アイルトン・セナの“英雄的行動”ヘルメットがF1史上最高額で落札

この価格は、2023年のモナコGPでシャルル・ルクレールが着用したヘルメットの記録――26万2,700ポンド(約5000万円)――を大きく上回り、レース用ヘルメットとしては史上最高額となった。
アイルトン・セナは1992年、マクラーレンのドライバーとしてこのヘルメットをシーズンを通して着用。その中でも特に有名なのがスパ・フランコルシャンでの出来事だ。セナは、プラクティス走行中にクラッシュして意識を失ったエリック・コマス(リジェ)を救出するため、マシンを止めてエンジンを切り、救急隊が到着するまで彼の頭部を支え続けた。この行動により、コマスは「命を救われた」と語っている。
落札されたヘルメットは、日本のメーカーであるショウエイ製で、アイルトン・セナの象徴的な黄色、緑、青のデザインが施されている。カスタム仕様の軽量版「X-4」モデルで、通常モデルよりも100~200グラム軽く作られていた。オークションは4月23日から28日にかけてオンラインで実施された。

アイルトン・セナは1992年シーズン、ナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)が圧倒的な強さを見せる中でチャンピオン争いには絡めなかったものの、3勝を挙げてシーズン4位に入る活躍。ベルギーでの勇敢な行動も相まって、F1史上屈指の偉大なドライバーとしての地位を改めて確固たるものとした。
なお、ルクレールの記録以前の最高額は、2019年にセナの1990年シーズン用ヘルメットが13万9,100ポンド(約2650蔓延)で落札されたものだった。
セナは1994年、サンマリノGPでのクラッシュによりこの世を去っている。
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