F1
2回目のバーレーンテストが最終日を迎え、12日間にわたるプレシーズンテストの全日程が終了した。

最終テストでトップタイムを記録したのはメルセデスのルイス・ハミルトン。そのメルセデスでさえ、ギアボックストラブルで午前中を棒に振るなど、2014年F1マシンの新しいテクノロジーには各チームがまだ手を焼いている。前回のテストで好タイムを記録していたマクラーレンもエンジントラブルで走行は限られた。

好調なメルセデス勢と堅実な走行を重ねたフェラーリに対し、王者レッドブルは、結局強さを発揮できないままテストを終えた。だが、ケータハムの小林可夢偉が106周を走破するなど、信頼性には明るい兆しも出始めている。

メルボルンの開幕戦までの2週間で各チームがどこまでクルマを煮詰めてくるか興味深い。

セバスチャン・ベッテル (レッドブル)
「今日は多くの周回を走れたので有益だったと思う。今日はレース距離を走ろうとした。何らかの理由でうまくいかなかったけど、2週間で状況はもう少し違ってくるはずだ。もちろん、僕たちのクルマがどの位置にいるのかを知るのは難しい。単に周回数だけでなく、タイプ的にもね。タイヤや燃料の重さだけでなく、走行オプションはかんり多い。エンジンのオプションもフルパワーだったりローパワーだったするからね。自分たちがどの位置にいるかを言うことはできない。多くのエリアで巻き返さねければならないことはわかっている。そうは言っても、今日の出来には満足している。多くのラップは走り、たくさんのことを学んだ。ここでのタフな一週間をポジティブな形で締めくくれたと思う」

ルイス・ハミルトン (メルセデス)
「間違いなくこれまで経験してきた中で最もチャレンジングな冬だったし、クルマは今もぜんぜん作業中だけど、この数週間にわたって多くんのことを学べたし、全体的には僕たちにとって良い冬季テストだったと思う。2カ所の施設やサーキットでチームは本当に信じられない量の仕事に取り組んでいる。今日は厳しいタスクを抱えながらも決して冷静さを失うことなく頑張ってくれたクルーに心からの感謝しなければならない。今日はタフなスタートだったけど、彼らは午後に良いラップを走れるためにクルマを用意してくれたし、素晴らしい頑張りだったと思う。新車は学ぶことが多い。ほんと眩暈がするくらいだし、今シーズンのチャレンジにむけて準備万端という人はいないと思う。でも、やれるだけのことはやったと思っているし、メルボルンで自分たちの位置を確認するのが楽しみだ」

フェルナンド・アロンソ (フェラーリ)
「チームはできる限り素早くクルマに変更を施すために全力を尽くしてくれた。でも、今日も僕たちはもっと多くの周回を走る予定だった。クルマのパフォーマンスを改善するためにはパワーユニットの使い方についてもっと学んでいかなければならないし、まだ望んでいるところにはきていない。チームの全員がとてもコンペティティブだし、F14 Tのポテンシャルの全てをできるだけ早く引き出せるように昼夜を問わず頑張っている。全員にとって非常に要求の厳しい12日間のテストだったけど、チーム全体の頑張りに感謝したい」

ロマン・グロージャン (ロータス)
「理想的な状況ではない。全員にとって理解しなければならない新しいテクノロジーがたくさんある。僕たちは何度もストップしたし、ガレージで過ごす時間が多かったのは確かだけど、クルマを走らせるたびに新しいことを学んできた。エンストンでは全員が全力で作業に取り組んでくれているし、それはルノー・スポールF1も同じだと思う。パフォーマンスと信頼性をもっと見つけるためにまだ2週間ある」

ニコ・ヒュルケンベルグ (フォース・インディア)
「テスト最終日はかなりうまくいった。結局、レースシミュレーションはやらなかったけど、何度かロングランを走ったし、ジョブリストの他の多くの作業をこなせてた。昨日ほど多くのラップは走っていないけど、それでも進歩しているし、新しいことも学んでいる。僕にとっては良い2日間だったし、かなり満足している。常にもっと準備する時間が欲しいものだけど、僕たちは良い状態にあると思う。最初のヘレステストからクルマは進歩しているし、毎日前進を果たしている」

エイドリアン・スーティル (ザウバー)
「良い朝を過ごせた。短い時間で予定していた全ての作業をカバーできた。昨日は不運だったけど、メルボルンで起きるよりここで問題が発生した方がいい。今朝のセッションを終えて、より快適に感じている。今は分析するためのデータがたくさんある。全体的にタフなテストプログラムだったし、あちこちで予想していなかった問題が発生した。でも、これ以上テストはできないし、持っているものを生かして、メルボルンではそれを最大に生かさなければならない。楽しみにしている」

エステバン・グティエレス (ザウバー)
「今日は本当に生産的だった。昨日失った分をかなり取り戻せたし、チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれた。多くのラップを走り、プログラムをすべて完了した。それを成し遂げられたことに満足している。もちろん、メルボルンまでに解決しなければならない作業はまだ相当ある。でも、僕たちは正しい方向に進んでいると思う。何度かレースシミュレーションもできたし、役に立ったと思う。初レースに向けて準備を整えることができたし、メルボルンにむけて状態はできていると思う」

ジャン・エリック・ベルニュ (トロ・ロッソ)
「これまでの12日間はいろんな意味で本当に興味深かった。今日はポジティブだったと言えるし、良い作業ができた。特に午前は予定していた全てを完了できたし、全てがスムーズに進んだ。午後はちょっと複雑だったけど、それでもレース構成でマイレージを稼げたし、多くのことを学ぶことができた。今日はクルマから本当に良いフィーリングを得られた。楽な冬季テストではなかったけど、それは僕たちだけではない。これ以上テストはないけど、チームはパートナーと懸命に作業をして、メルボルンまでに問題の多くを解決できることはわかっている。良いクルマだと感じられたのは本当にポジティブなことだし、すべてが解消されれば、レースでは強さを発揮できると確信している」

バルテリ・ボッタス (ウィリアムズ)
「僕たちのテスト最終日はとても良かったと思う。終了間際にたった1周しか走れなかったのは本当に不運だったけどね。でも、それ以外に問題はなかったし、クルマのセットアップに関しては多くの進歩を果たせたので、全体的には良い一日だった。テストで取り組んだ作業量を考えれば、メルボルンに向けてできる限りの準備ができたと思う。チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれたし、メルセデス・ベンツにも感謝している。この後の数週間で頑張って作業する必要があるけど、全体的にテストの内容には満足している。今日はスーパーソフトタイヤでクイックラップを走るチャンスがなかったので、メルボルンに着いたときにここから前進できることを楽しみにしている」

マックス・チルトン (マルシャ)
「今日はいくつか小さなトラブルがあったことを考えれば、61周を走れたことはかなり励みになるし、一日を終えて調子はポジティブだ。プレシーズンテストを締めくくるには最高のカタチだ。今日はキャッチアップするためにやらなければならない作業が多かったし、残された走行時間を最大化しなければならなかったけれど、僕たちがチェックしたアイテムはメルボルンの全体像で重要になると思う。全体的に僕たちはシーズン初戦に向けてかなりポジティブに挑めると思う。新しいレギュレーションはどのチームにとってもチャレンジングだし、僕たちも途中でいくつか問題を抱えたけど、進歩もかなりしている。予選とレースまで実際のポジションはわからないし、予想はしたくない。でも、自分たちのチャンスを最大限に生かせる良いポジションにはつけると思うし、とても楽観している。現場の拠点のみんなに感謝したい。ヘレスで初めて走ってから大きな成長を遂げたと思う」

小林可夢偉 (ケータハム)
「最後の1時間はクラッチの問題で、予定していたパフォーマンス走行はできませんでしたが、106周という走行距離でテストを締めくくれたのはよかったと思います。バーレーンテストの最後の二日間は非常に充実したテストになりましたし、このクルマの信頼性を示すことができました。最初のヘレステストだけでなく、ここバーレーンで行われた2回のテストでも、いくつものチームが問題を抱えているように、信頼性は開幕戦のオーストラリアGPはもちろんシーズン全体を通してこれまで以上に大切なものになりそうです。今日は非常に忙しい一日でした。午前中は短い周回数を重ねながらいくつかのセットアップを試していました。午後はロングランを行い燃費、エネルギー回生、タイヤの摩耗、そのほかにも様々なデータを得ることができましたし、これはレースで非常に大切なことです。そういう面でも走行モードによるクルマの挙動の変化の違いを知る機会があったのは大事でした。このあと僕はファクトリーに向かい、さらに数日シミュレーターでテストをして、オーストラリアに向かいます。個人的にふたたびF1でレースができることを楽しみにしていますし、テストの結果をみても2014年の開幕戦は非常に面白いスタートになると思います」

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カテゴリー: F1 / F1ドライバー