アストンマーティンF1が示唆「今ならホンダは選ばなかったかもしれない」

アストンマーティンは今週末のF1ハンガリーGPでエイドリアン・ニューウェイ主導による初の大型シャシーアップデートを投入し、その後のF1オランダGPではホンダが改良版パワーユニットを投入する予定だ。
苦戦が続くプロジェクトは、巻き返しへ向けた重要な局面を迎えている。
「本当の性能を知っていたら違う選択もあった」
2026年の新レギュレーション導入に向け、アストンマーティンとホンダには大きな期待が寄せられていた。しかし開幕するとマシンは競争力を欠き、ニューウェイがホンダの準備不足や情報共有に苦言を呈するなど、両者の関係は開幕戦メルボルンから緊張状態となった。
クラックは当時を振り返り、結果論ではあると前置きしながらも、別の判断をしていた可能性を認めた。
「もちろんメルボルンでは非常に大きなフラストレーションがあったし、エイドリアンからも状況についてかなり厳しいコメントがあった」
「もし当時、本当のパフォーマンスレベルを事前に知っていたなら、チームは違う判断をしていたかもしれないし、別のパートナーを選んでいた可能性もある」
この発言は、「今ならホンダを選ばなかったかもしれない」とも受け取れるものであり、シーズン序盤の失望の大きさを物語っている。
苦境がホンダとの結束を強めた
一方でクラックは、その苦しい経験こそがアストンマーティンとホンダの関係を大きく変えたと語る。
「厳しい時期が続くことは分かっていた」
「その件について何度も話し合いを重ねた。そして今では関係は劇的に改善している。アストンマーティンとホンダだけでなく、ガレージ、エンジニアリングオフィス、シルバーストンとさくらを結ぶ技術面での協力体制まで、あらゆる面で良くなった」
「本当に大変だった。だが、その経験を乗り越えたことで状況は改善していった」
さらに、厳しい戦いが両組織を一つにしたと説明した。
「寝る時間もなく、厳しい批判にもさらされたことが、私たちを一気に結び付けた」
「これは全員で乗り越えなければならない問題だった。もちろん時には苛立ちもあったが、感情的になっても意味はなかった」
「こうした状況では成熟し、プロフェッショナルでなければならない。そして前へ進む必要がある」
「再び戦えるようになった時、この半年間を振り返り、多くの学びを将来に生かしたい。それは技術だけではなく、協力体制や人間関係という面でも非常に価値のある経験になるはずだ」

ホンダも巻き返しへ向けて首脳会談
ベルギーGPにはホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長も現地入りし、ローレンス・ストロール、エイドリアン・ニューウェイ、エンリコ・カルディレらと会談を行った。
渡辺社長は、シャシーアップデートの進捗確認に加え、2027年を見据えた議論も実施したことを明かしている。
「まずシャシーを含めたアップデートの状況を確認しました。また2027年についてもさまざまな話し合いを行いました」
「この状況を打開するには、パワーユニットだけでなくシャシーも含めたシステム全体を改善しなければなりません。ただし、トップチームとの差を一気に縮められるわけではないことは、全員が理解しています」
「今回のアップデートでどこまで前進できたのか、そして次のアップデートで何を目指すのかを共有しました。F1では同じ認識を持って一つのチームとして戦うことが重要です。そのためローレンスだけでなく、エイドリアンやエンリコとも直接話をしました」
ニューウェイがベルギーGPに帯同していたかとの質問には、「はい、現地に来ています」と答えた。
クラックは「今ならホンダを選ばなかったかもしれない」とも受け取れる率直な胸の内を明かした一方で、その苦境を乗り越えたことでアストンマーティンとホンダの協力体制はかつてないほど強固になったと強調した。ハンガリーGPのシャシーアップデート、そしてオランダGPで予定されるホンダのパワーユニット改良版は、その成果を示す重要な試金石となる。
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