デビッド・クルサード 鈴鹿を語る
デビッド・クルサードが、F1日本GPが開催される鈴鹿サーキットを解説。

デビッド・クルサード
「鈴鹿はすばらしいコースだと思う。1年の中でも特にすばらしいサーキットのひとつだ。今年モナコに行ったときも、まだレーサーだったら良かったのにと思ったし、スパでもそう思った。そして、鈴鹿も同じ気持ちになるだろう。自分がグランプリ・ドライバーであることを本当に実感できるすごいコースだ」

「本当に、そう感じるんだ。圧倒的なコーナーの数々、ミスが許される余裕はない。1周目の始まりに息を吸わなければならない。クルマの基本性能やセットアップでリザルトが決まってしまうような、最近のストップ・アンド・ゴーの繰り返しのコースとは全く違う」

「別の意味でも鈴鹿は他のサーキットとは異なる。近くに工業地帯があるが、田園地帯の真ん中にあって、大都市からは数時間の距離がある。チームは周辺の数少ないホテルに一緒に滞在することになるので、 ドライバーやチームの間の仲間意識も強くなる。メディア関係者にしてもそうだと思う。だから、特別なグランプリなんだ。鈴鹿のそういった特色が嫌いで楽しめない人もいるが、ぼくは、そんな鈴鹿が好きなんだ」

「鈴鹿の1周は本当に最高だ。ピットを過ぎると、ターン1までは下り坂。このターン1は、昔、セナがプロストに突っ込んだことで有名になった。ここはアクセル全開で、ターン2への侵入は横Gがかかる。いくつかギヤを落としてターン3へ向けて加速するが、ターン3ではさらにいくつかギヤを下げる。ここはナイジェル・マンセルがクラッシュして背中を痛めたところだ。まだ本格的に1周はスタートしていないが、ここまでに、すでに3、4秒は強い横Gを経験することになる」

「鈴鹿は非常に幅狭いサーキットでもある。それを改めて感じるのは、一連の高速コーナー、左・右・左のSカーブを抜ける時だ。ここの最終パートは坂のてっぺんのブラインドコーナー。そこから下り坂で落ち込んだ右コーナーを回り、ダンロップカーブへとジェットコースターのように上っていく。ダンロップコーナーはフラットアウト。完全なブラインドコーナーで、肩から首が抜けるかと思うほど引っ張られる。その頂点を越えて、ギヤを1速か2速に落とし、さっとハンドルを切ってデグナーカーブのひとつめのコーナーへ。その短いコーナーを抜けると90度の右コーナーだ」


「 そして、八の字の立体交差の下を抜け、フラットアウトの右への110Rに入り、ヘヤピンへ。ここはとても滑りやすいので要注意。一息ついてそこを抜けると、フラットアウトの右コーナーが続き、スプーンの直前でストレートになる。スプーンカーブは複合の左コーナーだ。1つ目のカーブはふたつギヤを下げ、次のカーブでもうひとつ下げる。アクセルは早めに踏む必要がある。下り坂の長いスプーンを抜けたら、再び上り坂の130Rへのアプローチがあるからだ」

「130Rは全開で行くかどうか迷うところ。130Rは本当に路面コンディション次第なんだ。その後、一息つく間があって、激しいブレーキング。シケインが待ち構えているからだ。ブレーキを踏み始めた時にはシケインは見えない。下り坂で、わずかにコーナーを回るからね。ここもブラインドコーナーだね。コースを知らないと、ブレーキングポイントを見逃して行き過ぎてしまう。少し経験を積めば、コーナーが見える前からブレーキを踏まなければならないことが分かる。シケインとしてはたいしたことはないが、そこを抜けた時にはトラクションを見つけるのが難しいかも知れない。そして、坂を下って昔のピットレーンの入り口を通り過ぎる。ウェットならば、ここにはいつもコースを横切る水の流れがある。ドライならばフラットでスタート・フィニッシュのストレートへ。そして、なんてすごい1周なんだって思うんだよ」

「そしてピットボードに、あと52周と表示されているのを見る。本当にすばらしいコースだよ」

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カテゴリー: デビッド・クルサード | F1日本GP