レッドブル、2026年F1マシン「RB22」でPUではなく空力主導の攻めた開発

月末に予定されているバルセロナでの非公開テストでは、機能確認を主目的としながらも、初期段階から完成度の高い空力仕様を投入する方針だ。
このアプローチは、2026年の新レギュレーション下で複雑化する電動エネルギー管理やアクティブ・エアロダイナミクスへの対応を見据えたものであり、シーズン序盤から集中的な空力開発を進めるための基準づくりとして位置づけられている。レッドブルはRB22を通じて、PU性能一辺倒ではない独自の競争力構築を目指している。
2026年シーズンを前に、F1の動きは徐々に慌ただしさを増している。アウディがバルセロナで撮影日走行を行い、続いてレッドブルとレーシングブルズがデトロイトで新シーズン用リバリーを公開する予定だ。ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、RB22の完成に向けて開発作業を加速させており、このマシンは月末に同地で行われるクローズドテストで初走行を迎える。
関係者によれば、ローラン・メキース率いるチームの2026年に向けた取り組みは極めてアグレッシブなものとなっている。とりわけ準備段階において、他チームの開発プログラムとは一線を画す内容が採られているという。
RB22は、初期テストの段階では純粋なラップタイムの追求を主目的としていない。最初の走行は、パワーユニットを制御する電子システムの作動確認や、アクティブ・エアロダイナミクス、バッテリー残量管理といった新要素にドライバーが順応するためのシェイクダウンとして位置づけられているからだ。
それでも、RB22はバルセロナにかなり完成度の高い初期空力仕様を持ち込む予定とされている。この仕様は、その後のバーレーンで行われる公開テストに向けて、段階的かつ非劇的な進化を遂げる見通しだ。
このような方針は、開発の停滞を意味するものではない。むしろ、レッドブルにとっては戦略の中核を成す考え方だ。初期段階で空力コンセプトの完成度を高めることで、その後に投入されるアップデートを評価・承認するための明確な基準を確立できる。
情報筋によれば、この基準を起点として、シーズン前半にかけて極めて集中的な開発が計画されているという。こうしたプログラムは以前から構想されており、人員の強化や、風洞データを正確に検証・相関させるための計算・シミュレーション環境の充実も含まれている。

空力を軸に据えた継続的開発
レッドブルの風洞施設は段階的なアップグレードが施されてきたものの、現在ミルトンキーンズで建設中の新施設はまだ稼働していない。このため、エンリコ・バルボが率いる空力部門では、数カ月にわたって専門技術者の集中的な採用が進められてきた。
採用対象は、空力パフォーマンスエンジニアやデータ相関の専門家にとどまらず、CFDやダイナミックシミュレーション部門の責任者クラスにまで及んでいる。この体制強化は、初期コンセプトを基準とした高頻度のアップデートを支えるための土台となる。
2026年、レッドブルはレッドブル・パワートレインズがフォードと共同開発したパワーユニットを搭載して戦うことになる。チームはこのPUを前提としつつも、車両側の継続的な進化によって総合性能を高める方針を明確にしている。
これは、比較的新しいPUプロジェクトに起因する潜在的な課題を補完する意味合いも持つ。とりわけ、電動エネルギーのデプロイメント管理や、アクティブ・エアロダイナミクスの運用は、すべてのチームにとって習熟が必要な領域となる。
レッドブルは、こうした過渡期において空力開発を武器に競争力を引き出し、PU関連の課題や運用面の不確実性が残る局面で優位に立つことを狙っている。
2026年のF1は、パワーユニット性能がすべてを決定づけるカテゴリーになると見る向きも多かった。しかしレッドブルは、空力コンセプトを集中的に磨き上げることで、異なる形のアドバンテージを築けることを示そうとしている。
ミルトンキーンズでは、過去と同様に既存の成功例を踏襲するのではなく、独自の解釈と道筋を選び取る姿勢が貫かれている。RB22は、その哲学を体現する存在として、2026年シーズンの幕開けを迎えることになりそうだ。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1マシン
