トヨタ WRC
3月9日(木)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコが開幕。メキシコの首都であるメキシコシティでSS1が行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)がベストタイムを記録し、首位に立った。

一方、第2戦ラリー・スウェーデンの勝者であるヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は、総合8位につけている。

ラリー・メキシコ初の試みとなる首都メキシコシティでのSS1は、市中心部の歴史的地区「ソカロ」に設けられたターマック(舗装路)の市街地ステージが戦いの舞台に。全長1.57kmのコースを2回走行し、その合計タイムがSS1の結果となる。大勢の観客が見守る中、競技は夕方6時過ぎにスタート。走行1回目は雨で滑りやすいコンディションとなったが、比較的雨が弱い時に走行したハンニネンがトップタイムを記録。その後雨量が増え、ラトバラは8番手タイムで1回目の走行を終えた。2回目の走行が始まる頃には雨は止み、路面は徐々に乾いていった。ハンニネンは落ち着いた走りで5番手タイムを記録。2回の走行の合計タイムで総合トップに立った。また、ラトバラは2回目の走行でも8番手タイムを記録し、総合8位で競技初日を走りきった。

メキシコシティ中心部のソカロは、歴史的な建造部に囲まれた広場である。最近では映画、007シリーズ「スペクター」のオープニングで激しいアクションシーンの舞台となった。そして、今回のラリー・メキシコでは映画に負けないぐらいスペクタクルなラリーショーが、大観衆の前で展開された。ソカロでのSS1のために、ラリーカーは8日夜にラリーのホストタウンであるレオンから積車で約400km陸送された。また、選手たちは9日の早朝チャーター機でメキシコシティに飛んだ。そしてSS1の終了後、ふたたび飛行機でレオンに戻るというハードなスケジュールとなった。しかしメキシコシティでのSS1は大成功に終わり、ラリー・メキシコの歴史に新たなる1ページが書き加えられた。

競技2日目となる明日のデイ2は、サービスパークが置かれるレオンの周辺でグラベルステージが行われる。SS2と、その再走ステージであるSS4「エル・ショコラテ」は今大会最長となる54.90kmのコース。また、SS6はかつて銀鉱で栄えたグアナファトの市街地でのストリートステージで、選手たちは狭い地下道の舗装SSを走行する。そして1日の最後にはミニサーキットでのスーパーSSが2本用意されるなど、コースは実にバリエーション豊か。SSは全7本でその合計距離は154.85km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は418.82kmとなる。

ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC#10号車)
SS1のように距離の短い市街地SSは、リスクを冒して走っても大幅にタイムを縮めることが難しいので、とにかく注意して走りました。重要なのは大勢の人に素晴らしいショーを楽しんでもらえたということです。1回目の走行は雨でコースが濡れていたため非常に滑りやすく感じましたが、2回目はかなり乾いていました。長い移動の1日が終わり、明日からが本当の意味での競技スタートになります。

ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC#11号車)
走行1回目は雨で路面が濡れていましたが、タイヤは思っていたよりもグリップしました。とにかくミスを犯さないように気をつけて走りましたが、ヤリスWRCのフィーリングはとても良く、運転が簡単に感じられました。それでもトップタイムを記録し、初めて自分がWRCの総合首位になった事に驚いています。素晴らしいマシンを用意してくれたチームに感謝したいですね。ラリーは明日からが本当の戦いとなりますが、幸いにして朝がそれほど早くないので、今晩はゆっくりと休んでリフレッシュし、自信を持って明日の戦いに臨みたいと思います。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)