アルファタウリF1代表 「角田裕毅にとって成長した1年だった」
角田裕毅のF1ルーキーシーズンは、F1バーレーンGPでのデビューポイントから始まり、F1アブダビGPでのキャリアベスト4位で終わった。

だが、その間、角田裕毅はアルファタウリF1のチーム代表であるフランツ・トストが「成長した」と表現する試練の年に耐えた。

昨年、角田裕毅は、チームメイトのピエール・ガスリーの110ポイントに対して、わずか7回のトップ10フィニッシュで32ポイントしか獲得できておらず、2022年にまだ証明することがたくさんある。

ミスが多発したシーズンは、F1バーレーンGPにロス・ブラウンが「過去数年で最高のルーキー」との発言が間違えであったことを証明してしまったが、シーズン後半には2022年にはるかに多くの結果が期待できることを示す十分な進歩の兆候があった。

「裕毅のシーズンは、ルーキーのシーズンがどのように進行するかを示す素晴らしい例だ」とトロロッソ時代から多くの経験の浅いドライバーと仕事をしてきたフランツ・トストは語った。

「以前も常に同じだったが、ルーキーと一緒に非常に経験豊富なドライバーがいたのは今年が初めてだった。通常、2人のルーキーまたは1年の経験を持つドライバーから始めたが、違いはそれほど明白ではなかった」

「裕毅に何が起こったのかは簡単に説明できる。我々は彼と一緒にいくつかのウインターテストを行った。最初はアブダビでのヤングドライバーテストだ。彼はマシンを学び、かなり良かったし、すべてが正常だった。それから我々はミサノとイモラでいくつかのプライベートウィンターテストを行い、マシン、スピード、ブレーキ、そしてすべてに慣れるために彼にマイレージを与えた」

「それから我々はバーレーンのテストに挑んだ。彼は速く、そして、レースをして、9位でフィニッシュした。すべてが素晴らしかった。そして、裕毅はすでに限界を超えて運転していたので、すぐにクラッシュが起こることは明らかだった」

「それは若いドライバーでも常に同じだ。彼らに『君は限界にいる』と伝える。だが、私は裕毅が頭の中でどんなことを考えていたかを正確に分かっている。バーレーンの後、彼は『それほど難しくはない』と考えた。そして、彼はイモラに来て、何が起こっているのかを示した。彼は素晴らしいマシンを持っていて、予選の最初の走りで彼は以前よりずっと速く、そして、クラッシュした。それは私にとって完全に論理的だった」

「レースの日曜日、彼はドライラインにいたハミルトンをウェットラインで追い抜こうとした。これは、まったく経験の浅い若いドライバーの行動だ。経験豊富なドライバーは、『目の前にいるのはハミルトン』、または『どのドライバーかわからないがメルセデスだ』『トップドライバーなので、少し見てみよう。彼はどのように走っているのだろう』と考える。。突っ込むことはない。だが、彼は『スリックタイヤでウェットで彼を追い越したい』だった。もちろん、彼はスピンした」

「その後我々はポルティマンに行った。彼はコースを知らなかったし、チームは良い仕事をしなかった。ポルティマンのどうにもならなかったし、彼は悪化した。それから、彼はバルセロナに行き、パワーユニットの電気的な故障があり、フィニッシュできなかった。そして彼は行ったことのないモナコに臨んだ」

「私は彼に『裕毅、あなたは素晴らしいFP1をした。FP2では注意してくれ』と言ったのを正確に覚えている。彼は『僕ははるかに速く走ることができます』と言ったが、『いいや、もっと速く走れば、君はウォールにいる』と伝えた。もちろん、彼はウォールにいた。それで彼らは『これは思ったほど簡単ではない』と考え始める」

角田裕毅自身もこの解釈を受け入れており、F1への準備ができていることに自信過剰だったと認める。

角田裕毅は、ミディアムコンパウンドでQ2に到達することを期待してバーレーンの週末に入っていたが、失敗したことに驚いた。つまり、生の能力を結果に変えるのは予想より難しいかもしれないというヒントがあった。

「自信がありすぎました」と角田裕毅は語る。

「これまでのところ、大規模なクラッシュや大規模な奇妙なものはなく、常にコントロールされていたので、F1は簡単すぎると感じていました」

「しかし、イモラでクラッシュした直後に・・・実際、予選は不運だと感じていたので、イモラの後も自信に関しては問題なかったですが、一貫してクラッシュするようになると、自信について疑問符を感じ始めました。それは僕が思っていたよりもはるかに困難でした。特に、レースウィークを通してどのようにビルドアップするかが考えていたよりも困難でした。アプローチが完全に間違っていました」

「自信は完全にゼロでした。これまで、自信がなくなることはほとんどありませんでした。そのため、バーレーンでのように自信を獲得または再構築するのに非常に苦労しました」

フランツ・トストは、カートやジュニアのカテゴリーで優れた教育を受けていても、F1はまったく新しいレベルであり、プレッシャーははるかに強いと指摘する。

したがって、角田裕毅がシーズンの序盤の6レースで経験したものは、フランツ・トストによれば、どんなルーキーでもF1で成功を目指す途中に経験する通常のショックだという。

角田裕毅がアルファタウリのファクトリーでより多くの時間を過ごすことができるように、英国のミルトンキーンズからイタリアのファエンツァに引っ越すことが決定されたのはこの時期だった。

角田自身は、これまでは「怠惰」でプレイステーション5に多くの時間を費やしていたと認めている。住む土地の変化は彼のアプローチを変える一因となり、彼の年齢の多くがそうであるように、自分の世話をし、自分の人生を管理する方法をよりよく学んだ。

「裕毅はショックを受け、自信を失い、『僕にこれができるのだろうか?』と疑問が浮かんでい。『F1は僕には速すぎるのか? 複雑すぎるのか?』とね。すべてのドライバーも同じだが、裕毅はとても素晴らしい例だった。マックス(フェルスタッペン)も(2015年の)モナコでクラッシュしており、それはノーマルなことだ」

「まず第一に、彼らは何が悪かったのかを理解しなければらない。それは多くの分析とエンジニアとの話し合いを意味する。それから私は裕毅に『次のレースに目を向けろ。あまりリスクを冒さず、ミスをしないようにしろ。より多くのラップを重ねた場合にのみ、より多くの経験を得ることができるので、とにかくドライブしろ』と言った。

「『とにかくドライブして、自信を取り戻せ。そうすれば、リスクはない。ひたすらそれを目指してくれ』とね。そうすれば徐々に自信が戻ってくる。これがまさに裕毅に起こったことであり、ブダペストで彼は6位でフィニッシュした。それは自信によるところが大きい」

だが、F1フランスGPでは予選の最初のフライングラップでのクラッシュし、F1オーストリアGPではピットエントリーの白線をまたぐ2つのペナルティを受けるなど、すぐにターンアラウンドは訪れなかった

フランツ・トストが言及しているF1ハンガリーの6位も、まだピエール・ガスリーのペースからかなり外れていることを考えれば、角田裕毅がどれだけ成長しなければならないかを示していた。

それでも、角田裕毅は少しずつ進歩を重ね、8月の夏休み後は5戦連続でノーポイントではあったものの、進歩の兆しをみせた。そして、シーズン終盤には一貫して予選Q3進出を果たした。アルファタウリ・ホンダのペースを考えれば、特筆するものではないかもしれないが、より一貫性のあるドライバーとしてスピードを取り戻すことができたことを示した。

F1サウジアラビアGPとF1アブダビGPでのシーズン最後の2回のグランプリでは、ミディアムタイヤを使用してQ3に到達。以前は達成できないことだった。

角田裕毅は、F1トルコGPの週末をシーズンのターニングポイントとして挙げている。その週末、角田はQ3に到達し、決勝では9位を走行していた21周目にターン9でスピンして順位を落として14位でフィニッシュしたが、序盤、2周目から5周にわたってルイス・ハミルトンを抑える走りを見せ、ホンダF1のダブル表彰台に貢献した。

「トルコは自信のターニングポイントだったと思います」と角田裕毅は語る。

「僕が取ったアプローチも異なっていました。トルコ以降は、大きなミスをしたり、ウォールにぶつかったりしないように心がけていました。それがペースは良くなかった理由です」

「2~3レースで一貫してペースを落としてすぐに、F1では結果とペースが最も重要であるため、もっと強くプッシュしなければならないと思い始めました」

「また、それを容易にしたことの1つは、シャシーの変更でした。トルコからシャシ^を交換しましたが、コントロールの面でも前のマシンよりはるかに感触が良かったです。サウジアラビアでは、マシンのスナップの量をコントロールできました。以前のシャシーなら、それを捕まえることができなかったと思います」

「パフォーマンスの面で感触がかなり違ました。ですから、これら2つが僕にとってターニングポイントでした」

シーズン終盤に改善を果たしたものの、角田裕毅にはまだやるべきことが残っているおり、それは来年にさらに構築するための基盤にすぎない。

フランツ・トストは、角田裕毅が2021年の教訓を来シーズンに生かしてくれることを期待している。それはF1、そしてアルファタウリに長く滞在するためにも必要になるだろう。

「彼はすべてではないが、より多くのことを知っているので、今年はまったく別の話だ」とフランツ・トストは語る。

「これが、私が若いドライバーがF1を理解するのに最低3年は必要だと言っている理由だ」

「F1は人々が考えるよりもはるかに複雑で、ドライバーのレベルは今までのF1ほど高くはなかった。つまり、ルーキーとそこに入るのは難しいことだ。本当に難しい」

レギュレーション変更によってまったく新しいF1マシンが導入される2022年にアルファタウリが昨年のように競争力がある保証はない。しかし、チームにはピエール・ガスリーという自分自身を測定するための優れた基準がいる。

来年から角田裕毅が学習を本当に最大化し、はるかに完全なドライバーとして戦うことができれば、将来のレッドブルドライバーの可能性として語られた日は馬鹿げたものではないと語られるかもしれない。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / アルファタウリ