F1モナコGPの突然の雨で角田裕毅らを襲ったブレーキの“グレージング”
角田裕毅は、F1モナコGPでこれまでの2023年F1シーズンで最高成績を目指して順調にレースを進めていたが、ブレーキの“グレージング(ガラスの表面のようなツルツルの状態になること)”に見舞われて順位を落とし、フィニッシュでは2周遅れとなった。

スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は、最初の66周のうち1周を除いてすべて9位で走行し、モナコでキャリア初のポイント獲得に向けて進んでいた。

しかし、レース後半に雨が降ると、角田裕毅はブレーキのグレージングに悩まされるようになる。これは軽めのブレーキを連続してかけた時に起こりうる現象で、ブレーキパッドの使用温度範囲を超えると硬化し、制動力が低下し、ブレーキが使用可能な温度に戻るとホイールがロックしてしまうことがある現象だ。

だが、そんな中で角田裕毅のエンジニアはブレーキングゾーンでペースを上げるように指示した。

角田裕毅は『わかってるけど、このブレーキは最悪だ!』と反論。だが、レースエンジニアがめげずに励まし続けると、角田裕毅も『僕をクラッシュさせようとしているの?』と声を荒げることになった。

結局、角田裕毅はマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリに抜かれてポイント圏外に脱落すると、ミラボーでコースオフし、2周遅れの15位でレースを終えることになった。

「雨が降り出すまでは良かったんですけどね」と角田裕毅はレース後にメディアに語った。

「でも、ブレーキの問題が発生して、突然まったくプッシュできなくなり、ペースも本当に悪かったので、本当に大変でした」

「チームからは『温度が上昇するのでブレーキをもっと踏んでくれ。そうすれば、ブレーキは正常範囲になる』と言われたので、『わかった、ありがとう。様子を見てみよるよ』と答えた矢先にウォールに突っ込んでしまいました」

チームメイトのニック・デ・フリースは12位でフィニッシュ。アルファタウリは今季最初の6つのグランプリでわずか2ポイントしか獲得していない。

角田裕毅さんは「とても残念です」と語った。

「一言で説明することはできませんが、レース中盤まではとても良いクルマで、とても良いペースでした。すべてがうまくいったので、最終的に起こったことを受け入れるのは難しいです」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)とアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)2021年に角田裕毅のメンター役を務めていたアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)

ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンもレース中に同様のブレーキトラブルに見舞われ、1周遅れの14位でレースを終えた。

「ホットからコールド、ドライからウェットへ移るときにこの問題は発生する」とアルボンは説明した。

「裕毅はブレーキにグレージングの問題を抱えていたと思う。それは助けにならないし、ブレーキングゾーンの真ん中でブレーキをかけると、突然ブレーキが効き始め、瞬時にロックしてしまう」

「何周かするとリズムが掴めてきて、いつブレーキが効き始めるかわかるようになって、ブレーキングゾーンの途中でパッっと離すことできる」

「でも、そのポジションを変わって、もう少し早い段階でロックがかかると、その時点で順番が狂ってしまうので、適応し続けなければならない」

「だから、僕は『ブレーキのリズムを掴むためにちょっとそのままにしてさせて』と言っていた」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / F1モナコGP / スクーデリア・アルファタウリ