待通りの走りをした。この準備により、2週間にわたってほとんど問題なくすべての主要なテスト項目を完了することができた。当初はパッケージの主要な特性を評価し、シャシーとエンジン全体の信頼性レベルを決定することに集中した。その後、様々なセットアップオプションに取り組んだが、興味深いものを提供するものもそうではないものもあった。エンジンの信頼性には非常に満足できる。我々とカスタマーのマクラーレンともにそれぞれ1基のパワーユニットが使用された。絶対的なパフォーマンスレベルは、冬のゲインへの期待に沿ったものであり、開発施設とトラック感の相関レベルのポジティブな兆候だ。それは我々が実施している非常に説教的な開発プランにとって不可欠なものだ。非常に競争的なミッドフィールドにおける我々の競争レベルを評価するのは現時点では非常に困難だが、再びレースをすることを楽しみにしている」

アルファタウリ・ホンダ
フランツ・トスト(チーム代表)
「スクーデリア・アルファタウリにとってプレシーズンテストは成功だった。マシンは良好なパフォーマンスを示し、信頼性が高い。天候にも非常に恵まれ、ほとんどの日は、一年のこの時期としてはかなり高温だった。2週目では唯一、特に木曜日は風が少しトリッキーだったが、これにより、異なるコンディションで新車AT01をテストすることができた。今年はテスト日数が2日少なくなったが、この6日間でマシンについて多くのことを学び、合計3580 kmを大きな問題なくカバーできた。この段階では正常ないくつかの小さな問題が発生したが、全体的にすべてがうまくいったことに満足している。チーム全体が素晴らしい仕事をして、時間内にマシンの準備を整え、短縮されたコースでスケジュールでうまく力を発揮してくれた。ホンダはPUでさらに一歩前進し、パフォーマンスと信頼性の両方を改善し、スムーズな走行を実現した。バイチェスター、ファエンツァ、Sakuraの全員の努力のおかげで、ほぼシームレスがテストを実現することができ、我々は力強いプレシーズンテストを実施することができたと思う。ピエールとダニエルの両方が非常に優れたパフォーマンスを発揮し、AT01の開発に役立つ貴重なフィードバックをエンジニアに提供してくれた。彼らはすべてのデータを簡単かつ効率的に分析できるように専門的に働いた。次のF1シーズンに向けて十分な準備ができていると確信しており、オーストラリアでの開幕戦を楽しみにしている」

ジョディ・エギントン(テクニカルディレクター)
「今朝の路面コンディションは昨日と比べて全体的に改善され、それ自体がいくつかの有用なデータを提供した。午前中のプログラムは計画どおりに実行されたが、小さな問題を管理していたことでセッションの最終走行はわずかに妥協を強いられた。それは昼休みに用意に解決できたものだった。午後のセッションでは、引き続き開発と相関プロセスに役立つ多くの有用なデータを収集した。長めの走行でマシンとタイヤがどのように動作するかについてさらに学び、利用可能なコンパウンドをいくつか使用してプログラムのこの部分を完了させた。また、一日の最後の走行では、いくつかの傑出したテスト項目を完了することができたことは有用だった。全体として、今日の走行は冬季テスト全体と同じように生産性が高く、走行距離と収集されたすべてのデータにより、これは我々は今シーズンに完全に集中できる」

レーシング・ポイントF1チーム
トム・マッカロー(パフォーマンスエンジニアリングディレクター)
「全体的に我々にとってポジティブな冬だった。昨日のランスと同様、今日のセルジオはミスを犯さなかった。天候によって必ずしも容易ではななかったが、彼らは6日間にわたる非常に忙しいプログラムを消化することを助けてくれた。これまで収集したマシンの知識に基づいて、午前中に最適化作業を完了させた。昨日の困難なコンディションと比較して、風が弱かったため、我々が調べているものを理解しやすくなった。午前中のセッションの終わりに電気系の障害に起因する小さな技術的な問題があった。重大な懸念ではなかったが、予防的なチェックを実施することを選択した。レースに向かうまえにそれのような問題を理解して解決することが重要だ。残念ながら、それによって柔らかい方のタイヤコンパウンドでの走行がいくつか犠牲になってしまった。午後は前日のバランスとセットアップ作業を実践に移すべく、ロングランのパフォーマンスに焦点を当て、セルジオからポジティブなフィードバックを受けてテストを終了した。過去2週間でRP20について多くのことを学んだ。これから開幕戦に先立ってそのデータを最大限に活用していくことが重要だ。現場とファクトリーの全員にとって忙しい冬だった。長時間の信じられないくらいの作業が舞台裏で行われた。チームのすべてのメンバーに感謝している」

アルファロメオ・レーシング
ヤン・モンショー(テクニカルディレクター)
「満足のいく仕事ができ、満足感とともに過去2週間を振り返ることができるが、実施あのタスクがまだ先にあることは完全に認識している。この2つのテストを通じて、C39を十分に理解し、シーズン開幕にむけて準備が整ったと感じている。パフォーマンスに目を向ける前の目標であるテストリストのほぼすべての項目を完了することができた。今はオーストラリアに飛び立つ前にマシンに最後の仕上げをすることを楽しみにしている」

ハースF1チーム
ギュンター・シュタイナー(チーム代表)
「ロマン(グロージャン)がマシンの乗った良い午前だったし、再びプログラムを完全に完了することができた。いくつか進歩を遂げ、過去数日間のテストですべてが順調に進んでいるように思う。残念ながら、ケビン(マグヌッセン)は今日の走行が制限された。フラストレーションを感じるが、昨日のフルレースシミュレーションのような彼がマシンに乗った走行時間からポジティブな部分を得ている。6日間のテストで問題は2つしかなかった。今日のクラッチ問題と1回目のテストの最終日だった先週の金曜日のリアホイールの問題だ。全体的に良い走行距離を稼ぎ、多くのことを学ぶことができた。このデータを取得するために懸命に仕事をしてきた。オーストラリアで良い結果に変換できることを期待している」

ウィリアムズ
クレア・ウィリアムズ(副チーム代表)
「我々はバルセロナ非常に忙しい時間を過ごしました。現場とファクトリーのチームの全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、計画されたプログラムの大部分を完了することができました。残念ながら、走行プランのいくつかは6日間にわたって具体化されたエンジンの信頼性問題の影響を受け、それは主にニコラスの走行に影響を及ぼしましたが、実際にレースをするまでにメルセデスHPPが解決してくれると確信しています。まだ初期段階ですが、マシンは確実に昨年のものよりも良くなっています。我々は進歩できるとことを実証したいと思っていました。これからメルボルンにむけて最適な構成を設定するために収集したすべてのデータを確認する時間があります。我々はマシンに継続的な改善をもたらすために懸命に戦い続けていきますし、オーストラリアのコースでそれを目にするのを楽しみにしています」

デイブ・ロブソン(車両パフォーマンス責任者)
「今シーズンのウインターテストの最終日は、午前中は気温が低くお穏やかなコンディション、午後は薄く雲がかかったコンディションとなった。昨日の雨の朝に続き、路面は非常に良好な状態に完全に回復したように見えた。今日はジョージがマシンに戻り、昨日のニコラスと同じようなプログラムを完了させた。柔らかいコンンパウンドを使用した午前のパフォーマンス走行でセトアップテストの最終決定を目指した。2020年のレンジの硬い方のコンパウンドを使って燃料を積んだ状態での長めの走行に入る前に昼休みを利用してフルグリッドシミュレーションを実施した。昨日のニコラスと同じように、ジョージは生産的な一日を楽しんだ。彼のマシンのセットアップを調整し、レースタイヤのマネジメントの変動を再確認した。全体として、ウインターテスト期間は良好で、6日間に圧縮されたこの新しいフォーマットを最大に生かすことができた。1日を除く全日程で100周以上を走り込み、ほぼすべてのことを完了することができた。

ホンダ
田辺豊治(テクニカルディレクター)
「例年よりも短い日程で行われた6日間のオフシーズンテストが今日で終了しました。両チームともに大きな問題は発生せず、貴重な走行時間を無駄にすることなく、多くの周回を重ねることができました。Aston Martin Red Bull Racingと780周、Scuderia AlphaTauriとは769周、Hondaとして合計で1,549周・7,211㎞を走行し、数々の確認テストを行いました。多くのデータを得られ、とてもポジティブなテストになったと感じています。6日間を通して比較的安定した天候ではあったものの、午前・午後での路面温度変化や風向きその強さなどが、F1の車には大きな影響を与えます。それに加えて各チームが異なるプログラムで走行をしているので、この段階で各チームの相対的な実力を語ることは時期尚早ですが、シーズン開始に向けていい準備ができたと考えています。ここからテストで使用したパーツの確認を進めたり、エンジニアたちがデータの分析を進め、最後の最後まで改善に向けた努力を続けていくことになります。あと16日でオーストラリアGPが始まります。いい戦いができるよう、万全の準備を整えて挑みます」

ピレリ
マリオ・イゾラ(F1&カーレーシング責任者)
「プログラムをわずかに再構成し、トラックをある程度リセットする昨日の雨と風の影響を受けたものの、2回目目のテストは再び非常に生産的だった。おそらくそれが以前ほど速くなかった理由だ。我々の観点では、何の問題もなくスムーズな3日間だった。また、標準のC2タイヤとザントフォールトのバンクコーナーのフロントの新しい構造を比較する機会もありました。新しい構造はより硬くなるが、特にザントフォールト用に2PSI高められた圧力の標準C2フロントタイヤも走らせた。両方のコンセプトから良いフィードバックが得られた。パフォーマンスギャップに関しては、C5とC4の間で約0.45秒、C4とC3の間で約0.3秒、C3とC2の間で約0.45秒を目にした。この最終的なギャップは、ここで予想したものように少し大きかった。オーストラリアの準備はこれで完了だ。6日間のテストの後、誰もが再びレースに戻ることを楽しみにしている」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1ドライバー