ブリヂストン F1 タイヤ
ブリヂストンの浜島裕英が、2009年のF1第3戦中国GPの展望をタイヤサプライヤーの立場から語った。

中国GPは昨年まで秋に開催されていたが、今年の日程は昨年のレースからわずか半年後の春に変更された。昨年のレースでは、ハード−ハード−ミディアムのタイヤ作戦を採用したルイス・ハミルトン(マクラーレン)が優勝した。

今シーズンはスリックタイヤへの移行によってレース用タイヤの配分が一新され、中国GPに向けて用意されたのはミディアムとスーパーソフトタイヤである。これはオーストラリアGPと同じ組み合わせで、チームとドライバーにとってタイヤ管理が難しい課題となる。

上海は2本の長いストレートと16ヶ所の多様なコーナーが混在する全長5.45kmのコースである。非常に大きな横Gを受け、ハードブレーキングとトラクションが必要になるこのサーキットで、ブリヂストンポテンザタイヤのミディアム、スーパーソフト両コンパウンドは、様々な課題に遭遇する。

ターン2とターン7はタイヤのグレイニングを誘発しやすく、一方ターン7から8にかけては大きな横Gが発生するため、タイヤのコンストラクションと耐熱性能が試される。ワンストップ作戦では重いマシンで走るためラップタイムに不利になり、タイヤの摩耗も促進するため、これまではツーストップ作戦が採用される場合が多かった。またターン13のバンクと同様に、1周全体を通じて勾配の変化も見られる。

浜島裕英 (ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長)
上海の課題は何か?
「上海インターナショナル・サーキットはタイヤに非常に厳しいコースです。横からの力が非常に大きく、特に大きく回り込んだターン2とバンクのあるターン13で、左フロントタイヤにグレイニングが発生すると予想しています。ここではリアタイヤにもグレイニングが発生する可能性があります。このサーキットは2本の長いストレートを擁する上に、大部分が曲がりくねったテクニカルなレイアウトになっているため、中程度のダウンフォース・セットアップを採用することになります。チームとドライバーにとっては、タイヤを最高の形で使用できるよう、適正なセットアップを見つけることが大きな課題になるでしょう」

開幕戦に続いてスーパーソフトコンパウンドが登場するが、タイヤ管理はどの程度難しいのか?
「オーストラリアでは、特にスーパーソフトタイヤのグレイニングが大きな課題でした。しかしこのグレイニングの発生は、チームによってフロントだったり、リアだったり、と様々でした。つまり、新しいマシンに合う適正なセットアップがまだ見つかっていないということです。今は各チームのマシンへの理解が開幕戦より深まっているので、中国ではグレイニングも軽減すると予想しています。また上海は常設サーキットなので、年1回しかレースが開催されないアルバート・パークよりも路面の状態は良いはずです」

開催日程:2009年 F1 中国GP

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カテゴリー: F1 / ブリヂストン / F1中国GP