コルトン・ハータのF2挑戦 利点と課題をミシェルCEOが分析「経験は優位」
コルトン・ハータの2026年のインディカーからF2へという異例の挑戦は、再びF1への道を切り拓こうとしている。インディカーで9勝を挙げたアメリカ屈指の才能が、FIAスーパーライセンス獲得のためにフォーミュラ2に挑むという決断は、昨年のモータースポーツ界で最も注目を集めた動きのひとつだった。

25歳のハータは、平均的なF2ドライバーをはるかに上回るキャリアを積んでいながら、あえて下位カテゴリーに身を置くという「必要だが異例」のステップを踏んでいる。

RacingNews365は開幕を前に、F2 CEOのブルーノ・ミシェルに話を聞き、この挑戦がもたらす利点と「課題」について見解を聞いた。

インディカー9勝とF1への未完の挑戦
アメリカ国内で高く評価されてきたハータは、過去にF1マシンのテスト経験もあり、ザウバー(現アウディ)のシミュレーターでは、当時のドライバーであるキミ・ライコネンやアントニオ・ジョビナッツィを上回るタイムを記録したとも伝えられている。

2022年には、ピエール・ガスリーの移籍に伴いアルファタウリのシートに迫ったが、スーパーライセンスに必要な40ポイントに対し、当時の保有ポイントは32だった。FIAは特例を認めず、その年末には29ポイントまで減少した。

近年改定されたインディカー向けのポイント配分が当時適用されていれば、ハータは48ポイントを獲得しており、2023年にF1グリッドに立っていた可能性もあった。しかし現実は変わらず、2024年にランキング2位となったものの、タイトル獲得には届かず、スーパーライセンスの条件も満たせなかった。

F2という正規ルートへの合流
こうした状況を打開するため、ハータはFIAが想定する正規ルートであるF2への参戦を選択した。ハイテックTGRからF2に参戦しつつ、キャデラックF1チームの育成ドライバーとしても活動し、将来的なフル参戦資格の獲得を目指している。

ただし状況は単純ではない。キャデラックF1にはバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスが複数年契約で在籍しており、この点がハータの立場をより複雑なものにしている。

ミシェルが語る明確な強み
ミシェルはまず、ハータの豊富な経験を最大の武器として挙げる。

「彼は経験豊富なドライバーで、それは常に助けになる。25歳という年齢は、多くのレース経験を積んできたことを意味するし、それは確実にアドバンテージになる」

特にレースクラフトの面では、F3から直接昇格してきた若手よりも成熟していると評価する。

「F2に直接上がってくる若いドライバーより、はるかに洗練されたレースクラフトを持っているはずだ。それは間違いなく助けになる」

さらに、マシン面でも一定の共通点があるという。

「インディカーも我々と同じダラーラ製シャシーだ。細部は異なるが、ダラーラには哲学があり、ワンメイクカテゴリーという点も共通している。こうした要素は彼にとって重要で、助けになる」

立ちはだかるF2特有の課題
一方でミシェルは、ハータが即座に有利になるわけではないとも指摘する。最大の壁は、F2特有のタイトで厳しい週末フォーマットだ。

「一番の難しさは週末のフォーマットだ。彼はそれに慣れていない。インディカーでは、F2やF1の週末よりも多くの走行時間があるはずだ」

限られたフリー走行と制限されたテスト日程の中で、短時間で仕上げる能力が求められる。

「短い時間の中で準備を整える必要がある。フリー走行も少なく、公式テストも限られている。これはカテゴリーのコストを抑えるためだ」

加えて、ピレリタイヤの扱い、エンジン特性、そして未知のヨーロッパ系サーキットへの適応も課題となる。

「タイヤの使い方、エンジンの使い方、彼が知らないサーキットがある。ただ、優れたドライバーは非常に速くサーキットを覚える。シミュレーターで準備し、すぐに適応する」

それでも環境の違いは大きい。

「経験に基づくアドバンテージはあるが、F3を経験していないという点は明確だ。F3はF2への準備として非常に優れているが、そのプロセスを彼は経ていない」

F2で8位に入れば、ハータはスーパーライセンスに必要な残り6ポイントを獲得できる。経験という強みと、フォーマットや文化への適応という課題。その両方をどう乗り越えるかが、ハータのF1への夢を左右することになる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / コルトン・ハータ / FIA F2 / キャデラックF1チーム