キャデラックF1チーム 2026年の参入を前にF1が制限を課す
しかし、キャデラックが作業を開始できるとしても、できる作業の種類や実施可能なテストの量には多くの制限がある。進化し続けるF1のレギュレーションを簡単に見ていき、開発に関してアメリカ自動車メーカーが許可されていること、されていないことを正確に理解しよう。
キャデラックF1の「すべきこと」と「すべきでないこと」
キャデラックF1チームは、アンドレッティ・グローバルの関心表明から始まった。F1チームになるための申請を行った瞬間から、規制のないテスト時間を少しでも多く確保しようと、F1マシンの製作を開始した。
F1におけるテストや開発が極めて厳格に管理されていることは周知の事実である。コスト上限がチームの支出額を規定し、風洞の利用時間はチームによって異なり、選手権下位チームには追加の時間が割り当てられる。
その目的は、革新を制限することではなく、すべての競争相手の間により公平な競争条件を維持することである。
キャデラックはある意味で宙ぶらりんの状態にある。米国の自動車メーカーは、2024年11月に2026年のF1グリッドへの予備的な承認を前もって受ける形で、マシンの開発をすでに開始していることを明らかにしている。
そして、その時点でもまだ承認は保証されておらず、2026年にチームが100％確定しているわけではない。キャデラックはF1参戦に向けて何ができるのか？何が許されないのか？
キャデラックからF1へのタイムラインには、決定的な瞬間が2度ある。1度目は、チームがフォーミュラ・ワン・マネジメントと原則合意したときであり、2度目は2025年1月1日である。
11月、キャデラックとFOMが合意に達したことは、実質的には2025年1月1日より2026年のレギュレーションでチームが運営することに合意したことを意味する。
つまり、2025年のコスト上限を順守する必要があるということだが、米国の自動車メーカーにはまだ多くの自由が残されている。現行チームは2025年の予算で2025年に参戦するが、キャデラックは2026年のデビューに向けてより多くの予算を投入できる。ただし、その予算の大半はチームのスタッフや施設の整備に費やされることになるだろう。
また、キャデラックは後手に回ることになる。2026年のレギュレーションの1つのバージョンは一般に公開されていたが、チームは2024年の後半にそれらのレギュレーションを大幅に修正し、その変更はFOMとの契約が締結されるまでキャデラックには知らされていなかった。
これらの変更の詳細はまだすべて明らかになっていない。なぜなら、これらの変更は12月の世界モータースポーツ評議会会議後に初めて発表されたからだ。しかし、大まかな変更点としては、
・空力に関するレギュレーションの大幅な改定
・パワーユニットのエネルギーに関するレギュレーションの変更、エネルギーの使用方法、およびそれらのパワーユニットのテスト方法
・FIAによる財務の規制および解釈の改定
がある。
FIAによる規制がなかった期間に、キャデラックはF1テクノロジーの開発で一歩先んじていたかもしれないが、その間に十分な変更が導入されたため、チームは計画を大幅に修正する必要があるだろう。
そして今、チームは2026年の改訂版財務規則に準拠しながら、そうしなければならず、チーム戦略がさらに変更される可能性がある。
しかし、キャデラックには良いニュースもある。それは、まだパワーユニットを導入していないこと、そして、そのPUは、その間運営されるフェラーリエンジン搭載のレースチームよりも重要である可能性が高いということだ。
ご想像の通り、PUメーカーの知的財産を保護する目的で、いくつかの規制の改善も行われている。これは、おそらくキャデラックがフェラーリから情報を引き抜き過ぎないようにすることを目的として導入されたものだが、同社のハイパーカープログラムはすでに確立されているため、知的財産の盗用はまずありえない。
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