角田裕毅 父の辛口評価に「聞いていません」 F1モナコGP前に冷静対応
角田裕毅が、レッドブル昇格後のパフォーマンスに対して父・信明氏から寄せられた辛辣なコメントについて、自身の考えを語った。

VCARB(レーシングブルズ)からの昇格を果たした角田裕毅は、シーズン第2戦終了後にリーム・ローソンの後任としてトップチーム入り。以降、時折鋭いスピードを見せるものの、チームメイトのマックス・フェルスタッペンと比較すると結果は芳しくない。

特にイモラでは、予選Q1序盤に高速でバリアへクラッシュし、マシンが横転する大事故に見舞われた。幸いにも無傷だったが、サバイバルセルの交換と、アップグレードの進行によって異なるスペックの旧型部品を使用せざるを得ず、ピットレーンスタートから10位まで挽回してポイントを獲得した。

その週末について、父・信明氏は日本のメディアに「無駄なプッシュだった」「ルーキーみたいなミス」と語っていた。

この発言についてモナコGP木曜日にメディアから問われた角田裕毅は、あくまで冷静にこう答えた。

「父の話は聞いていませんので、大丈夫です」

「こういう話に返すだけのエネルギーもないですし、正直あまり気にしていません」

「自分のことは自分が一番よく分かっていますから」

角田裕毅 F1

イモラでのクラッシュ後、角田裕毅は旧型部品で決勝を戦い10位入賞

なお、このクラッシュはレッドブルにとって約100万ポンド(約2億円)規模の損失になったとされ、予算制限の中では大きな痛手となった。それでも角田裕毅は、イモラで「ヒーローになろうとして失敗した」と自らの過ちを認めていた。

「VCARBではああいうクラッシュはなかったんです。少なくとも2022年以降はなかったと思います」と角田裕毅は回顧する。

「レッドブルに乗ってみて、各セットアップに対する車の反応を完全に理解できていなかったんです。VCARBの時は、そこまで車の挙動が変わることはなかったですし、レッドブルの車は予想以上に変化するんですよ」

「この段階で急にレッドブルのセットアップを試したアプローチが間違っていたんですけど、こういうやり方はキャリアを通じてずっとやってきたことでもあるんです」

「だから、新しいことを試すときは、もう少し慎重に進めるべきだったというのが今回の学びです」

また、今後もアップグレードパーツの供給において、角田裕毅は当面フェルスタッペンと同じ仕様に揃えるのは難しい状況だと明かした。

「イモラ以降、パーツの供給状況がどうなるか分かりませんけど、たぶん全部の新しい仕様は入ってこないと思います」

「最初から後れを取っていましたし、それは自分の責任でもあります。でも、少なくとも同じ仕様に追いつくには、もう少し時間が必要だと思っています」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1モナコGP