セルジオ・ペレス レッドブルF1時代を告白「2台走らせるのは義務だからと言われた」

チーム加入時からマックス・フェルスタッペンを中心とした体制であることを理解していたと明かす一方、「レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトを務めることはF1で最も難しい仕事」と語り、歴代チームメイトが苦戦する理由や、自身が経験した精神的な苦しさについても率直に振り返った。
2026年からキャデラックF1で新たな挑戦を始めたペレスは、レッドブル時代を「素晴らしい4年間だった」と評価しながらも、その舞台裏には想像以上に厳しい現実があったことを明かしている。
「すべてはフェルスタッペンのため」と説明された
ペレスは、レッドブル加入前にクリスチャン・ホーナー代表からチームの方針を率直に伝えられたという。
「クリスチャンと初めて会ったとき、『我々が2台でレースをしているのは義務だからだ。そうでなければ1台だけで走れれば十分なんだ』と言われた。そして『すべてはマックスの周りに築かれている。我々はチャンピオンを獲るために戦っている』と説明された」
しかし、ペレスはそれを不満には思わなかった。
「僕は『文句を言うこともできる。でも与えられた環境で最大限の仕事をしよう』と考えた。それが僕にできることだった」
その結果、自身は十分に役割を果たしたという自負も口にしている。
「僕はあらゆる面で期待以上の仕事をしたと思っている。そして僕が去ってから、チームは4年間で僕がしてきた仕事を理解したと思う」
「フェルスタッペンのチームメイトはF1で最も難しい仕事」
ペレスは、フェルスタッペンと同じチームで戦うことの難しさについても詳しく語った。
「マックスと戦うだけでも難しい。でもレッドブルで彼のチームメイトになることはF1で最も難しい仕事だ」
「彼には彼のチーム、彼のエンジニア、彼の環境がある。シニアエンジニアや経験豊富な人材など、最高のリソースはすべてマックスに向かう。それは加入前から理解していたことだった」
それでもチームは、自身が勝利すれば喜んでくれたという。
「僕が勝てばチームは喜んでくれた。でもプロジェクト全体はマックスを中心に進められていた」
「システムがドライバーを壊してしまう」
ペレスは、自身だけでなく歴代のチームメイトも同じ状況に置かれてきたと指摘した。
「リアム・ローソンは2レースで終わった。角田裕毅についてもそうだ。彼らは、その仕事がどれほど難しいかを忘れていた」
さらにピエール・ガスリーやアレクサンダー・アルボンの名前も挙げたうえで、こう続けた。
「彼らはみんな非常に速く、才能あるドライバーだ。でも、そのシステムが彼らを壊してしまうんだ」
一方で、それはフェルスタッペンの能力を否定するものではないとも強調した。
「マックスは純粋なリーダーだ。チームをどの方向へ進めるべきかを理解していて、何が必要なのかも正確に伝えられる。4年間隣で見て、多くを学んだ」

「最後の数か月は有害だった」
ペレスは、レッドブル最後のシーズンについて「精神的に非常につらかった」と振り返った。
「僕は精神的にはかなり強い方だと思っている。それでも最後の数か月は本当に厳しかった。『有害(toxic)』と言っていい環境だった」
そのため、2025年にF1を離れてサバティカルを取ったことは必要な時間だったという。
「本当に休養が必要だった。あのタイミングで離れられたことは良かった」
アップグレードで状況はさらに厳しくなった
ペレスは、マシン開発によってフェルスタッペンとの差が広がっていったとも明かした。
「シーズン序盤は勝負できると思った年もあった。でもアップグレードが入るたびに差がどんどん広がっていった」
「マシンを自然に走らせることができなくなり、限界まで攻めるのではなく、リアが出ないように運転することばかり考えるようになっていた」
それでも、この経験が自分を成長させたと振り返る。
「マックスの隣で4年間過ごしたことで、僕は間違いなく以前より速いドライバーになった」
キャデラックで再び自分を証明したい
ペレスは、キャデラックF1への加入を決めた理由についても語った。
フェラーリでのテストを経て、自身の速さが失われていないことを確認できたことが大きかったという。
「普通のマシンなら、まだ自分は十分に速いことを確認できた」
「僕は今でも自分がグリッドでも最高レベルのドライバーの一人だと信じている。そして、それをもう一度証明したい」
ペレスはレッドブル時代を「素晴らしい4年間」と評価しながらも、その裏側ではフェルスタッペンを中心とした体制、歴代チームメイトが直面した難しさ、そして精神的な苦闘があったことを明かした。新天地キャデラックでは、その経験を糧に再び自身の実力を証明することを目指している。
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