2021年 第17戦 F1アメリカGP 決勝:タイヤ戦略解説
2021年 第17戦 F1アメリカGP 決勝でのタイヤ戦略をF1公式タイヤサプライヤーのピレリが解説した。
ポールポジションからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが、2ストップ戦略で緊迫した戦術的レースを制した。フェルスタッペンは、オープニングラップでメルセデスのルイス・ハミルトンにトップを奪われた後、11周目にP Zeroイエロー・ミディアムからP Zeroホワイト・ハードへ交換し、3周後にピットストップを行ったハミルトンに対する『アンダーカット』に成功してトップの座を奪還した。
フェルスタッペンは、2回目のピットストップもハミルトンより先に行った。フェルスタッペンより8周遅くピットストップを行ったハミルトンは、フレッシュなハードタイヤでフェルスタッペンを猛追し、フィニッシュ時には1秒以内に詰め寄っていた。
フェルスタッペンとハミルトンが、ともにミディアム~ハード~ハードと繋ぐ戦略を採った一方、3位を獲得したレッドブルのセルジオ・ペレスは、新品のハードタイヤを1セットのみ保有していたことから、ミディアム~ミディアム~ハードの2ストップ戦略を実行した。
バンプの存在、粗い路面、高速の第1セクターなどを特徴とするタイヤに厳しいCOTAのトラックでは、摩耗とデグラデーションが極めて高いレベルであることが金曜日のフリー走行で確認されていた。
午前中に雨がぱらついたものの、レース中は温暖なドライコンディションが継続した。ただ、強い風が吹いていた。レース中の気温は31度、路面温度は39度前後だった。
フェラーリのカルロス・サインツとアルファタウリの角田裕毅以外の全ドライバーは、P Zeroイエロー・ミディアムタイヤでスタートした。サインツと角田は、予選Q2でベストタイムを記録した P Zeroレッド・ソフトでスタートした。
予測どおり、2ストップが主流のレースとなりました。2名のドライバーのみが3ストッパーだった。
■各コンパウンドのパフォーマンス
【ハードC2】
レースでのメインタイヤとなった。大半のドライバーが、ハードで2スティントを走行し、厳しいコンディションの下で比較的デグラデーションの小さいハードをマネージした。フェルスタッペンは、ハードで27周のファイナルスティントを走行した。ハミルトンは、ハードでファステストラップポイントを獲得した。
【ミディアムC3】
大半のドライバーがスタート時に装着した。アストンマーティンのランス・ストロールは、ミディアムでは最長となる18周のオープニングスティントを走行した。チームメイトのセバスチャン・ベッテルは、ミディアムでは最長の21周の第2スティントを走行した。予測どおり、今日のコンディション下、ミディアムは、より多くのマネジメントを必要とした。
【ソフトC4】
フェラーリのカルロス・サインツは、ソフトで11周のオープニングスティントを走行した。ソフトでスタートしたサインツと角田は、短いオープニングスティントとハードによる長いふたつのスティントを走行して、ともにポイントを獲得した。
マリオ・イゾラ(ピレリF1およびカーレーシング責任者)
「気温が高く路面が粗いサーキットにおいて、予測どおりタイヤの摩耗率が高くなったことで、ほぼ全ドライバーがミディアムでスタートし、メインタイヤとしてハードを使用する戦略が主流となりました。この戦略は、厳しい要求に見事に対応していました。また、いくつか見られたロングスティントが、チャンピオンシップ争いの主役たちによるスリリングなフィナーレを演出しました。マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンは、レース前のタイヤアロケーションは同じでしたが、レースでのタイヤの使い方は異なりました。ハミルトンが終盤によりフレッシュなタイヤを最大限に活用した一方、フェルスタッペンは『アンダーカット』によって得たトラックポジションのアドバンテージを活かしました。その結果、完璧なタイヤマネジメントを行なったふたりのドライバーによるスリリングなフィナーレへと導く見応えある戦略的な戦いとなりました」
カテゴリー: F1 / F1アメリカGP / ピレリ
ポールポジションからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが、2ストップ戦略で緊迫した戦術的レースを制した。フェルスタッペンは、オープニングラップでメルセデスのルイス・ハミルトンにトップを奪われた後、11周目にP Zeroイエロー・ミディアムからP Zeroホワイト・ハードへ交換し、3周後にピットストップを行ったハミルトンに対する『アンダーカット』に成功してトップの座を奪還した。
フェルスタッペンは、2回目のピットストップもハミルトンより先に行った。フェルスタッペンより8周遅くピットストップを行ったハミルトンは、フレッシュなハードタイヤでフェルスタッペンを猛追し、フィニッシュ時には1秒以内に詰め寄っていた。
フェルスタッペンとハミルトンが、ともにミディアム~ハード~ハードと繋ぐ戦略を採った一方、3位を獲得したレッドブルのセルジオ・ペレスは、新品のハードタイヤを1セットのみ保有していたことから、ミディアム~ミディアム~ハードの2ストップ戦略を実行した。
バンプの存在、粗い路面、高速の第1セクターなどを特徴とするタイヤに厳しいCOTAのトラックでは、摩耗とデグラデーションが極めて高いレベルであることが金曜日のフリー走行で確認されていた。
午前中に雨がぱらついたものの、レース中は温暖なドライコンディションが継続した。ただ、強い風が吹いていた。レース中の気温は31度、路面温度は39度前後だった。
フェラーリのカルロス・サインツとアルファタウリの角田裕毅以外の全ドライバーは、P Zeroイエロー・ミディアムタイヤでスタートした。サインツと角田は、予選Q2でベストタイムを記録した P Zeroレッド・ソフトでスタートした。
予測どおり、2ストップが主流のレースとなりました。2名のドライバーのみが3ストッパーだった。
■各コンパウンドのパフォーマンス
【ハードC2】
レースでのメインタイヤとなった。大半のドライバーが、ハードで2スティントを走行し、厳しいコンディションの下で比較的デグラデーションの小さいハードをマネージした。フェルスタッペンは、ハードで27周のファイナルスティントを走行した。ハミルトンは、ハードでファステストラップポイントを獲得した。
【ミディアムC3】
大半のドライバーがスタート時に装着した。アストンマーティンのランス・ストロールは、ミディアムでは最長となる18周のオープニングスティントを走行した。チームメイトのセバスチャン・ベッテルは、ミディアムでは最長の21周の第2スティントを走行した。予測どおり、今日のコンディション下、ミディアムは、より多くのマネジメントを必要とした。
【ソフトC4】
フェラーリのカルロス・サインツは、ソフトで11周のオープニングスティントを走行した。ソフトでスタートしたサインツと角田は、短いオープニングスティントとハードによる長いふたつのスティントを走行して、ともにポイントを獲得した。
マリオ・イゾラ(ピレリF1およびカーレーシング責任者)
「気温が高く路面が粗いサーキットにおいて、予測どおりタイヤの摩耗率が高くなったことで、ほぼ全ドライバーがミディアムでスタートし、メインタイヤとしてハードを使用する戦略が主流となりました。この戦略は、厳しい要求に見事に対応していました。また、いくつか見られたロングスティントが、チャンピオンシップ争いの主役たちによるスリリングなフィナーレを演出しました。マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンは、レース前のタイヤアロケーションは同じでしたが、レースでのタイヤの使い方は異なりました。ハミルトンが終盤によりフレッシュなタイヤを最大限に活用した一方、フェルスタッペンは『アンダーカット』によって得たトラックポジションのアドバンテージを活かしました。その結果、完璧なタイヤマネジメントを行なったふたりのドライバーによるスリリングなフィナーレへと導く見応えある戦略的な戦いとなりました」
カテゴリー: F1 / F1アメリカGP / ピレリ