エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1 AMR26大改修「第一印象は有望」
アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイは、ハンガロリンクで、F1ハンガリーGPに投入したAMR26の大規模アップグレードについて、「計画全体の第一段階」に過ぎないと説明し、夏休み明けのオランダGP、さらにイタリアGP、アゼルバイジャンGPでも追加アップデートを投入する方針を明らかにした。

FIAの技術資料では16項目に及ぶ変更が確認されており、実質的には「Bスペック」とも呼べる大改修となった。

初日はランス・ストロールがサスペンショントラブルで走行を切り上げたものの、フェルナンド・アロンソは予定どおりデータ収集を実施。ニューウェイは「暫定的な結果は有望だ」と手応えを語っている。

16項目の大改修は「まだ第一段階」
ハンガリーGPで公開されたAMR26には、ロングノーズ化、新型フロア、サイドポッド吸気口の刷新、リヤ周辺の見直しなど16項目ものアップグレードが施された。

ニューウェイは、現時点では評価の途中段階であるとしたうえで、今後も段階的な開発を続けると説明した。

「まだ新しいパッケージを理解している段階だ。現時点での暫定的な結果は有望だ」

「これはパッケージの一部にすぎない。ザントフォールトでさらにアップデートを投入し、その後モンツァとバクーでも追加のステップを予定している。今回が計画していたアップグレードの第一段階だ」

また、スペアパーツが限られているため、慎重に評価を進めているという。

「スペアパーツが非常に不足しているので、慎重に走らせながら、このパッケージについて学んでいるところだ」

今回のAMR26は大幅な仕様変更となったが、基本設計は従来型を踏襲している。

「シャシーも基本レイアウトもフロントサスペンションも同じだ。つまり大きく変わったのは空力面であり、非常に空力中心の進化と言える」

ニューウェイは、開幕前には十分な研究時間を確保できなかったことも明かした。

「マシン投入まで十分な研究時間がなかった。そのため、一度立ち止まって問題を理解し、このパッケージへとつなげる作業が必要だった」

「まずは最低限の競争力を取り戻したい」
FP2終了後にはアロンソもアップグレードの効果について前向きな評価を示した。

「感触は良かった。数値やシミュレーションとの相関も期待どおりで、それは来年のマシンや今季後半のアップグレードに向けても非常に励みになる」

「もちろん僕たちはまだ大きく遅れているけれど、これは良い進歩へ向けた最初の一歩になってくれることを期待している」

ニューウェイ自身も、今回のアップグレードを前進と評価しながらも、すぐに優勝争いへ加われるとは考えていない。

「非常に大きな前進ではあるが、我々はまだ追い上げる立場にある」

「これで最速マシンになるかと言われれば、残念ながらそうではない。しかし以前より大きく前進できるかという問いには、『そうだ』と答えられる」

一方で、具体的な目標を設定する考えはないという。

「私は目標を設定することは好きではない。問題を論理的に解決し、全員が協力し合える文化を築くことの方が重要だ。そうすれば結果は自然についてくる」

さらに、勝てない時期と勝っている時期の違いについても持論を語った。

「勝てていない時は越えられない山のように感じる。しかし勝っている時は、自分たちは何も特別なことをしていないように感じるものだ」

そして、2026年シーズン前半を率直に振り返った。

「ここまでのレースは完全な悪夢だった。まずは最低限の競争力を取り戻したい。それが当面の目標だ。そして、そこからさらに前進していきたい」

エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

ストロールのトラブルはアップデートとは無関係
初日の大きな誤算となったのは、FP1でランス・ストロール車に発生した左リヤサスペンションのトラブルだった。わずか11周で走行を終えたことで、チームは2台体制で十分なデータを収集できなかった。

ニューウェイは、原因究明を急いでいるものの、現時点では今回のアップグレードとの直接的な関連は確認されていないと説明した。

「現在、何が起きたのかを全員で懸命に調査している。原因を理解して初めて今後の対応を判断できる」

さらに、トラブルが発生した箇所は今回変更した部分ではなかったと明かした。

「問題が起きた箇所自体は変更していない。外装など細かな変更はあるが、その意味では非常に予想外だった。原因を理解するまでは、それ以上のコメントは難しい」

また、FP1でアロンソに縁石を避けるよう無線で指示した理由については、サスペンショントラブルではなく空力データ取得のためだったと説明した。

「縁石を避けるよう指示したのは空力データを取得していたからだ。縁石による挙動の変化があるとデータが乱れてしまう」

一方で、再び確認された振動についてはホンダが解析を進めている問題だとし、自身の担当分野ではないとの認識を示した。

「振動についてはホンダに聞くべき内容だ。彼らはデータ上で状況を把握しており、解決策に取り組んでいる」

16項目に及ぶAMR26のアップグレードは、アストンマーティンにとって巻き返しへ向けた第一歩に過ぎない。ニューウェイが明かしたように、ザントフォールト、モンツァ、バクーでも改良版が投入される予定であり、チームはシーズン後半にかけて段階的な進化を続けていく。



このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1 / F1ハンガリーGP