角田裕毅の「2026年マシンはロケット」発言をレッドブルF1幹部が否定

2026年のF1新レギュレーション施行まで残りわずかとなり、各チームの新世代パワーユニット開発が最終段階に入っている。メルセデスが開発競争をリードしているとカルロス・サインツが語る一方で、現時点では確たる比較材料がなく、勢力図は依然として不透明だ。
角田裕毅が語った「ロケット発言」にレッドブル幹部が反応
レッドブルは今回、自社施設ミルトンキーンズで初めてパワーユニットを完全内製化しており、レッドブル・パワートレインズとフォードの共同開発体制で進行している。
その過程で、カラム・ニコラスがホストを務める1PasswordのYouTubeシリーズ『Securing The Win』エピソード2「Mark Hazelton」内で、角田裕毅が「来年のマシンは絶対にロケットだ」と語ったことが紹介された。
この発言を受け、同番組に出演したヘイゼルトンは笑みを浮かべつつ次のように語った。
「噂というのは良い面も悪い面もある。まあ、エンタメとしては面白いけれど、ソーシャルメディアの時代では多くのことが誇張されている」
ニコラスが「じゃあ、裕毅の“来年はロケットシップだ”という言葉を信じてはいけないってこと?」と問いかけると、ヘイゼルトンは眉を上げて反応し、「もちろん我々は勝つつもりで開発しているが、『ロケットシップ』とは言いたくないね。目標は高く設定しているが、それが現実的な範囲であることが重要だ」と慎重に答えた。
レッドブル2026年の見通しと懸念
2026年は、レッドブルが初めて「完全なワークスチーム」として挑むシーズンとなる。これにより、開幕から即座に競争力を発揮できるかどうかに懸念の声も上がっている。
複数の情報筋によれば、レッドブルの初代自社製エンジンは実走初期段階でライバルに対して約0.2秒の遅れを取る可能性があるという。さらに、チームが依然として2025年型マシンのアップグレード開発を続けていることもあり、「2026年車の仕上がりが遅れるのでは」と懸念する声もある。
この状況は、マックス・フェルスタッペンの将来にも影響を及ぼす可能性がある。報道によれば、2026年序盤で競争力が期待を下回った場合、フェルスタッペンがメルセデス移籍を検討する可能性も否定できないとされている。
慎重なトーンに変化するレッドブル陣営
角田裕毅の楽観的な見通しとは裏腹に、レッドブル上層部の発言からは慎重な姿勢が見て取れる。初の自社製パワーユニット開発という未知の領域で、同チームは「勝利を目指すが、過度な期待は禁物」と現実路線を強調している。
来季、レッドブルがどの段階で真の競争力を発揮できるのか──その答えは、2026年シーズン序盤のサーキット上で明らかになるだろう。
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