F1ハンガリーGP FP1展開:シャルル・ルクレール最速も終盤にマシントラブル
2026年F1第11戦ハンガリーGPのフリー走行1回目が7月24日(金)、ハンガロリンクで行われ、シャルル・ルクレールが1分19秒075でトップタイムを記録した。ルクレールは2番手マックス・フェルスタッペンに0.484秒、3番手ルイス・ハミルトンに0.543秒の差をつけ、フェラーリの速さを印象づけた。

一方で、ルクレールはセッション終盤にマシントラブルに見舞われ、ピットレーン入口でストップ。

大規模アップグレードを投入したアストンマーティンも、ランス・ストロールの左リアサスペンションに問題が発生して赤旗の原因となるなど、各チームに多くの課題が残る波乱のFP1となった。

全22台が開始直後からコースイン
現地時間13時30分にセッションがスタートすると、全22台が早い段階でコースへ向かった。ハンガロリンクでは週末を通して多くのチームがアップグレードを投入しており、序盤はエアロレーキやフロービズ塗料を使用した空力確認が相次いだ。

タイヤはピレリのC3、C4、C5が持ち込まれ、大半のドライバーがミディアムを選択。キャデラックとアストンマーティンの4台はハードタイヤで走行を開始した。

路面温度は44.5度まで上昇しており、路面にはまだほこりが残っていた。特に最終コーナーはグリップが低く、複数のドライバーがリアを滑らせる場面が見られた。

今回は5人の若手ドライバーがFP1に出走した。フレデリック・ベスティが選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリに代わってメルセデスをドライブ。レオナルド・フォルナローリがオスカー・ピアストリに代わってマクラーレン、ポール・アロンがフランコ・コラピントに代わってアルピーヌを担当した。

さらに、平川亮がオリバー・ベアマンに代わってハース、コルトン・ハータがバルテリ・ボッタスに代わってキャデラックを走らせた。

フェルスタッペンとサインツJr.が危険な接近
序盤はジョージ・ラッセルがミディアムタイヤで1分22秒056を記録してトップに立ち、その後ルクレールが1分20秒884までタイムを縮めた。

マックス・フェルスタッペンは最初のアタックで、ターン12のレーシングライン上を低速で走っていたカルロス・サインツJr.に追いつき、急ブレーキを強いられた。

「信じられないよ、本当に危険だった。彼はブレーキまで踏んでいた」

フェルスタッペンは無線で強い不満を示した。サインツJr.はその直後、無線ケーブルが外れて一時的にチームとの交信ができなかったと説明している。

フェルスタッペンはその後、サインツJr.の前に出て減速したようにも見え、両者は「不規則な運転」の疑いで記録された。セッション終了後にスチュワードから事情聴取を受けることになった。

サインツJr.はポール・アロンとの別のインシデントについても説明を求められ、チェッカー後には妨害行為で白黒旗を提示された。

フェラーリが序盤から上位を形成
序盤のタイム争いでは、フェルスタッペンが1分20秒788を記録してトップに浮上。ルクレールが0.1秒以内で続き、ラッセル、フォルナローリが上位につけた。

しかし、ルクレールはターン12でチームメイトのハミルトンに一時的に引っかかった後、次のアタックで1分20秒287を記録して首位を奪回。ハミルトンも0.3秒差の2番手に上がり、フェラーリ勢が上位を占めた。

ハミルトンは最終コーナーで路面の汚れた部分に乗り、リアを大きく滑らせたもののスピンは回避した。一方でマシンの乗り心地が硬すぎると訴え、アップシフトとダウンシフトの両方にも不満を示していた。

フェルスタッペンも「ダウンシフトがひどい」と無線で訴えており、フェラーリとレッドブルの双方に変速面の課題があった。

新型リアウイングを各チームがテスト
今回のハンガリーGPでは、複数チームがいわゆる“反転型”のリアウイングをテストした。

フェラーリは先行して導入していた仕様を2台に装着。レッドブルもベルギーGPで一度旧仕様に戻していたが、問題を修正した改良型を再投入した。

マクラーレンも同様のコンセプトを持つ新型リアウイングを1台だけに装着し、フォルナローリがテストを担当した。チームはFP1のデータを分析したうえで、残りの週末に使用するかを判断する方針だった。

フェルスタッペンとルクレールのリアウイング周辺にはフロービズ塗料が残り、アイザック・ハジャーのレッドブルには空力計測用のエアロレーキが取り付けられていた。


ソフト投入でフェルスタッペンが首位
セッションが折り返しに近づくと、ラッセルが最初にソフトタイヤへ交換。1分20秒066を記録し、ルクレールのミディアムタイヤでのタイムを約0.2秒上回った。

しかし、その直後にフェルスタッペンが1分19秒559をマークし、ラッセルに約0.5秒差をつけて首位に立った。

ランド・ノリスもソフトタイヤで第1セクター最速を記録していたが、ターン11で縁石を越えてコースを外れたためアタックを中断。結果として代表的なソフトタイヤのタイムを残せなかった。

ノリスは最終的に11番手。マクラーレンの本来の競争力は、ピアストリが走行を開始するFP2まで判断しづらい状況となった。

ルクレールが0.484秒差の最速タイム
ルクレールはソフトタイヤで全セクターをまとめ、1分19秒075を記録。フェルスタッペンのタイムを0.484秒更新し、トップに立った。

ハジャーは3番手に浮上したものの、ルクレールからは0.9秒以上の差があった。その後ハミルトンがソフトタイヤでタイムを更新し、フェルスタッペンから0.059秒差、ルクレールから0.543秒差の3番手に入った。

高速ストレートの少ないハンガロリンクは、フェラーリの高ダウンフォース仕様に適しているとみられていた。パワーユニット性能の差も出にくく、事前にノリスが予想していた通り、フェラーリが序盤から速さを示した。

ルクレールは2025年のハンガリーGPでポールポジションを獲得しており、低速から中速コーナーが連続するコースで再び好調なスタートを切った。

ストロールの左リアサスペンションが破損
残り約20分となったところで、ランス・ストロールがターン2からターン3にかけて突然スピン。マシンをコース脇に止めたことで赤旗が提示された。

ストロールは無線でリアサスペンションの破損を報告。映像ではドライバーの操作ミスではなく、マシン後部の部品が突然機能を失ったように見えた。

アストンマーティンはその後、「左リアサスペンションの問題が疑われる」と発表した。

ストロールはバリアへの接触を回避したものの、11周で走行を終了。新型AMR26Bの実戦デビューは、早い段階で不安を残す形となった。

今回のAMR26Bには16項目に及ぶ大規模アップグレードが投入され、パワーユニットやギアボックス、一部のサスペンションを除くほぼ全域が改良された。

しかし、アストンマーティンは今週末に新仕様のスペアパーツを十分に持ち込んでいないと説明している。F1 TVの技術解説者サム・コリンズは、破損した部品によっては週末全体に影響する可能性があると指摘した。

「アストンマーティンは今週末、スペアが多くないとはっきり言っている。壊れた部品によっては大きな問題になるかもしれない」

ストロールのトラブル前には、フェルナンド・アロンソに縁石を避けるようチームから指示が出ていた。アロンソもセッションを通じて振動を報告しており、新型車の初日は完全に順調というわけではなかった。

ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

アロンソは新型AMR26Bで13番手
赤旗による中断は約6分間続き、残り17分でセッションが再開された。ピットレーン出口には多くのマシンが列をつくり、エステバン・オコンを先頭に一斉にコースへ戻った。

アロンソもすぐに走行を再開し、ソフトタイヤで1分21秒550を記録。ルクレールから2.475秒差の13番手となった。

絶対的な差は大きかったものの、直近数戦で後方に沈んでいたアストンマーティンにとっては、一定の前進を示す順位だった。

ストロールはハードタイヤでのタイムしか残せず、トップから4.396秒差の21番手。サインツJr.が最下位となったため、ストロールは22台中21番手でセッションを終えた。

ウィリアムズにブレーキトラブルの懸念
再開後、サインツJr.はターン1で4輪をロックさせる大きなブレーキングミスを喫した。マシンはバリア直前で停止し、再発進までに時間を要した。

タイヤには深刻なフラットスポットが生じ、周辺では黄旗が提示されたため、複数のドライバーのアタックにも影響した。

アレクサンダー・アルボンも同じターン1でロックアップしており、F1 TVの解説者ジョリオン・パーマーは、ウィリアムズのブレーキに技術的な問題がある可能性を指摘した。

「アルボンがなぜ長時間ブレーキを踏み続けていたのか理解できなかった。サインツも同じような挙動だった。ロックした後、ブレーキが固着し、停止するまで解除されていないように見える」

サインツJr.はトラブルとインシデントが重なり、トップから4秒以上遅れた最下位でFP1を終えた。ウィリアムズはFP2までに2台のブレーキシステムを確認する必要がある。

ルクレールが終盤にピット入口でストップ
残り10分を切ったところで、首位を走っていたルクレールにもトラブルが発生した。

ターン13の左コーナーに進入した際、ステアリング上で複数の警告灯が点滅。その後マシンは急激に速度を失った。

「何かが壊れた」

ルクレールは無線でそう報告し、低速でピットへ戻ろうとした。しかしフェラーリのガレージまでは到達できず、計量台の手前にあるピットレーン入口でマシンを止めた。

クルーが駆け寄ってマシンをガレージまで押し戻し、ブレーキ周辺が高温になっていたことから消火器も使用された。

当初はパワー系またはギアボックスの問題が疑われたが、セッション終了時点で正確な原因は発表されていない。

ルクレールは19周にとどまり、トラブルで早期終了したストロールを除けば、FP1で最も周回数が少ないドライバーとなった。


ラッセルは2度のミスで5番手
ラッセルは1分20秒066で一時首位に立ったものの、ソフトタイヤでの最終的なアタックをまとめられなかった。

最初のフライングラップは最終セクターがやや乱れ、2度目のアタックではターン1で大きくロックアップ。ルクレールから0.991秒差の5番手に終わった。

ラッセルは2022年のハンガリーGPで自身初のポールポジションを獲得しており、ハンガロリンクを得意としている。しかし今回はマシンの乗り心地にも不満を示し、クリーンなアタックを完了できなかった。

アントネッリに代わって走行したベスティは、ミディアムタイヤで記録したタイムにより7番手。ラッセルから約0.4秒差につけた。

選手権首位のアントネッリはFP2からマシンに戻る。メルセデスの本来の位置関係は、アントネッリとラッセルがそろって走行してから明らかになる。

ハジャー4番手 アウディ勢も上位
アイザック・ハジャーはルクレールから0.922秒差の4番手に入り、レッドブル勢2台をトップ4に入れた。

フェルスタッペンはルクレールに大差をつけられたものの、レッドブルは大きな混乱なくプログラムを進め、安定した初回セッションを終えた。

6番手にはアウディのガブリエル・ボルトレトが入り、トップから1.285秒差。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグも8番手につけた。

アウディは序盤に2台で細かなトラブルを調査していたが、その後は走行時間を取り戻し、揃ってトップ10入りを果たした。

9番手はレーシングブルズのアービッド・リンドブラッド、10番手はリアム・ローソン。レーシングブルズは前戦ベルギーGPでリンドブラッド車だけに搭載していたアップグレードを、今回から2台に装着している。

マクラーレンの実力は判断できず
ノリスは11番手に終わったが、ソフトタイヤでのアタックでは第1セクター最速を記録していた。

ターン11でワイドになってアタックを中断したため、最終順位は本来の速さを反映したものではない。チームメイトのピアストリもFP1を欠場しており、マクラーレンの競争力は未知数のままだ。

フォルナローリは新型リアウイングを装着したMCL40を走らせ、若手ドライバー勢最上位の16番手。前年のF2王者として2度目のF1公式セッションに臨み、空力評価を中心としたプログラムを進めた。

マクラーレンは過去2年間、ハンガリーGPで勝利している。FP2ではピアストリがマシンに戻り、ノリスもクリーンなソフトタイヤでのアタックを狙う。

ルーキー勢はベスティが最上位
5人の若手ドライバーでは、ベスティが7番手で最上位となった。

フォルナローリが16番手、平川亮が17番手、アロンが19番手、ハータが20番手だった。

平川亮はハースでオコンに続く17番手。アロンはアルピーヌで19番手、ハータはキャデラックで20番手に終わった。

各チームはFP2に向け、ベスティからアントネッリ、フォルナローリからピアストリ、アロンからコラピント、平川亮からベアマン、ハータからボッタスへとシートを戻す作業を進める。

フェラーリ優勢も信頼性に課題
チェッカーフラッグ時点のトップ3は、ルクレール、フェルスタッペン、ハミルトン。フェラーリが2台をトップ3に送り込み、ハンガロリンクでの高い競争力を示した。

ただし、最速のルクレールが機械的トラブルでストップし、ハミルトンも変速と乗り心地に不満を抱えている。単純にフェラーリ優勢と結論づけられる内容ではなかった。

レッドブルはフェルスタッペンが2番手、ハジャーが4番手と安定したスタート。メルセデスはラッセルが5番手、ベスティが7番手だったが、アントネッリ不在のため全体像はまだ見えていない。

大規模アップグレードを投入したアストンマーティンは、アロンソの13番手に一定の前進が見られた一方、ストロールのサスペンション破損が大きな懸念材料となった。

FP2は現地時間17時、日本時間24時に開始される。各チームは短いインターバルの間に、フェラーリの機械的問題、アストンマーティンのリアサスペンション、ウィリアムズのブレーキ、各車の変速トラブルを調査し、予選と決勝に向けたロングラン評価へ移行する。

F1ハンガリーGP フリー走行1回目 結果

1.シャルル・ルクレール(フェラーリ)1分19秒075
2.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)+0.484秒
3.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)+0.543秒
4.アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)+0.922秒
5.ジョージ・ラッセル(メルセデス)+0.991秒
6.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)+1.285秒
7.フレデリック・ベスティ(メルセデス)
8.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
9.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
10.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
11.ランド・ノリス(マクラーレン)
12.エステバン・オコン(ハース)
13.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)+2.475秒
14.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
15.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
16.レオナルド・フォルナローリ(マクラーレン)
17.平川亮(ハース)
18.セルジオ・ペレス(キャデラック)
19.ポール・アロン(アルピーヌ)
20.コルトン・ハータ(キャデラック)
21.ランス・ストロール(アストンマーティン)+4.396秒
22.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)

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カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1ハンガリーGP