F1ハンガリーGP FP2展開:ハミルトン最速でフェラーリ1-2 コラピントがクラッシュ
ルイス・ハミルトンが2026年F1ハンガリーGPのフリー走行2回目でトップタイムを記録し、シャルル・ルクレールとのフェラーリ1-2で初日の走行を締めくくった。ハミルトンは1分18秒729をマークし、ルクレールに0.148秒差をつけた。

3番手のランド・ノリスは大規模なアップデートを投入したマクラーレンでフェラーリ勢を追ったが、ハミルトンとの差は0.499秒。

マックス・フェルスタッペンが4番手、ジョージ・ラッセルが5番手となる一方、選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリはソフトタイヤでアタックをまとめられず13番手に沈んだ。セッションはフランコ・コラピントのクラッシュによって赤旗中断となった。

フェラーリが序盤から主導権
現地時間17時に始まった60分間のFP2では、FP1でルーキーにマシンを譲っていたアントネッリ、オスカー・ピアストリ、コラピント、オリバー・ベアマン、バルテリ・ボッタスがこの週末初めてコースに入った。

風が強まり始めたハンガロリンクでは、キャデラックとアルピーヌ勢が先頭を切ってピットを離れた。路面はFP1より改善していたものの、依然としてグリップが低く、風向きの変化も加わって多くのドライバーがマシンバランスに苦しんだ。

序盤はルクレールがミディアムタイヤで1分20秒103を記録して基準タイムを作った。これはソフトタイヤを使用したFP1の自己ベストより約1秒遅いタイムだったが、すぐにハミルトンが約0.4秒上回ってトップに立った。

フェラーリ勢は走り出しから安定した速さを示した。ハミルトンはマシンへの不満が比較的少なく、周回を重ねながらタイムを更新。一方のルクレールは最初の20分間で3度のロックアップを喫し、一度ピットへ戻って調整を行った。

それでもフェラーリの競争力は明らかだった。予選シミュレーションが始まると、ルクレールはソフトタイヤで1分18秒877を記録してトップに浮上。ハミルトンも最初のソフトタイヤ走行でルクレールから0.037秒差につけた。

ハミルトンはさらにもう1周のアタックを実施し、1分18秒729までタイムを短縮。ルクレールとの差を0.148秒に広げ、このタイムがセッション最速かつ金曜日全体のベストタイムとなった。

ハミルトンはハンガロリンクで過去8勝、9回のポールポジションを記録しており、F1史上最も同サーキットで成功しているドライバーである。その相性の良さを示すように、難しいコンディションのなかでもフェラーリのマシンを安定して走らせた。

FP1ではルクレールがフェルスタッペンに約0.5秒差をつけてトップだったため、フェラーリは金曜日の両セッションを制したことになる。ルクレールはFP1終盤にピットレーンでマシントラブルに見舞われていたが、FP2には問題なく参加し、速さへの影響も見られなかった。

ノリスが一時トップもフェラーリに届かず
マクラーレンはハンガリーGPに大規模なアップデートパッケージを持ち込み、FP1ではピアストリに代わって出走したレオナルド・フォルナローリのマシンで新しい可変構造のリアウイングをテストしていた。

チームは当初、FP1とFP2の間に新仕様を継続使用するか判断するとしていたが、FP2ではノリスとピアストリの両車に新しい「マカレナ」リアウイングを装着した。

ソフトタイヤでの予選シミュレーションでは、ノリスが1分19秒228を記録して一時トップに立った。しかし、その後フェラーリ勢がタイムを伸ばし、最終的にはハミルトンから0.499秒差の3番手となった。

ノリスはフェラーリに最も近い位置につけたものの、約0.5秒の差があり、少なくとも1周の速さではフェラーリが一歩抜け出した格好となった。

ピアストリはノリスほどアップデートを引き出せず、ハミルトンから1.372秒遅れの8番手。FP1を欠場したことで走行開始が遅れた影響もあったが、同じマシンを走らせるノリスとの間には約0.9秒の差がついた。

マクラーレンにとっては新しいリアウイングとアップデートパッケージが機能している兆候が見られた一方、セットアップやドライバーごとの適応については、さらに解析が必要な結果となった。

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

フェルスタッペンはリアの硬さとグリップ不足を訴える
レッドブル・レーシングでは、フェルスタッペンがハミルトンから0.692秒差の4番手となった。

レッドブルは、イギリスGPでフェルスタッペンがクラッシュしたあと、ベルギーGPで一時的に取り外していた回転式のリアウイングをハンガリーで再び投入している。FP1ではフェルスタッペンが2番手、アイザック・ハジャーが4番手につけており、週末の滑り出しは悪くなかった。

しかし、フェルスタッペンはFP2のミディアムタイヤによるロングランでリアアクスルが「ものすごく硬い」と訴え、リアグリップ不足も報告した。FP1でもギアシフトに不満を示しており、マシンの挙動は完全には整っていない。

セッション残り約20分には、フェルナンド・アロンソのアストンマーティンから脱落したとみられるデブリをコース上で踏んだ。フェルスタッペンのマシンには破片が引っ掛かったものの、大きな損傷は報告されていない。

それでもフェルスタッペンはフェラーリ勢とノリスに続く4番手を確保した。ハジャーも1.071秒差の6番手に入り、レッドブルは2台を上位6番手以内に送り込んだ。

ハジャーはFP1でも4番手だったため、ハンガロリンクでは週末を通して安定した速さを見せている。ただし、トップのフェラーリとの差は1秒以上あり、予選に向けてはリアの挙動とタイヤの使い方を改善する必要がある。

メルセデス勢はバランスに苦戦
メルセデスは金曜日を通してフェラーリやレッドブルほど安定した速さを示せなかった。

FP1で5番手だったラッセルは、トップのルクレールから約1秒遅れており、アタック中にはロックアップも喫していた。FP2でも状況は大きく改善せず、ハミルトンから0.933秒差の5番手となった。

ラッセルは走行中、マシンが「ひどい」「完全にバランスが崩れている」と無線で訴えた。風の影響を受けるコーナーで挙動が安定せず、特にブレーキングからターンインにかけてマシンをコントロールすることに苦労していた。

選手権首位のアントネッリは、FP1をフレデリック・ベスティに譲っていたため、FP2がこの週末最初の走行となった。

アントネッリもリアの不安定さとブレーキング時のロックアップに苦しみ、「ブレーキングで2度もスピンしそうになった」とマシンの挙動を疑問視した。

ソフトタイヤでの最初のアタックは、コラピントのクラッシュによる赤旗で中断された。再開後も複数のアタックをまとめることができず、最速タイムはミディアムタイヤで記録したものにとどまった。

結果はハミルトンから約2秒差の13番手。FP2で自己ベストをソフトタイヤではなくミディアムタイヤで記録した唯一のドライバーとなった。

選手権をリードするアントネッリにとっては、走行経験の不足に加え、セットアップの方向性を探る必要がある難しい初日となった。メルセデスはラッセルも約1秒差であり、今季上位を争ってきたチームとしては珍しく、明確にフェラーリの後方に位置している。

コラピントが最終コーナーでクラッシュ
セッション最大のアクシデントは、開始から約30分が経過する直前に発生した。

FP1を欠場していたコラピントは、最終コーナーへの進入でアルピーヌのリアを失い、スピンしながら後ろ向きにバリアへ衝突した。

低いグリップと風の影響を受け、マシンのリアが突然流れた形だった。コラピントは負傷することなくマシンを降りたが、アルピーヌはリア周辺を中心に大きな損傷を受けた。

マシン回収のためセッションは赤旗中断となり、残り26分で再開された。中断時には複数のドライバーがソフトタイヤでの予選シミュレーションを開始しており、アントネッリを含む何人かのアタックが途中で打ち切られた。

再開時には、ソフトタイヤでのアタックを待つマシンがピットレーン出口に列を作った。限られた時間のなかで各車がタイムを出そうとしたため、トラフィックの影響も生じた。

コラピントは有効なタイムを記録していたため21番手となったが、アルピーヌは翌日に向けて大規模な修復作業を強いられることになった。

チームメイトのピエール・ガスリーもマシンに強い違和感を訴えていた。

「マシンの何かがおかしい。ものすごくひどい。ターン12では壊れているように感じる。フロントに何か問題がある」

ガスリーは14番手に終わり、アルピーヌにとっては速さと信頼性の両面で厳しいセッションとなった。


レーシングブルズのローソンとリンドブラッドがトップ10
レーシングブルズでは、アップデートを装着したリアム・ローソンが7番手に入った。ハミルトンとの差は約1.3秒だったものの、ピアストリやアウディ勢を上回った。

アービッド・リンドブラッドも1.524秒差の10番手に入り、レーシングブルズは2台そろってトップ10入りを果たした。

ローソンのアップデート仕様が一定の効果を示しており、低速から中速コーナーが連続するハンガロリンクで中団上位を争える可能性を示した。

アウディはニコ・ヒュルケンベルグが9番手、ガブリエル・ボルトレトが11番手。ヒュルケンベルグはピアストリからわずか0.02秒差につけた。

ハースではエステバン・オコンが12番手、ベアマンが15番手。オコンはボルトレトと0.1秒以内の接戦だった。

ウィリアムズはアレクサンダー・アルボンが16番手、カルロス・サインツJr.が17番手。風と路面コンディションの変化に対応しきれず、上位争いには加われなかった。

アストンマーティンはアロンソ1台のみで走行
アストンマーティンは、ハンガリーGPに今季最大規模となる16項目のアップデートを持ち込み、実質的なBスペック仕様のAMR26をデビューさせた。

しかし、FP1でランス・ストロールのマシンに左リアサスペンションの問題が発生。チームはFP2開始までに修復を完了できず、ストロールはセッションを通してガレージにとどまった。

そのため、アップデートの評価はアロンソ1台に委ねられた。アロンソのマシンにはセッション後半に大量の緑色のフロービズ塗料が塗られ、チームは新しい空力パーツ周辺の気流を確認した。

アロンソはホンダ製パワーユニットから発生する振動も訴え、トップから約3秒遅れの19番手となった。走行中にはマシンからデブリが脱落したとみられ、その破片をフェルスタッペンが踏む場面もあった。

大幅な改良を施したAMR26だったが、初日はストロールのサスペンショントラブルとアロンソの振動問題が重なり、純粋な性能を判断するには十分な走行を確保できなかった。

ボッタスはキャデラックで18番手となり、アロンソを約0.3秒上回った。セルジオ・ペレスが20番手、クラッシュしたコラピントが21番手、走行できなかったストロールが22番手となった。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

ロングランでもフェラーリが優位か
予選シミュレーション終了後、各チームは燃料を積んだロングランへ移行した。

ハミルトンの1分18秒729は最後まで破られず、フェラーリは1周の速さで明確な優位を示した。ルクレールも0.148秒差にとどまり、2台の間には大きな性能差がなかった。

ノリスは約0.5秒差、フェルスタッペンは約0.7秒差、ラッセルは約0.9秒差であり、現段階ではフェラーリが予選に向けた最有力候補とみられる。

一方で、風の強さや路面グリップの低さによって多くのドライバーがバランスに苦しんでおり、セットアップ変更によって土曜日に勢力図が変化する余地は残されている。

特にメルセデスはアントネッリがソフトタイヤで有効なラップを記録しておらず、実際の予選ペースはFP2の順位ほど低くない可能性がある。マクラーレンも新しいリアウイングとアップデートの調整を進めることで、フェラーリとの差を縮めることを目指す。

それでも金曜日の段階では、FP1をルクレール、FP2をハミルトンが制し、フェラーリが両セッションでトップに立った。低速から中速コーナーでの安定性とタイヤからタイムを引き出す能力でライバルを上回り、ハンガリーGPのポールポジションと勝利に向けて最も有力なチームとして初日を終えた。

F1ハンガリーGP フリー走行2回目 結果

1.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)1分18秒729
2.シャルル・ルクレール(フェラーリ)+0.148秒
3.ランド・ノリス(マクラーレン)+0.499秒
4.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)+0.692秒
5.ジョージ・ラッセル(メルセデス)+0.933秒
6.アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)+1.071秒
7.リアム・ローソン(レーシングブルズ)+1.312秒
8.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)+1.372秒
9.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)+1.396秒
10.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)+1.524秒
11.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)+1.745秒
12.エステバン・オコン(ハース)+1.828秒
13.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)+1.964秒
14.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)+2.087秒
15.オリバー・ベアマン(ハース)+2.221秒
16.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)+2.244秒
17.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)+2.697秒
18.バルテリ・ボッタス(キャデラック)+2.713秒
19.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)+2.990秒
20.セルジオ・ペレス(キャデラック)+3.063秒
21.フランコ・コラピント(アルピーヌ)+3.802秒
22.ランス・ストロール(アストンマーティン)ノータイム

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カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1ハンガリーGP