マクラーレンが復活の兆し F1バルセロナGPで再びメルセデスと互角の戦い

直近2戦では苦戦が続いていたが、高温コンディションのバルセロナでは同チーム本来の強みであるタイヤマネジメント性能が再び発揮されつつある。
一方で、メルセデスも依然として高い競争力を維持しており、ジョージ・ラッセルが終日安定した速さを披露。現時点ではマクラーレンとメルセデスが予選・決勝ともに最前線で争う構図が見えてきており、フェラーリとレッドブル・レーシングがどこまで巻き返せるかが残りの週末の焦点となる。
マクラーレンが本来の強みを取り戻す
ここ数戦のマクラーレンは苦戦が続いていた。
モナコではオスカー・ピアストリの5位が唯一の入賞となり、ランド・ノリスは2戦連続リタイア。タイトル防衛についても「かなり不可能」と認めるほど厳しい状況に追い込まれていた。
しかし、バルセロナのような伝統的なサーキット、そして高温コンディションでは状況が変わる。低温時のタイヤのウォームアップよりも、オーバーヒートやデグラデーション管理が重要になるため、マクラーレンの得意分野が生きる環境となった。
チームは慎重な姿勢を崩していない。金曜日のタイムだけでは各チームの燃料搭載量やエンジンモードの違いが分からず、路面コンディションも急速に改善していたためだ。
それでもノリスとピアストリの両者がマシンのフィーリングに満足しており、初日から高いパフォーマンスを発揮できたことは大きな収穫だった。
メルセデスは依然として最有力候補
ただし、マクラーレンが単独で抜け出したわけではない。
ラッセルはFP1から安定して速さを見せ続け、FP2でもノリスにわずか0.009秒差の2番手を記録した。
アンドレア・キミ・アントネッリはFP1でフレッド・ベスティにマシンを譲ったため、実質的にFP2のみで週末をスタートすることになった。さらにソフトタイヤでのアタック時にはトラフィックにも遭遇しており、ラッセルから0.274秒遅れという結果は本来の実力を反映していない可能性が高い。
メルセデスのブラッドリー・ロード副代表によれば、予選ペースはマクラーレンと非常に接近している状況だという。
一方でロングランではメルセデスがやや優勢との見方もあり、特にラッセルのレースシミュレーションは印象的だった。高いタイヤマネジメント能力を示したことで、決勝ではメルセデスが有利との評価も出ている。

フェラーリはアップグレード評価を優先
フェラーリは今週末最大規模のアップグレードパッケージを投入している。
そのため初日は純粋なタイムアタックよりも、新パーツの評価と旧仕様との比較に重点を置いていたとみられる。
フレデリック・バスール代表は「良い金曜日だった」と前向きに評価。一方でルイス・ハミルトンは、現行世代のF1マシンでこれまで経験した中でも最もグリップ不足だったと語り、苦戦を認めた。
対照的にシャルル・ルクレールは好調だった。前戦まで自信を失っていたブレーキ関連の問題が改善されたことでフィーリングが向上し、FP2では4番手を記録。トップから0.3秒あまりの差に留めた。
アップグレードの最適化が進めば、フェラーリが土曜日以降にさらに前進する可能性は十分に残されている。

フェルスタッペンは苦戦も巻き返しを警戒
マックス・フェルスタッペンにとっては厳しい金曜日となった。
無線ではマシンバランスへの不満を繰り返し訴え、セッション後には「高速コーナーでも低速コーナーでも中速コーナーでも遅い」と率直に語った。
さらにソフト、ミディアム、ハードの全コンパウンドで満足できる感触を得られなかったと説明。予選でフロントロー争いができるかと問われると、「間違いなく無理だ」と答えている。
それでもレッドブル・レーシングは金曜日から土曜日にかけて大幅にセットアップを改善することで知られる。実際、前戦モナコでも一晩で競争力を引き上げており、フェルスタッペンとアイザック・ハジャーが予選で前進してくる可能性は十分にある。
現時点の勢力図
金曜日終了時点では、マクラーレンとメルセデスが最前線を形成している。
マクラーレンは高温コンディションで本来の強みを取り戻しつつあり、メルセデスは一発の速さとロングランの双方で高いレベルを維持している。
フェラーリはアップグレードの分析を進めながら追撃を狙い、レッドブル・レーシングはセットアップ改善による巻き返しを目指す状況だ。
土曜日のFP3と予選を前に、現時点で最も注目すべき構図は「マクラーレン対メルセデス」。バルセロナでは久々に両チームによる本格的な頂上決戦が見られるかもしれない。
カテゴリー: F1 / F1バルセロナ・カタルーニャGP
