元F1ドライバーのルーカス・ディ・グラッシ フォーミュラE今季限りで現役引退

41歳のディ・グラッシは2002年にフォーミュラ・ルノー・ブラジルでプロデビューし、24年にわたって複数のカテゴリーで戦ってきた。なかでもフォーミュラEでは創設初年度から参戦し、シリーズを象徴する存在のひとりとなった。
フォーミュラE創設期から歩んだ象徴的存在
ディ・グラッシは2014年にフォーミュラEがスタートした際、最初に参戦を表明したドライバーとして知られる。北京で行われた開幕戦では勝利を飾り、電動フォーミュラの歴史に最初の勝者として名を刻んだ。
その後も全シーズンに参戦し、2016-17年にはアプトでチャンピオンを獲得。通算13勝を挙げ、フォーミュラE史上でも屈指の実績を残した。
一方で近年は苦戦が続いており、2023年以降はランキング15位以内に入れていない。2025-26年シーズンもローラ・ヤマハ・アプトから参戦しているが、開幕6戦を終えて無得点となっている。
ディ・グラッシ「すべての偉大なレースには最終ラップがある」
今週末のベルリンE-Prixを前に、ディ・グラッシは現役引退を発表した。
「レースに捧げてきた人生を経て、2026年はプロレーシングドライバーとしての最後のシーズンとなり、新たな章の始まりになる」とルーカス・ディ・グラッシはコメントした。
「モータースポーツは、物心ついたころから僕の人生だった。なぜそれが必要なのかを理解する前から、規律と粘り強さを与えてくれた。そして、先の道がまったく見えない瞬間にも、目的を与えてくれた」
「サンパウロ郊外からモナコまで、レースは僕の人生を想像もできなかった形で作り上げた。ドライバーとして、人として、父として、そしてひとりの人間として、僕を深く変えた。僕はこのスポーツに自分のすべてを捧げ、その見返りとして、夢にも思わなかった人生を与えてもらった」
「初日から支えてくれた家族には心から感謝している。あらゆる犠牲、難しい決断、勝利、敗北を通じて支えてくれた。彼らの愛、忍耐、信頼がなければ、何ひとつ実現しなかった。特に素晴らしい妻と子どもたちとともに、この決断を下した」
「フォーミュラEには特別な感謝を伝えたい。僕はこの14年間、並外れた人々に囲まれて過ごしてきた。ナプキンに書くところから始め、素晴らしい選手権を作り上げた人々だ。今では、そこを自分のホームだと考えている」
「この決断には感情が伴うが、同時に穏やかな気持ちもある。すべての偉大なレースには最終ラップがある。僕は自分の最終ラップを、ここまで連れてきてくれたのと同じ強度、献身、愛情をもって走りたい。最後のレースまで全力を尽くす」

シリーズCEOも功績を称える
フォーミュラEのジェフ・ドッズCEOも、ディ・グラッシの功績を称えた。
「ルーカスは最初からフォーミュラEと同義の存在だった」とジェフ・ドッズはコメントした。
「彼はただレースをしただけではない。初日から電動モビリティの使命を信じ、その競争心によって、このシリーズを現在の場所まで前進させる力になった」
「今シーズン終了は、ステアリングを握る素晴らしい章への別れになるが、今後もルーカスが選手権に深く関わり続けることを我々は十分に期待している」
「彼がこのスポーツに与えた影響は、永続的なものになる。彼の献身と、すべてのレースにもたらしたエネルギーに感謝したい。彼は我々が築いているものにとって素晴らしいアンバサダーであり、最後のレースの最後の1センチまで全力を尽くしてくれると分かっている」
WECとF1でも刻んだ足跡
ディ・グラッシのキャリアはフォーミュラEだけにとどまらない。アウディでは世界耐久選手権にも参戦し、2016年にはランキング2位を獲得した。
WECでは3シーズンをフル参戦し、ル・マン24時間レースではアウディとともに3度の表彰台を記録している。
また、2010年にはヴァージン・レーシングからF1世界選手権にも参戦。チームメイトはティモ・グロックだったが、2011年はジェローム・ダンブロシオにシートを譲る形となった。
ディ・グラッシの今後の計画は後日発表される予定だが、まずは8月15〜16日にロンドンで閉幕する今季フォーミュラEシーズンを最後まで戦い抜くことになる。
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