アルピーヌF1株式売却報道 クリスチャン・ホーナー率いる投資団体が関心か

関係筋によれば、交渉は初期段階にありながらも、F1パドックではすでに新たな投資コンソーシアムの動きが注目を集めている。中でも、レッドブルF1チームを去ったクリスチャン・ホーナーが関与しているとの憶測が浮上し、注目を浴びている。
Sports Business Journalによると、この株式は2023年半ばに約9億ドル(約1,350億円)で取得されたもので、F1チームの評価額が急騰するなか、アストンマーティンやレーシングブルズの推定価値は20億ドルを超えているとされる。これにより、アルピーヌの持分売却は“タイミングが意味深”と見られている。
アルピーヌ株売却の背景:投資ファンドの利益確定か
Otro Capitalは投資回収を視野に入れていると見られ、関係者は「まだ正式な売却プロセスではない」と強調している。ただし、ルノー(アルピーヌの親会社)は売却時の優先交渉権を保持しており、同社CEOもF1活動を「長期的に継続する」と明言している。
一方で、株式の一部が市場に出る可能性が示されたことで、他の投資家や関係者が動き出す余地が生まれた。

ホーナーと“億ドルコンソーシアム”の噂
複数の報道によれば、レッドブルを離れたホーナーが中心となり、10億ドル規模の投資コンソーシアムを結成しようとしているという。F1チームへの新規参入または既存チームへの出資を検討しているとの見方が広がっている。
こうした動きがアルピーヌの株式売却報道と重なったことで、「ホーナーがアルピーヌ買収を模索しているのではないか」という憶測が一気に高まった。
ただし、アルピーヌの経営アドバイザーを務めるフラヴィオ・ブリアトーレは、英『ロイター』に対し「ホーナーをチームに迎える計画はない」と明言している。現時点では噂の域を出ておらず、公式な交渉や提携は確認されていない。
2025年のF1投資市場:過熱するチーム評価額
近年、F1チームの企業価値は急激に上昇している。リバティ・メディアによるプロモーション強化と世界的な視聴者拡大により、各チームの評価額は過去最高水準に達している。
レーシングブルズやアストンマーティンが20億ドル超の評価を受ける中で、アルピーヌの24%持分は2023年の買収時点から大幅な含み益を持っている可能性が高い。そのため、Otro Capitalによる売却検討は「F1チームの価値上昇を利用した利益確定」だと見る向きもある。
ホーナーの狙いと今後の焦点
ホーナーは単なるチーム代表としての復帰ではなく、“オーナーシップ”を持つ立場でF1に関与しようとしていると噂されている。彼が率いていたレッドブル時代に培った人的ネットワークと商業的ノウハウは、投資家にとっても魅力的な資産だ。
今後の焦点は、
■ Otro Capitalが正式に売却プロセスを開始するかどうか
■ ルノーが自社の優先交渉権を行使するか
■ ホーナーのコンソーシアムが実際に入札に動くか
に集まる。
F1チーム売却が意味する“次の資本時代”
かつてのF1チーム買収はメーカー主導だったが、近年はプライベート・エクイティや個人投資家の参入が主流になりつつある。
この流れの中で、ホーナーのような“業界内部の経営経験者”が投資側に回ることは、新しい潮流を象徴している。
アルピーヌ株式売却が実現すれば、それは単なる資本移動にとどまらず、F1のビジネスモデルが次の段階に進む兆候といえるだろう。
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