キャデラックF1参戦に1550億円投資 開幕前から巨額プロジェクト

ゼネラルモーターズとダン・トウリス率いるTWGグローバルは、アウディのように既存チームを取得する道を選ばず、ゼロから新体制を構築。2026年F1開幕戦オーストラリアGPを目前に控え、その規模と負荷が明らかになりつつある。
開幕前に10億ドル規模の投資
ポッドキャスト番組でウィル・バクストンは、プロジェクトの規模について次のように語った。
「まず前提として言っておきたい。彼らはすでに10億ドル(約1550億円)を費やしているとみられている。まだ1周も本気で走っていない段階でだ」
「これはグリッドに並ぶためだけの金額だ。しかもタイトルスポンサーはまだいない。キャデラック、ゼネラルモーターズ、TWG、ダン・トウリス、その背後にいるすべての関係者にとって、これは莫大な財政的挑戦だ」
この金額はキャデラック側から公式に確認されたものではないが、プロジェクトの規模を象徴する数字として受け止められている。
拠点はアメリカのインディアナ州フィッシャーズ、ノースカロライナ州シャーロット、ミシガン州ウォーレン、そしてイギリスのシルバーストン。2大陸にまたがる複数拠点体制で新規参戦チームを立ち上げている。

構造的な複雑さと現場の疲労
バクストンは組織構造の複雑さにも言及した。
「3つ以上の拠点を持つのは、どのチームにとっても最適化された戦略とは言い難い。ましてや新規チームならなおさらだ」
「アメリカの労働文化は“休まず働く”というものだ。一方でF1の文化は“嫌なら他に代わりはいくらでもいる”という厳しさがある」
「英国拠点で働くなら、日中は通常業務をこなし、アメリカが目覚める時間帯まで対応しなければならない。シーズンが始まる前から睡眠は3時間程度だと聞いている」
さらに、移籍してきたスタッフからは「すでに疲弊している」との声もあるという。ただし、これらは関係者の証言に基づくものであり、キャデラック側が公式に内部問題を認めたわけではない。
資金だけでは乗り越えられない課題
新規参戦チームにとって課題は資金だけではない。文化の融合、拠点間の連携、人的リソースの持続性といった要素が成功を左右する。
2026年F1オーストラリアGPは、キャデラックF1にとって初の実戦となる。10億ドルの投資が、24戦の長いシーズンの中でどのような形で成果に結びつくのか。
巨額プロジェクトの真価が、いよいよ問われる。
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