FIA
事実関係の明確化
昨日のテクニカル・ワーキング・グループの会議でFOTAが退席する以前に、FIA会長は、FOTAに宛て、2010年FIA F1世界選手権のレギュレーションの変更には、公表された規約のもとでエントリーした5チームの満場一致での承認が必要であることを記載した書簡を2度送付している。

これは国際競技規約に基づくものであり、また参戦チームは、総会でも世界モータースポーツ評議会でも破棄できない契約をFIAと結んでいるためである。モータースポーツの統治に関する基礎知識を有している者であれば、誰でも知っていることだ。FOTAチームが参戦したあと、世界モータースポーツ評議会がチームに問い合わせることなく規約を変えるような場合の騒ぎを想像していただきたい。

つまり、現時点で2010年の規約を変更するには、2010年世界選手権にエントリーしている5チームの同意が必要ということだ。昨日の会議中にこれを知らされたとのFOTAの主張は真実ではない。彼らは、モータースポーツの基本原則を知らなかったと間接的に認めていることになる。

現状では、2010年に関するF1のテクニカル・ワーキング・グループおよびスポーティング・ワーキング・グループの現メンバーは、2010年世界選手権にエントリーしたチームということになる。しかし、FOTAの8チームは、全13チームが新たなコンコルド協定、いわゆる“安定したレギュレーション”といわれる2010年のスポーティングおよびテクニカルレギュレーションの同意に向けて会議に招待された。スポーティング・ワーキング・グループは、本件に基づいた会議を午前中に開催し、大きな進展を果たしている。しかし、FOTAチームは午後のテクニカル・ワーキング・グループの会議を退席した。それでも、昨日発表した通り、エントリーを行った5チームは、6月24日にパリでの世界モータースポーツ評議会で承認された変更を認めた。

FIAは、FOTAチームが2010年チャンピオンシップに参戦する前にコンコルド協定を締結したい考えであることを理解している。いったん参戦すれば、FOTAチームは前述したような契約上の立場があるため、分裂シリーズの脅威を示すことができなくなるからだ。

シルバーストンの週末にウィリアムズチームが用意した、2011年末までに1990年代初期のレベルまでチーム自ら支出を削減するという提案に基づき、FIAはコスト制限計画の廃止に同意した。この削減にFOTAは同意し、6月24日にパリで承認された。これは、全チームが関わる非公開の法的拘束力のある契約であるが、FIAは関与していない。FIAはパリで、この協定が結ばれればコスト制限提案を2010年協議規約から除外することを認めた。

FIAがパリでFOTAと結んだ協定は、管理運営セクションを一部改正した1998年コンコルド協定を延長するというものだった。そのため、FIA議会に提出される疑問がある将来の規約を扱うためにF1委員会が設置されるはずであった。

しかしFIAは6月25日、一部を改正した1998年コンコルド協定ではなく、350ページの全く新しいコンコルド協定を受け取った。

このような詳細な交渉にFIA上院を関与することは全く非現実的であるため、契約書はFIAの弁護士に渡された。弁護士らは6月27〜28日の週末に不休で働き、6月29日(月)の3時間にわたる電話会議で意見を述べた。その後、6月25日の350ページのコンコルド協定は、FOTA/FOAの最終版ではないことが判明し、新バージョンの一部が7月2日および7月3日に提出された。

再びFIAの弁護士、FIAのマックス・モズレー会長、FIAのニック・クロウ競技担当副会長は7月4〜5日の週末も作業に取り組んだ。そして、さらなる草案が配布され、7月6日(月)に3時間半に及ぶ弁護士との電話会議、さらに昨日7月8日の会議においてコメントを述べた。昨夜の別の会議ではさらに重要な進展がみられている。

現時点では、2009年コンコルド協定の最終草案が承認され、数日中に署名される可能性が高い。

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カテゴリー: F1 / FOTA / FIA(国際自動車連盟)