アストンマーティン・ホンダF1 初期不振認める「隠す意味はない」

その状況について、チームアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサはSpeedcafeに対し、「隠す意味はない」と語り、現実を受け入れたうえで前進する方針を示した。外からは低迷が際立つ状況にあるが、内部では冷静さと団結を維持しながら再建が進められている。
想定外の低迷と受け入れの難しさ
今季のスタートは、チームの想定を大きく下回るものとなった。
「我々は冷静さと団結を保ってきたと思う」
「明らかに非常に難しい状況で作業している。なぜなら、まず第一に、我々は今の位置にいることを予想していなかった。我々はもっと競争力があると考えていた」
「だからこそ、受け入れるのは難しかった」
唯一の完走結果となったF1日本GPでは、フェルナンド・アロンソが18位に終わり、優勝したキミ・アントネッリから1周遅れとなった。この結果が、現時点での競争力不足を象徴している。
ホンダPU由来の振動問題が直撃
低迷の大きな要因となっているのが、ホンダのパワーユニットに関連する高周波振動の問題だ。この問題はパフォーマンス低下にとどまらず、ドライバーの身体にも影響を及ぼしている。
中国GPでは、アロンソがレース中に手足の感覚を失い、リタイアを余儀なくされた。
「改善はしている。外から見ると改善について語るのは難しいが」
「実際には、まさに今も舞台裏で多くの作業が進行している」
「チーム全体が忍耐強く団結を保っているという反応は、非常に心強いものだ」
タイムに表れない改善と開発継続
外部からは見えにくいものの、チーム内部では段階的な改善が進められている。
「振動の問題については、我々はそれを軽減してきた。バルセロナテスト以降、大幅にだ」
「ドライバーがマシンに乗るたびに、改善している」
「そしてマシンの開発もある。オーストラリアでは空力パッケージを投入し、それによってマシンはかなり速くなった」
振動問題が続く中でも、開発の方向性は変えていない。
「我々はあるべき姿で、非常に良いペースでマシンを開発しているだけだ」
「振動問題があるからといって、アプローチを変えたわけではない」
「隠す意味はない」アストンマーティンの選択
チームは問題を隠すのではなく、あえて公にする姿勢を取っている。
「透明で明確であることが重要だと思う。我々が経験している問題を説明することだ」
「それが我々が目指していることだ。我々は極めてオープンである」
「エイドリアンはオーストラリアで非常にオープンだった。我々もそうである必要がある」
「問題を隠したり、小さく見せようとする意味はない。すべてをコントロール下に置く唯一の方法は、現実的であることだ」
この「隠さない」という判断そのものが、現在のアストンマーティンの再建戦略となっている。

ニューウェイがもたらす再建の軸
その中心にいるのが、エイドリアン・ニューウェイだ。設計専念への憶測もある中で、その存在はチームの方向性を決定づけている。
「エイドリアンの素晴らしさは、他の人が考えることしかできないことを言えるだけでなく、それを実現できることだ」
「彼は模範を示して導く人物だ。すべての人の話を聞き、特にドライバーの声に耳を傾ける。そして解決策を見出す」
「我々は皆、ある時点でレースカーにどんな問題があるかを理解している。その中で実際に解決策を見出すエンジニアこそが、マシンを速くし、チャンピオンシップを勝つ」
「エイドリアンはまさにその一人だ。だからこそ彼はインスピレーションであり、真のリーダーだ」
走行不足が開発遅れを招く構造
振動問題は日本GPで約80%の改善が試されたものの、信頼性の懸念から見送られるなど、完全解決には至っていない。
さらに、序盤のレース中断によって走行距離が不足し、開発の遅れが顕在化している。
「レースカーを開発する最良の方法はレースだと私は思っている」
「だから今回の状況は、我々のケースにとって良いものではない。我々は新しいレギュレーションについてできるだけ多くを学ぼうとしているからだ」
「我々はスケジュールより遅れている。この最初の2戦で、我々はレース周回数もテスト周回数も大幅に少ない」
「だから私は毎週レースをしたいと思っている。そうすればより速く改善できる」
「とはいえ現実は現実であり、全員にとって同じ条件だ。だから我々も舞台裏で立て直し、作業する時間が増えることになる」
「F1で勝つことは常に特別なことだ。長くF1にいると、それがどれだけ難しいかを理解する」
「そして競争力を持つために必要な努力をより深く理解するようになる」
「1200人以上の大規模なチームを一つにまとめ、うまく機能させ、団結して成功したとき」
「それに勝るものはない」
厳しい結果が続く中でも、アストンマーティンは問題を隠さず、現実と向き合うことを選んだ。その「隠さない」という選択こそが、再建に向けた第一歩となっている。
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