F1ベルギーGP 記者会見 PART2:ルクレール「スパではメルセデスが依然として本命」
F1ベルギーGPのFIA記者会見パート2には、シャルル・ルクレール、キミ・アントネッリ、リアム・ローソンが出席した。

会見では、フェラーリのシルバーストンでの勝利とスパでの勢力図、アントネッリのタイトル争い、ローソンの好調、マドリングの印象、セーフティカー規則などについて語られた。

Q:シャルル、まずはあなたから。シルバーストンでの勝利、おめでとうございます。あの結果はスパに向けてどれほど自信になりましたか?

シャルル・ルクレール:もちろん気分はいい。ここ数戦はマシンとのフィーリングに苦しんでいたから、取り組んできたことが結果につながったのはうれしい。ただ、それはひとつのサーキットでの結果に過ぎない。今は別のコースでも再現したいと思っている。僕はいつも、自分がコックピットで良い仕事をし、マシンを信頼して自然に走れれば結果はついてくると信じている。ここ数日は、なぜシルバーストンで予想以上の速さを発揮できたのかを分析し、それを今後も再現できるよう取り組んできた。

Q:シミュレーター作業で何か新しい発見はありましたか?

ルクレール:僕自身がなぜ以前より快適に感じられたのかは、シルバーストンの時点で理解していた。何を変え、それがなぜ良かったのかも分かっている。ただ、マシン全体のパフォーマンスについては、まだ検証すべきことが残っている。完全に理解するには、もう少し周回を重ねる必要があると思う。それでも、あの結果は僕たちにとって予想以上だった。

Q:スパの本命は誰だと見ていますか? フェラーリですか、それとも隣にいるメルセデスでしょうか?

ルクレール:考えはシルバーストン前と変わっていない。シルバーストンもスパもメルセデス向きのサーキットだと思う。シルバーストンで僕たちが速かったのは自分たちにとっても驚きだったし、決勝では運にも助けられた。キミは本来の速さを見せていたからね。だから今週末もメルセデスが本命だと思っている。

Q:イギリスGP後はスペインでマドリングを走りました。新サーキットの印象を聞かせてください。

ルクレール:ステルヴィオの後ろについて何周か走った。まだ工事中で砂ぼこりも多かったけれど、とても面白そうなコースだった。僕は市街地コースが好きだし、このコースもチャレンジングで、自分の好みに合っていると感じた。レースウイークに本格的に走るのが楽しみだ。

Q:レイアウトの流れも良さそうですか?

ルクレール:そう思う。ただ砂ぼこりが多く、全開で攻められなかったから、その点はまだ判断しづらい。でも、とても面白いサーキットになりそうだ。

Q:キミ、シルバーストンでは速さを見せながら、決勝は悔しい結果でした。あの週末から持ち帰れた収穫は何ですか?

キミ・アントネッリ:週末全体を通して非常に競争力があったことが一番の収穫だ。すべてのセッションで上位を走り、苦戦したレースの後でも速さと勢いを維持できていると確認できた。あとは結果につなげるだけだ。自分でコントロールできることを最大限やり切り、それ以外は気にしても仕方がない。できるだけ速く走り続けるだけだ。

Q:直近3戦では、自分ではどうにもできない要因で大量得点を逃しています。フラストレーションは大きいですか?

アントネッリ:もちろん悔しい。でも、これがモータースポーツだ。もう十分だとは思うけれど、こういうことも起きる。だからこそ、自分でコントロールできる部分に集中し、与えられたチャンスを確実に生かすしかない。チームも同じ問題を繰り返さないよう全力で取り組んでいる。

Q:今週末のスパにはどんな期待を持っていますか? シャルルはメルセデスが速いと言っています。

アントネッリ:今年はどのレースでも競争力があったから、今回も上位争いができると思っている。ただフェラーリもシルバーストンでは非常に強かったし、特に予選ではいつも最後にタイムを伸ばしてくる。もちろんレッドブル・レーシングやマクラーレンも侮れない。それでも僕は自分の仕事に集中するだけだし、パッケージには自信を持っている。

Q:リアム、まずはF1以外の話題です。グッドウッドでブルース・マクラーレンのGT40を走らせた後、手が震えていたそうですね。なぜそれほど特別な体験だったのでしょうか?

リアム・ローソン:本当に特別だった。ニュージーランドではモータースポーツ、とくにF1の歴史を学って育つ。ブルース・マクラーレンはチームを創設し、そのGT40も歴史的なマシンだ。彼やクリス・エイモンを知る人たちから多くを学んできた僕にとって、あのマシンを走らせることには大きな意味があった。レーシングカーであれほど特別な感覚を味わう機会は、もうないかもしれない。

Q:今季は9戦中7戦でポイントを獲得しています。好調の要因は何だと思いますか?

ローソン:とても良いシーズンになっている。マシンも良く機能しているし、一番満足しているのはチーム全体が着実に進歩していることだ。アップデートも狙い通り効果を発揮し、改善したかった部分をしっかり伸ばせている。もちろんモータースポーツだから、自分ではどうにもならないことも起きる。でも、自分でコントロールできることに集中できていて、それが結果につながっている。

Q:ドライバーとしても一段階成長したと感じていますか?

ローソン:そう思う。経験を積めば自然に学び、良くなっていくものだ。F1に来たばかりの頃より理解も深まり、自分の力を最大限引き出すことにも集中できている。その点には満足している。

Q:今週末はアップデートがあります。アイザックの方が新パーツは多いようですが、期待は? 再びダブル入賞できそうですか?

ローソン:そうなればいいね。スパはシルバーストンと似た特性のサーキットで、前戦は僕たちに合っていた。今回も速さを発揮できない理由はない。新パーツがどう機能するか楽しみだし、良い結果につながることを期待している。

QUESTIONS FROM THE FLOOR

Q:キミ、シルバーストン後はウィンブルドンでロジャー・フェデラーと話す機会がありました。プレッシャーや選手権首位としての心構えについて、何かアドバイスを受けましたか?

キミ・アントネッリ:本当に素晴らしい経験だった。ウィンブルドンは初めてで、ここ数年はヤニック・シナーの影響もあってテニスを見るようになった。ロジャーとは芝コートや現役時代の経験だけでなく、僕のレースや人生についても話した。彼は偉大なアスリートであるだけでなく、とても謙虚でオープンな人だった。一番印象に残ったのは、「1戦ずつ集中し、自分でコントロールできることだけに意識を向け、ミスにつながる感情をコントロールすること」が大切だという言葉だ。本当に貴重な時間だった。

Q:シャルル、各チームがアップデート競争を続けています。シーズン後半に予算上限への影響が出る心配はありますか?

ルクレール:その点はフレッドを全面的に信頼している。チームはできるだけ早く効率的にアップデートを投入できるよう全力で取り組んでいるし、フレッドは状況を把握している。僕は心配していない。この質問は僕よりフレッドに聞くべきだと思う。

Q:ここスパはあなたがF1初優勝を飾った場所です。このサーキットは特別な存在ですか?

ルクレール:とても特別だ。ドライバーなら誰もが好きなサーキットだと思うし、僕にとっては初優勝を挙げた場所でもある。一方で、友人アントワーヌを失った場所でもある。だから、ここへ来るたびに特別な感情が湧く。本当に大好きなコースだし、新しいマシンでもスパらしい魅力が残っていることを願っている。シルバーストンは予想以上に楽しかったから、ここでも同じような感覚を期待している。

Q:マドリングの「ラ・モヌメンタル」は、オー・ルージュやマゴッツ&ベケッツのような名物コーナーになれると思いますか?

ルクレール:十分になれると思う。予選ではかなり勇気が必要なコーナーになるはずだし、とても印象的な場所になると思う。グランドスタンドが完成すれば、さらに特別な雰囲気になるだろう。僕は市街地コースが好きだから、マドリングも気に入ると思う。実際に自分に合うかは走ってみないと分からないけれど、全力で攻めなければならないコーナーは大好きだ。

Q:ザントフォールトのバンク付きコーナーとはどう違いますか?

ルクレール:ザントフォールトの最終コーナーは全開で走れるけれど、マドリングは少なくとも今の印象ではそうではない。テストでも全開には程遠かった。ただ、それは路面に砂ぼこりが多かった影響もある。いずれにしても、とても面白いコーナーになると思う。

Q:3人に質問です。多くのレースを経験した今でも、スタート前の5秒間の手順は現状のままで良いと思いますか?

ルクレール:少し短くなっても構わないけれど、キミは反対だろうね。

アントネッリ:僕は今のままでいい。

ローソン:正直、どちらでも気にしない。

ルクレール:冗談はさておき、この世代のマシンでは今くらいの準備時間は必要だと思う。身体的な負担もあるし、全員が万全の状態でスタートするには一定の時間が必要だからだ。多少短くしてもいいとは思うけれど、完全になくすべきではない。

Q:キミ、シーズンは折り返し地点です。学校の通知表のように10点満点で自己採点すると何点ですか? 満点でないなら理由も教えてください。

アントネッリ:10点ではない。まずオーストラリアのFP3では良い仕事ができず、マシンをうまく仕上げられなかった。それが週末全体に影響した。日本では勝ったけれどスタートが悪かった。マイアミのスプリントではトラックリミット、バルセロナとシュピールベルクの予選にも改善点があった。だから8.5点くらいだと思う。

Q:ジョージ・ラッセルは、不運も含めれば現在の25ポイント差は妥当だと話しています。あなたも同じ考えですか?

アントネッリ:判断は難しい。ジョージもモナコなどで不運に見舞われたし、僕もバルセロナでは2位、シルバーストンでも最後まで走れていれば優勝争いができたと思う。お互いに大きなポイントを失ったレースがあった。これがモータースポーツで、状況は一気に変わる。チームとしては信頼性が課題だったのは事実で、改善に取り組んでいる。フェラーリはその点で非常に強い印象がある。前半戦では僕もジョージも多くのポイントを失い、コンストラクターズ争いにも影響した。でも、ドライバーとしてできるのは、与えられたチャンスを確実に結果へ結びつけることだけだ。

Q:キミ、イタリアではヤニック・シナーとあなた、どちらの方が有名ですか? また、有名人になったことをどう受け止めていますか?

アントネッリ:今イタリアで一番有名なのはシャルルだよ。たぶんイタリアで最も有名な男性じゃないかな(笑)。ヤニックとイタリアで一緒にいたことがないから比較は難しいね。

Q:では、有名になったことについては?

アントネッリ:帰国すると多くの応援を受けられて本当にうれしい。イタリアのファンは感情をストレートに表現してくれるからね。ただ、その分期待も大きくなるので、それには気をつけなければいけない。もちろん、食事中など気づかれたくない場面もある。でも、それもアスリートである以上は自然なことだし、今の状況を楽しんでいる。

Q:シャルル、シルバーストンで変更を加える前は何に苦しんでいたのですか? フェラーリ固有の問題だったのでしょうか?

ルクレール:フェラーリだけの問題ではなく、この世代のマシンの特性による部分が大きい。僕はもともとアグレッシブなドライビングが持ち味だけれど、このマシンでは行き過ぎると一気にパフォーマンスを失う。パワーユニットの使い方やスロットル操作も影響し、それが次のコーナーやブレーキングポイントまで変えてしまうので、とても難しい。シルバーストンでは、その特性に合わせていくつか変更したことで大きく改善した。ただ、1勝しただけですべて解決したとは思っていない。このフィーリングをさまざまなサーキットで再現できるよう、これからも取り組み続けたい。

Q:シャルル、マシンへの理解が深まった転機は何だったのでしょうか?

ルクレール:ひとつの瞬間ですべて理解できたわけではない。データを分析しながら、なぜこのマシンで快適に走れないのかを少しずつ探っていった。その中でシルバーストンの金曜夜に、「数値化は難しいけれど、ここを変えれば自分の感覚に近づくはずだ」と思える細かなポイントを見つけた。土曜にその変更を試したところ、大きく改善した。それが結果につながったのは良かった。ただ、詳しい内容は話せない。本当に細かな違いで、外から見えるほど単純なものではない。

Q:具体的な内容は明かせなくても、ブレーキングなのか、それともエネルギーマネジメントなのか教えてもらえますか?

アントネッリ:全部だよ。ブレーキングも加速もステアリングも(笑)。

ルクレール:そう、全部だ(笑)。でも詳細は話せない。いくつかの要素が組み合わさったもので、コーナーのある局面に関することだ。ブレーキングではない。それによって以前よりずっと良いフィーリングを得られている。

Q:3人に質問です。シルバーストンのレース終盤を受け、セーフティカーの規則は変更すべきだと思いますか?

ルクレール:僕自身はシルバーストンの終わり方に不満はなかった。ただ、多くの人はセーフティカーのまま終わるのは良くないと思っているだろう。でも最優先されるべきは安全だ。どんな運用をしても不満は出る。レースがセーフティカーで終わるのは残念だけれど、あのとき再開できなかった理由は規則にもある。周回遅れを戻した後、さらに1周必要というルールは見直せるかもしれない。ただ、それを変えても、マシン撤去に時間がかかれば結局セーフティカーのまま終わる場面はある。ショーより安全を優先するのが正しいと思う。

アントネッリ:僕も同じ考えだ。規則がそう決まっている以上、それに従うしかない。再開できるレースもあれば、できないレースもある。全員を満足させることは不可能だし、このルールなら受け入れて次に集中するだけだ。

ローソン:僕もほぼ同意見だ。NASCARではセーフティカーのまま終わらない仕組みだったと思う。F1でも可能かは分からないし、燃料など考慮すべきこともある。でも、セーフティカーでフィニッシュするのは少し残念だ。安全を損なわず再開できる方法があるなら、それは良いことだと思う。

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カテゴリー: F1 / F1ベルギーGP / F1ドライバー