角田裕毅 レッドブルF1で覚醒「フェルスタッペン寄りのセットアップで前進」
角田裕毅は、マックス・フェルスタッペンのセットアップに徐々に寄せていったことが、今季の好調につながっていると明かした。

フェルスタッペンのチームメイトとして日本GPからレッドブル・レーシングに昇格して以来、角田裕毅はレースペース面で苦戦を強いられてきた。そこで8月の休暇の一部を返上し、シミュレーターで改善策を探る作業に取り組んだという。

その成果が徐々に現れ、ベルギーGPで7番グリッド、ザントフォールトでのポイント獲得、そしてアゼルバイジャンGPでは今季最高の6位フィニッシュを果たした。これは2021年アブダビGPでの4位以来のベストリザルトとなった。

一方、シンガポールGPでは予選13番手(ウィリアムズ勢の失格によって繰り上がり)からスタートし、決勝は12位に終わるなど課題も残った。

角田裕毅は、こうした浮き沈みの中でも成長を感じていると語る。

「最初の頃は、自分の求めるマシン特性だけを重視していて、マックスのセットアップを追いかけようとはしていなかったんです」と角田裕毅はRacingNews365などのメディアに語った。

「でも、彼はどんなサーキットでも常に最大限のパフォーマンスを引き出しているので、FP1の段階でどういうクルマが理想か、ある程度の見通しを立てられるんです。だから彼のセットアップ変更の方向性も考慮して、両方のやり方を組み合わせるようにしています」

「その質がだんだん良くなってきて、自然とレッドブルのクルマに慣れ、限界で走れるようになってきました。結果的に“マックス寄り”のセットアップに少しずつ近づいているのはいいことだと思います」

来季に向けては、アイザック・ハジャーがフェルスタッペンのチームメイトとして昇格する見通しが強まっており、アービッド・リンドブラッドのレーシングブルズ昇格も噂されている。角田裕毅はリアム・ローソンとともに、エナジードリンク勢2チーム内での最後の1枠を巡る熾烈な争いに挑むことになりそうだ。

角田裕毅 レッドブル・レーシング

角田裕毅の適応力が示すレッドブルでの成熟
角田裕毅の発言からは、フェルスタッペンのデータやセットアップ哲学を吸収しつつ、自身のドライビングスタイルと融合させる成熟が見て取れる。従来の「自分の好みを優先するアプローチ」から、「チーム全体の最適解を取り込む方向」へとシフトしたことが、結果的にマシン理解とリミット走行の安定化につながっている。

特にアゼルバイジャンGPでの6位は、フェルスタッペン仕様に近いハイダウンフォース寄りの特性を活かした走りであり、チーム内での信頼を深める契機にもなった。来季のシート争いを控え、角田裕毅の成長曲線は再び注目を集めつつある。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング