F1:アラン・プロスト アイルトン・セナ関連の誹謗中傷でSNS閉鎖を検討

アイルトン・セナとの戦いはモータースポーツの一時代を象徴するものであったが、アラン・プロストは、毎日大量に寄せられるメッセージ(中には敵意に満ちたものもある)により、30万人以上のフォロワーを持つソーシャルメディアに存在し続けることについて疑問を抱くようになったと語っている。
この告白は、プロストとセナの伝説がピークに達してから数十年が経った今、F1ファンの根強い部族主義に厳しい光を当てることは必至である。
時代を象徴するライバル関係
この2人のライバル関係は、F1史上最も象徴的で物議を醸すもののひとつである。1988年と1989年にマクラーレンのチームメイトとして共に戦った2人の関係は緊張感に満ち、1989年と1990年の日本グランプリでの悪名高い衝突事件へと発展した。
彼らの覇権争いはスポーツ界を魅了し、1994年にアイルトン・セナが悲劇的な死を遂げる前には関係を修復し始めていたが、彼らの対決の遺産は今もなおファンの間で強い感情を呼び起こし続けている。
アラン・プロストは、特にブラジルにおけるセナへの熱烈なファンの忠誠心が、ソーシャルメディア上で執拗なメッセージにつながり、しばしば悪意のあるものになっていることを明らかにした。
「幸か不幸か、私はアイルトンのことを考えないわけにはいかない」とプロストはMotorsport-Total.に語った。
「例えば、私はインスタグラムをオフにしようかと考えている。なぜなら、本当に毎日例外なくメッセージが届くからだ。時折、憎悪に満ちたものもある。そういうこともあるのだ」

伝説の対決の影で生きる
輝かしいキャリアにもかかわらず、アラン・プロストは、自身の功績が、モータースポーツへの幅広い貢献よりも、セナとのライバル関係に不当に矮小化されていると感じている。
「ソーシャルメディア上で最も多い私のファンは、何とブラジルからだ。だから、私はセナのことを考えざるを得ない。間接的に、私は30年間ずっとこの物語の周辺で生きてきたし、おそらく一生そうだろう」とプロストは認めた。
「人生は多くの部分から成り立っている。モータースポーツへの道、私のキャリア、そして今。(引退してから)30年の間、私は多くのことをやってきたが、ほとんど話題に上らない。私の人生はプロストとセナの対決だけだと思われている」
アイルトン・セナとのライバル関係の重要性を認めながらも、プロストは自身のキャリアにおいて、多くの偉大なドライバーたちと競い合ってきたことをファンに思い出させたいと思っている。
「しかし、その間にも、私が対戦し、戦ったすべてのドライバーたち、つまり、チームメイトとして4人のワールドチャンピオンがいた。彼らは僕にとって非常に重要な人物であり、大きな意味を持っていた」

FIA、オンラインでの虐待に関する懸念に対応
アラン・プロストの告白により、モータースポーツにおけるオンラインでの虐待に関する議論が再燃し、FIA(国際自動車連盟)が対応に乗り出した。2023年、統括団体は有害なファン行動という深刻化する問題に対処するため、「オンラインでの虐待に反対する連合(UAOA)」イニシアティブを立ち上げた。
キャンペーンの広報担当者は声明でアラン・プロストの状況について次のように述べた。
「アラン・プロストは、そのスポーツの元世界チャンピオンである。オンラインでの虐待を理由にソーシャルメディアから追放されるべきではない」と統括団体はコメントした。
「彼の経験は、あらゆるレベルのスポーツ選手が直面する厳しい現実を浮き彫りにしている。日常的な虐待、嫌がらせ、さらには脅迫である」
「FIAのリーダーシップの下、UAOAは、スポーツが力強くも公平で包括的な競争の場であり続けるよう、競技者、オフィシャル、ファンを守るために必要な教育、技術、規制上のソリューションを開発している」

アラン・プロストとアイルトン・セナのライバル関係はF1の歴史に刻み込まれているが、プロストの最近のコメントは、その重圧の下で生きることの難しさを何十年も経った今も浮き彫りにしている。
アラン・プロストがスポーツ界に与えた影響は、その時代をはるかに超えて広がっているが、彼らの激しい戦いと、それが呼び起こした深い感情は、今日でも彼に対する評価を形作っている。
F1の統括団体がオンラインでの中傷を抑制しようと取り組む中、アラン・プロストのストーリーは、現代のスポーツにおけるファンの情熱の負の側面を思い起こさせるものとなっている。
カテゴリー: F1 / アイルトン・セナ