ジェンソン・バトン、ピアストリの苦境に共感「F1は本当に精神的に厳しい」
2009年、ブラウンGP時代にタイトルを争ったジェンソン・バトンは、当時の自分と現在のオスカー・ピアストリの状況がよく似ていると感じている。レッドブルが巻き返しを見せる中で、かつての彼も同じように精神的なプレッシャーに苦しんだという。

バトンは、当時ダブルディフューザーで圧倒的だったブラウンGPで前半戦を支配したが、夏以降はレッドブル勢の追い上げに苦しめられた。最終的に95ポイントを獲得し、旧ポイントシステムのもとでセバスチャン・ベッテルを下してタイトルを手にした。

「彼(ピアストリ)は非常に難しい状況に置かれていると思う」とバトンは英『Sky Sports』で語る。「マシンが序盤のようには機能していないし、当時の僕も同じだった。最初は誰もが太刀打ちできないほど速かったのに、今はクルマが少し後れを取っている。そうなると、どうしてもチャンピオンシップのことばかり考えてしまうんだ」

「そうすると、『このレースではポイントを落とさないようにしよう』『ミスをしないようにしよう』と考えすぎて、逆にミスが起こることもある」と続ける。「僕もタイトルを争っていたときに同じような間違いをした。自分にプレッシャーをかけすぎて、うまく対処できなかったんだ」

それでも、バトンはピアストリには支えがあると語る。「でもオスカーにはマーク・ウェバーがいる。彼はマネージャーとして見守っているし、自身も苦しい経験をしてきた人物だ。今のオスカーにとっては大きな支えになるだろう」

ノリスが14ポイント差に接近、マクラーレン内の流れが変化

バトンはまた、ピアストリのチームメイトであるランド・ノリスの勢いにも注目している。現在ノリスはドライバーズランキングで首位ピアストリに14ポイント差まで迫り、ここ数戦では予選でも決勝でも上回る場面が目立つ。

「ここ2戦はノリスの方が非常にポジティブだ」とバトンは語る。「もちろん、シンガポールの接触は良くなかった。チームメイト同士でぶつかるのは避けたいことだ。でもオースティンでは自信に満ちていたし、最初のプラクティスからオスカーに0.3秒の差をつけて、それを週末ずっと維持していた」

「2人はまったく違う方向に進んでいる。今は自信がランドの側にあり、ネガティブな空気がオスカーにある。誰にでも起こり得ることだし、人間だから仕方ない。このスポーツは本当に精神的に厳しい」と締めくくった。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ジェンソン・バトン / オスカー・ピアストリ